写真で見るSTI「インプレッサ WRX STI tS」


 12月21日に発表され、2011年1月25日より発売されるSTI(スバルテクニカインターナショナル)のコンプリートカー「インプレッサ WRX STI tS」。6速MTモデルのWRX STI tSと、5速ATを搭載した「WRX STI A-Line tS」を計400台限定で発売する。4ドアボディーのみで5ドアの設定はない。

WRX STI tS。ボディーカラーはスパークシルバー・メタリック

 tSシリーズは2010年6月に発売されたレガシィtSより始まった新たなシリーズで、tuned by STIの略だとも言われる。先日フォレスターtSが登場したが、インプレッサベースのtSが登場するのは今回が初。

 tSシリーズは、R204やS205などのシリーズと比べ、パワートレーン系に手を加えず、主に足まわりのカスタマイズやボディー補強だけを行っているのが特徴。しかし6速MTモデルのWRX STI tSではタービンにボールベアリングツインスクロールターボを採用し、コンピューターも専用セッティングとなっている。

 これはインプレッサ WRX STI spec Cに搭載されているもので、WRX STI tSがspec Cをベース車としているからだ。そのためボンネットもアルミ製となる。ただし4ドアボディーにspec Cは設定されていないので、ボールベアリングターボやアルミボンネットを搭載した唯一の4ドアモデルとなる。その結果、最高出力は227kW(308PS)/6400rpm、最大トルクは430Nm(43.8kgm)/3200rpmとなり、8Nm向上したほか、発生回転数も1200rpm引き下げ、5ドアのspec Cと同様の性能となる。

 ただし、5速ATモデルのWRX STI A-Line tSは、ベース車が通常のWRX STI A-Lineとなるため、ベース車同様最高出力221kW(300PS)/6200rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/2800-6000rpmを発生する、水平対向4気筒 DOHC 2.5リッターのシングルスクロールターボエンジンを搭載している。

 このWRX STI tS、WRX STI A-Line tSで注目すべきは、スバル(富士重工業)の量産車として初めて採用されたカーボンルーフ。スバルと東レが共同開発したドライカーボン製のルーフは、アルミボンネットとあわせ、WRX STI tSでは4ドアのWRX STIに比べ20kg、WRX STI A-Lineでは10kgの軽量化を実現している。

 もちろん足まわりやボディー補強は従来のtSシリーズと同様。スプリング、ダンパーともに専用セッティングとしたサスペンションに加え、フレキシブルタワーバー・フロント、フレキシブルドロースティフナー・フロントをはじめとした補強パーツ、さらにブッシュ類にもチューニングを施すことで、STIコンプリートカーのテーマである「Sport,Always」を実現していると言う。

 エクステリアでは、フロントグリルとトランクフードにtSのエンブレムをあしらうほか、新デザインのSTI製18インチアルミホイールを装備。内装はルーフ内張まで黒で統一し、シートはMTモデルとATモデルで異なるがSTIロゴの黒刺繍に加え、ステアリングなど各所に赤ステッチを施し、コンプリートカーらしい存在感をアピールしている。

バンパー形状はノーマルと同じフロントバンパー下部にはSTI製フロントアンダースポイラーを装備グリルにはtSのエンブレムが装備される
ボンネットはアルミ製だが外観からはその差は分からないボンネット裏の防音材がないのが特徴。spec Cと同様のものだがインタークーラーウォータースプレーは装備しないホイールは新デザインの18インチアルミホイール
カーボンルーフ。関西ペイントと特殊な塗料を開発し、クリア塗装でありながら耐候性は10年以上と言う。白やシルバーといった明るいボディーカラーだとより目立つリアまわり。バンパーはノーマルのままスポイラーはMT、ATモデルともにSTI製トランクスポイラーになる
トランクフードの助手席側にSTIエンブレム、運転席側にtSエンブレムが付くおなじみのSTI製フレキシブルタワーバー・フロント
WRX STI tS(MTモデル)に搭載される2リッターターボエンジンWRX STI tSのターボにはボールベアリングツインスクロールターボが装備されるWRX STI A-Line tS(ATモデル)のエンジンは2.5リッターシングルスクロールターボ
WRX STI A-Line tSの内装。メーカーオプションでMTモデルと同様のレカロ製バケットタイプシートが装備されていたレザーとパンチングアルカンターラの専用シート。STIのロゴが黒刺繍で入るリアシートもレザー&パンチングアルカンターラ。WRX STI A-Line tSの標準ではレザーシートとなる
WRX STI A-Line tSのインストルメントパネルWRX STI A-Line tSのメーターパネルWRX STI A-Line tSのSTI製本革巻セレクトレバー
WRX STI tSのメーター。センターデフのモード表示が加わるWRX STI tSのSTI製本革巻MTシフトノブWRX STI tSにはセンターデフコントロールスイッチが付く
STI製プッシュエンジンスイッチは全車標準tSのロゴが入ったSTI製サイドシルプレートルーフ内張りやサンバイザーも黒で統一される

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(瀬戸 学)
2010年 12月 22日