写真で見る スバル「BRZ R」「BRZ S」


 トヨタ自動車と共同開発した、スバル(富士重工業)のFRスポーツカー「BRZ」。トヨタの「86(ハチロク)」とは兄弟車になるが、86が「RC」(6速MT:1,990,000円)~「GT“Limited”」(6速MT:2,970,000円、6速AT:3,050,000円)の4グレードを展開するのに対して、BRZは「RA」(6速MT:2,058,000円)~「S」(6速MT:2,793,000円、6速AT:2,871,750円)の3グレードを展開。価格レンジもトヨタより狭くなっている。

 最廉価グレードのRAについては、「写真で見る『BRZ RA』」でお届けしたが、本記事では標準グレードの「R」(6速MT:2,478,000円、6速AT:2,546,250円)、上級グレードの「S」をお届けする。

BRZ R

 標準グレードとなるのが「R」グレード。廉価版のRAと比べるとルックスや快適性を高める装備が標準となっているため、街乗り中心で乗るならベストチョイスといえそうだ。RAとの違いについては「写真で見る『BRZ RA』」に記したので、そちらを参照していただきたい。

 そのほか、大きなポイントとなるのは6速ATが選べることと、「17インチパフォーマンスパッケージ」「スポーツインテリアパッケージ」「エアロパッケージ」という3種類のオプションが用意されていることだ。

17インチパフォーマンスパッケージ
・215/45 R17タイヤ&17インチアルミホイール
・フロント16インチ&リア15インチベンチレーテッドディスクブレーキ
・トルセンLSD

スポーツインテリアパッケージ
・本革巻ステアリングホイール
・本革巻セレクトレバー/シフトノブ
・本革巻パーキングブレーキレバー
・パドルシフト(AT車)
・アルミパッド付スポーツペダル
・シルバー加飾パネル
・ステンレス製サイドシルプレート

エアロパッケージ
・リアスポイラー
・フルフロアアンダーカバー(フロア下、燃料タンク下)

 注意したいのはそれぞれを単独で装着することはできず、スポーツインテリアパッケージとどちらか、または3つ全部という組み合わせになること。Rグレードを選ぶなら17インチパフォーマンスパッケージは装着しておきたいところ。逆にこれを必要としないなら「RAでイイじゃん!」って感じだ。

 ボディーカラーは「サテンホワイト・パール」など全7色から選択可能。撮影車両のボディーカラーは「クリスタルブラック・シリカ」。オプションはスポーツインテリアパッケージとエアロパッケージの組み合わせが装着されている。

ボディーカラーがブラックだとRAとあまり見分けがつかない。外観で違いが目立つのはホイールとマフラーカッターぐらいだRA同様、Rもフォグランプはオプション
インテークマニホールド上のカバーとバッテリーサイズがRAとは異なるポイントフィンタイプの16インチアルミホイールが標準となる。タイヤはサイズ、ブランドともRAと同じ
スポーツインテリアパッケージによりスポーティな印象を強めたインテリア。ステアリングなどを彩るレッドステッチが華やかだキーはRAと同じアンサーバック付きのリモコンタイプこちらは6速ATモデルだが、シフトレバー周辺の造形は6速MTモデルと変わらない。スポーツ/スノーモードの切り替えスイッチが付くのは6速ATモデルだけ
見た目はヒーターのみのRAとあまり変わらないけれど、こちらはマニュアルエアコンが標準マット、トリム、ランプが標準装備となり一般的な見た目のラゲッジルーム
トランクリッドにはスペース効率を高めるリンクヒンジを採用。ダンパーも装着され軽い力で開け閉めが可能だラゲッジマットの下は工具などの収納スペース。スペアタイヤの替わりにパンク修理キットが搭載される


BRZ S

 走りのパフォーマンスはもちろん、快適性能も高めたツアラー的キャラクターのグレード。

 Rグレードにオプション設定されていた17インチパフォーマンスパッケージとスポーツインテリアパッケージが標準に。加えてフルオートエアコン、フォグランプ、ヒーテッドドアミラー+αが装着されるといった内容だ。エアロパッケージはこのグレードでもオプションとなるほか、専用オプションも用意されており、ヒーター付のアルカンターラ/本革コンビシートやオートライトが選択できる。

 価格はRグレードより30万円ほど高くなる。パッケージオプションの価格次第ではあるものの、なかなか絶妙な価格差といえそうだ。ボディーカラーはRと同じく、7色から選択できる。

 撮影車両は「ライトニングレッド」と「WRブルー・マイカ」。オプションのエアロパッケージに加え、アルカンターラ/本革コンビシートが装着されている。

外見上、ほかのグレードとの違いは少ない。フォグランプと17インチアルミ&タイヤが目立つ程度だヘッドライトは全グレードHIDが標準。フォグランプが標準で装着されているのがSグレードの特徴だ
リアスポイラーはパッケージオプション。BRZはリアまわりにボリューム感があるため、非装着もイイ感じドアはウインドウまわりにフレームがないサッシュレスタイプ。開閉時に自動的にウインドーを20mm上げ下げすることで開閉性を向上させている
ロッドタイプのルーフアンテナは全車に標準ドアミラーはカラードタイプ。このグレードのみ曇り防止のヒーター機構が備わるワイパーはフレーム一体型
バイキセノンヘッドライトおよびウインカーの点灯パターン。LEDポジショニングランプも全車標準だ
リアコンビランプの点灯パターン。テールランプはLEDだがウインカーは普通の電球を使用
バックランプはボディー中央。日本仕様ではセンター部の逆三角形は単なる反射マーカーフューエルリッドは右サイドでガソリンは無鉛プレミアム指定。タンク容量は50L
2.0リッター、水平対向4気筒のFA20型エンジン。スペックはグレードにかかわらず200PS/20.9kgmバッテリーはストラットより後ろ側に配置。RおよびSグレードは55D23Rを採用するタイヤは17インチのみミシュランのPrimacy(プライマシー) HP。サイズは215/45 R17
シルバーの加飾パネルや随所にあしらわれたレッドステッチなど、スポーティさとともにラグジュアリーな雰囲気も感じられるMTとATのステアリングまわり。パドルシフトの有無が異なる程度だ。チルト&テレスコピック機構は全車標準
Sグレードは、キーレスアクセス&プッシュスタートを採用するため、キーはリモコンタイプを採用。ほかのグレードにはオプション設定もされないので、欲しければSグレード一択となる
タコメーターを中央にドン、その左に260km/hスケールのスピードメーターを配置したメーターパネル。法定速度域だと下のほうでしか針が動かないためか、デジタルスピードメーターも用意される。また、インフォメーションメーターやREVインジケーター、シフトアップインジケーター(MT車のみ)も備わるメーターパネル右側にインフォメーションメーターの操作ボタンを用意
インフォメーションメーターは外気温、瞬間/平均燃費、オド&トリップの表示が可能
RAと比べると明らかに高価に見えるシフトノブ。ノブはもちろんブーツ部分、パーキングブレーキレバーなども本革巻タイプシフトノブ後方にはVSCの切り替えスイッチ。スイッチの組み合わせで5パターンの動作が選択できるオプションのアルカンターラ/本革コンビシートにはシートヒーターも備わる
ペダルはアルミパッド付のスポーツタイプ。スポーツインテリアパッケージを装着すればRグレードにも装着できるステアリングコラム右奥にはトランクのオープナーとメーターの照度調節ダイヤルが備わるフルオートエアコンが装着されるのもSグレードのみ。しかも、左右独立温度調節が可能なタイプ
センターコンソール後方には収納スペースを用意。RおよびSグレードには着脱式のドリンクホルダーが用意されているフレームレスのバックミラーはSグレードのみの装備
標準仕様のファブリック/トリコット コンビタイプシート(左)と、オプションのアルカンターラ/本革タイプのシート(右)。どちらも調整は手動式
ショルダー部にはシートベルトのホルダーを用意2ドアには必需品のウォークインスライド用レバーサイドシルプレートはステンレス製
ドア内張。スイッチなど機能そのものはグレードによる差異はないが、メッキドアハンドルやレッドステッチ入りドアトリムなどは上級グレードならではの装備。スピーカーまわりのニーパッド部分にあるレッドステッチはSグレードのみトランクリッドにトリムを装備するのもSグレードのみ
標準仕様(左)と、オプションのアルカンターラ/本革コンビ仕様(右)のリアシート
ラゲッジルームは奥行きがあるため2人分の荷物ぐらいならラクラク。リアシートバックを倒せば1,300mmの荷室長が得られるため、ご覧のようにゴルフバッグもスッポリ。225/45 R17タイヤも4本積載可能だ


写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(安田 剛)
2012年 2月 8日