写真で見るアルピナ「D3 ビターボ リムジン」


 アルピナはBMW車をベースとした高級高性能自動車メーカー。同社が手がけるモデルはBMW本社からも認められており、BMWの保証を受けることもできる。日本ではニコル・オートモビルズが輸入・販売を行っている。

 現在アルピナは、7シリーズをベースにした「B7 ビターボ」、6シリーズベースの「B6 S スーパーチャージ」、3シリーズベースの「B3 S ビターボ」などをラインナップしており、いずれもターボチャージャーやスーパーチャージャーで強化された、スポーティなモデルばかり。ちなみにビターボ(BiTurbo)はツインターボを意味する。

 今回取り上げた「D3 ビターボ」は3シリーズをベースにしているが、ほかのモデルとの大きな違いはディーゼルエンジンを使用していること。BMW車としては日本に導入されていないツインターボの2リッター直列4気筒ディーゼルを搭載している。6気筒ではなく、4気筒を使用した理由としては、アルピナの門戸を広げる意味もあるようだ。価格は他のアルピナ車がほぼ1000万円以上するのに対し、D3 ビターボは約700万円で購入できる。

 ボディタイプは、「リムジン(Limusine)」と呼ばれるスタンダードな4ドアセダンのほか、ワゴンボディーの「ツーリング」(Touring)、スポーティな2ドアの「クーペ」(Coupe)がある。なおB3 SやB6 Sではオープンボディーの「カブリオ」(Cabrio)も選択できる。

 D3 ビターボのトランスミッションは6速MT(マニュアルトランスミッション)と、スポーツモードやマニュアルモードを備えた6速AT(オートマチックトランスミッション)「スウィッチトロニック(SWITCH-TRONIC)」が用意されている。しかしボディータイプとの組み合わせで若干制限がある。リムジンの6速MTは左ハンドルのみで、ツーリングには6速MTは用意されない。クーペには6速ATの設定がなく、左ハンドル+6速MTのみとなる。

 D3 ビターボはディーゼルエンジンを搭載するが、アルピナはこれを「スポーツ・ディーゼル」と位置づけ、十分なパフォーマンスを与えている。エンジンは2個のサイズの異なるターボチャージャーを装備。小型のチャージャーはアイドリング状態でも働いており、1500rpmですでに400Nmのトルクを発生。最大トルク450Nmは2000rpmで得られる。3000rpmからは大きなターボチャージャーが働きはじめ、最高出力157kW(214PS)を4100rpmで発生している。最高速度は244km/h、0-100km/h加速は6.9秒でクリアする(リムジン)。ディーゼルのため、高回転はそれほど伸びない。しかしなにより、D3 ビターボはCO2の排出量が少なく、エミッション的にも有利という現代的な特徴を備えている。10・15モード燃費は6速MTで20.3km/L、6速ATで13.3km/Lとしている。

 今回撮影したD3 ビターボ リムジンの本体価格は698万円。これに6速AT(59万9000円)、右ハンドル(25万円)、電動ガラスサンルーフ(17万円)、スペシャルペイント・アルピナブルー(39万7000円)などが装備されている。

 なお、D3 ビターボは日本では150台の限定発売。人気が高いこともあり、7月半ば現在で残り台数は少なくなっているとのこと。

アルピナはD3に限らず、さり気なさが特徴のひとつ。フロントスポイラー、リアスポイラーが装備されるが、これも必要にして十分なもの

 

フロント部分。ほとんどオリジナルのBMW 3シリーズと変わらないフロントスポイラーを装着。控えめながら、空気抵抗はかなり軽減するというBMW品質の証として、バッヂはそのまま
ポジションランプはリング状に点灯する。最近のBMWの特徴外側がバイ キセノン ヘッドライトで、ロービーム・ハイビームともに担当するターンシグナルランプはLED
バンパー下部のフォグランプを点灯した状態フラットワイパー。レインセンサーによるオート機能付きETC車載器はルームミラーに内蔵する
「クラシック」と呼ばれる20本スポークのホイールはアルピナのトレードマークのひとつ大型のサイドミラーこれもアルピナの特徴。ボディサイドのデコレーションライン(サイドストライプ)
撮影車は電動ガラスサンルーフを装備ルーフ後部のシャークフィンアンテナ給油口。軽油専用の警告ラベルが大きく貼られている
リアまわり。ひかえめなスポイラーが付くマフラーエンドは左側のみの2本出しリアコンビネーションランプ
ストップランプが点灯した状態方向指示灯が点灯した状態リアフォグランプ
トランクリッドの「APLINA」のロゴ右側には「D3 BITURBO」のロゴその間にあるBMWのバッヂ

 

4気筒ディーゼルエンジン。ターボチャージャーはBMW純正だが、エンジンマネージメントはアルピナオリジナルトランクルーム。容量は460Lとクラストップレベルトランクリッド裏側に三角停止板をスマートに収める
トランク内にしっかりしたファーストエイドキットを装備フロアボードを外した状態。スペアタイヤは装備しない緊急用のエアチャージャーを装備する

 

インストゥルメントパネル全景ステアリングはアルピナオリジナルのレザーステアリング円形の大径2連メーター。アナログ表示の燃費計も装備する
イグニッションキーを差し込んだ状態エンジンの始動にはスタートボタンを使用するAT車のためペダルは2つ。アクセルはオルガン式ペダル
ステアリングのマルチファンクションボタン。こちらは電話の操作など右側はオーディオの操作などを行うシフトレバー。マニュアルモード付きの6速AT
ステアリング左側のレバー。上がウインカーなど、下はクルーズコントロール関連ステアリング右側のレバー。ワイパーの操作を行うライトスイッチはダッシュボードのダイヤルで行う
ルームミラー。自動防眩機能付きダッシュボード中央のオーディオと空調コントロールの操作系パーキングブレーキは標準的なもの

 

シートはサイドサポート付きのスポーツシートが標準。このほかレザーシートもオプションで用意される「ALPINA」のロゴの入ったサイドシルプレートルーフ前方に貼られたプロダクションプレート。シリアルナンバーも刻まれている
シートの操作はすべて電動式標準状態のシートの座面座面を伸ばすことが可能
前席ドア。スピーカーはミラー基部にも設けられているドア内側のスイッチ。ミラー調整やウィンドー操作などが可能ドア下部には物入れを装備する
センターコンソールのアームレストアームレストを開くと物入れが現われるサービスソケットやAUX端子はアームレスト内に備える
シフトレバー前方の物入れ(灰皿)パーキングブレーキ脇の物入れ。ちょっとしたものを入れるのに便利ルーフ前部の照明や、サンルーフの操作ボタン
助手席側のダッシュボード2個のカップホルダーを備える。右側は斜めにスライドし、運転席に近くなるグローブボックス。トランクオープナーもこの中にある
定員3名のリアシート。中央席にも3点式シートベルトを装備後席ドア。ドアの操作系はウィンドー開閉ボタンのみ後席の小さなサイドシルにも「ALPINA」ロゴ入りプレートが置かれる
シートにはアルピナのマークが付いている後席のアームレストを倒した状態その前方にはカップホルダーを装備
後席用の空調装置。サービスソケットが2個用意される前席シートバックの物入れ後席用の照明。左右それぞれのライトも装備する

 

メーター中央の表示。これは燃費走行可能距離平均速度
オーディオ部のディスプレイには車両の各種情報・設定が表示される走行情報や各種設定の画面。右下は時刻と日付のみの表示オーディオ関連の表示。ラジオ局、入力切り替え、音質調整など

写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(西尾 淳(WINDY Co.)/Photo:礒村浩一)
2010年 8月 23日