写真で見るキャデラック「CTSクーペ」


 ゼネラルモーターズのキャデラック「CTSクーペ」は、CTSシリーズの2ドアモデル。どこから見てもキャデラックCTSと一目で分かる直線的なスタイリングを採用し、それでいて2ドアクーペならではのデザインが施されている。内外装は意外にもセダンとの共用パーツが少ない。

 ボディーはサッシュレスの2ドアを採用。ブラックアウトされて目立たないが、センターピラーはしっかりと存在し、リア側面のウインドーは開かない。後席は2名乗車となる。エレガントなクーペだが、サスペンション、ブレーキといった足まわり関係をニュルブルクリンクサーキットで鍛え、ダイナミックなスポーツ走行も身上とする。

 CTSクーペは1グレードのみの設定だが、別に強力なエンジンを搭載した「CTS-Vクーペ」と呼ばれるハイパフォーマンスバージョンを用意する。CTS-Vクーペはスーパーチャージャー付きのV型8気筒6.2リッターエンジンを搭載し、最高出力415kW(564PS)/6100rpm、最大トルク747Nm(76.1kgm)/3800rpmというエレガントという言葉から想像できない強大なパワーを誇る。

 撮影車は標準モデルの「CTSクーペ」だが、搭載するV型6気筒3.6リッターエンジンの最高出力は229kW(311PS)/6400rpm、最大トルクは374Nm(38.1kgm)/5200rpmと十分な出力。このエンジンで6速ATを介して後輪を駆動し、1830kgの車体を引っ張る。3.6リッターエンジンはレギュラーガソリン仕様という点も見逃せない。

 CTSクーペのボディーサイズは4800×1900×1420mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2880mm。CTSセダンとはサイズが異なり、全長が70mm短く、全幅が50mm広く、全高が50mm低くなっている。横幅は1900mmに達しているが、角張ったスタイルのため車両感覚は比較的つかみやすい。

 CTSクーペの車両価格は668万5000円で、HDDカーナビやボーズ・5.1chサラウンド サウンドシステム、レザーインテリア、タイヤ空気圧モニター、19インチポリッシュアルミホイール、TCS(トラクション コントロール システム)、LSD(リミテッド スリップ ディファレンシャル)などをすべて標準装備する。オプションで選べる装備はガラスサンルーフ程度で、必要な装備を揃えた上での価格設定となる。

アート&サイエンスのコンセプトに基づいた直線的なスタイリング。CTSセダン同様のエレガントと、クーペならではのスペシャリティを兼ね備える
押し出しの強いフロントマスク。現代のキャデラックのアイデンティティでもある5角形のフロントグリル、縦長のヘッドランプを装備
ヘッドランプは直線的なライトユニットにHIDのプロジェクタータイプを搭載
フォグライトもプロジェクタータイプ。電球はハロゲンフロントグリルに付くキャデラックのオーナメント大きいフロントウインドー
ワイパーは空力に有利なカバーのついたタイプ側面のターンシグナルはフェンダーに配置フェンダーのルーバーはエンジンルームの熱を排出するためのもの
サイドミラードアノブはこの中にあるBピラーはブラックアウトされ目立たない
電動チルトアップ機構が備わるガラスサンルーフはオプションで用意され、9万4500円高となる
緩い傾斜のリアウインドー後端はV字形状にセンターが尖ったデザイン
燃料はレギュラーガソリン仕様。タンク容量は66LコンビネーションライトはLEDによって点灯するハイマウントストップランプもLED
エキゾーストエンドはバンパーと一体化したデザインで、センター部で分割されるバックカメラを搭載後端部のキャデラックエンブレム
排気量を示す「3.6」のエンブレムは右側に、車名を示す「CTS」のエンブレムは左側に備わるV型6気筒エンジンはフロントに縦置きされる
アルミ製のタワーバーを装着タワーバーはボディーに剛結。フロントサスペンションはダブルウイッシュボーンタイヤサイズはフロントが245/45 R19、リアが274/40 R19
サッシュレスドアを採用レザーシートは標準装備ダッシュボードのデザインは他のキャデラックと基本的に統一されたものとなる
ウッドとレザーを組み合わせたステアリングアナログ時計を中央に配置するセンターパネル。オーディオやカーナビ、空調ボタンが並ぶ。空調は左右独立でコントロール可能シフトレバー。根本のボタンは電子式スイッチによるパーキングブレーキ
メーター類は中央にスピードメーターをレイアウトし、左側にタコメーター、右側に燃料計、水温計、油圧計が並ぶディスプレイを閉じた状態。タッチ操作も可能ディスプレイを全開すると、地図の表示ができる
ドアの操作ボタン類。ドアオープナーはレバーはなく電子式で、ドアグリップのボタンを押すと開けられる毛足の長いフロアマット。ペダルは小さめだ
グローブボックスセンターコンソールのシフトレバー奥にアッシュトレイ、手前にカップホルダーと収納スペースがある室内はウインドー面積が小さいためかややタイトに感じるが、クルマ自体のサイズが大きいので狭いわけではない
明るめのシートカラーとガラスサンルーフにより車内は明るい印象リアシートは2名乗車
ガラスサンルーフトランクはここまで開くトランクスペースは意外と広く、前後方向に余裕がある
トランクを開けてシートバックをダイブダウンさせれば長尺物の積載もできるスペアタイヤはなく、応急の修理キットが搭載される

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也/Photo:鈴木広一郎)
2011年 4月 21日