写真で見るマツダ「RX-8 SPIRIT R」


 現時点でロータリーエンジンを搭載する唯一の量産市販車「RX-8」が、今年の6月に生産終了する。その「RX-8」の最後の特別仕様車が「RX-8 SPIRIT R(スピリットアール)」だ。トランスミッションは6速MTと6速ATの2タイプが用意されるが、それぞれベースグレードが異なり、トランスミッション以外の仕様差も大きい。今回は6速MT仕様を取り上げる。

 RX-8 SPIRIT R(6速MT仕様)のベースグレードはType RSで、追加装備は専用オーナメント、フロントヘッドランプ/フロントフォグランプ/リアコンビランプ(ブラックベゼル)、赤に塗装されたフロント/リアブレーキキャリパー、ピアノブラックのセンタートンネルトリム、SRSエアバッグシステム(カーテン&フロントサイド)。

 さらに6速MT仕様は専用のレカロ製バケットシート、ブロンズ塗装の19インチアルミホイール、225/40 R19サイズのタイヤを装備する。

 そのほかの仕様はベース車と同じ。パワートレーンや足まわりの構造も2003年のデビューから基本的な部分は変わっていないため、RX-8 SPIRIT Rは9年分の熟成が進められた最終仕様と言えよう。

 エンジンは654cc×2の2ローター。往復運動をするシリンダーもバルブもカムシャフトもないロータリーエンジンならではの独特の高回転特性を持ち、独特のサウンドを放つ。現在のところRX-8以外にロータリーエンジン搭載の市販車はなく、RX-8が生産終了すれば、ロータリーエンジン搭載車は一旦途絶えることになる。

 6速MT仕様の最高出力は173kW(235PS)/8200rpm、最大トルクは216Nm(22.0kgm)/5500rpm。10・15モード燃費は9.4km/L(6速ATは9.0km/L)。ボディーサイズは4470×1770×1340mm(全長×全幅×全高)、重さは1350kg(6速ATは1370kg)。価格は325万円。

RX-8の最終バージョン「SPIRIT R」。エクステリアではブロンズのホイールや赤いブレーキキャリパー、スピリットRのオーナメントなどを装備する。6速MT仕様と6速AT仕様のエクステリア上での大きな違いは、6速MT仕様はフロントの大型エアロバンパー、サイドアンダースポイラー、リアスポイラーを標準装着するが、6速AT仕様はオプション設定となる点。さらにブロンズ塗装の19インチアルミホイールは6速MT仕様のみの装備となる
短いフロントオーバーハング、タイヤアーチを強調したフェンダーなどがRX-8の特徴
ヘッドランプはローがプロジェクター、ハイがマルチリフレクタータイプ
フロントバンパーの左右にフォグランプを備えるフロントバンパー下にチンスポイラーを装備
フロントフェンダーは力強さを感じるデザイン
ボンネットにVの字のエンボス加工が施されるフロントウインドーワイパーはトーナメントタイプ
側面のターンシグナルはエンジンのローターをモチーフにした三角形サイドミラーはシンプルな形状
ドアハンドルガソリンは無鉛プレミアム指定サイドスカートも装着している
RX-8のリアまわり曲面ガラスのリアウインドーは、初代RX-7を想起させるデザイン
スピリットRのオーナメントはCピラーに装着されるクーペライクなサイドウインドー観音開きのドア
フェンダーの盛り上がりを強調したデザインリアスポイラーを装着するテールランプの形状は円形
テールランプは一部LEDを利用する。外側の円形がターンシグナルランプ、内側がバックランプ
RX-8のエンブレムマツダのバッヂマフラーは左右にそれぞれ1本出し
エンジンルーム。6速MT仕様の最高出力は173kW(235PS)/8200rpm、最大トルクは216Nm(22.0kgm)/5500rpm中央のカバーは簡単に外れるカバーを外すとタワーバーの下にエンジン本体がある。ロータリーエンジンは前後長が短いのが特徴
エンジン搭載位置は前輪よりも後方にマウントされるブロンズ塗装の19インチ鍛造アルミホイール(タイヤサイズ:225/40 R19)。キャリパーは赤に塗装される。サスペンション形状はフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク
観音開きの前後ドアを開く。リアだけを開くことはできず、前→後の順で開ける必要がある
ドアを開くと後席にもアクセスが可能フロントシートの位置によって後席の足下は狭めとなるステアリングとメーター
スポーティなコクピットシフトレバーの先端も三角形のローターをモチーフにしたデザイン
マニュアルのため3ペダルフロアマットRX-8のスカッフプレート
撮影車のトランスミッションは6速MT。リバースは右上で、レバー自体を押し込んで右上に入れるサイドブレーキは凝ったデザインヘッドランプやターンシグナルの操作レバー
本革巻きの3本スポークステアリングブラックの加飾はピアノ調光沢仕上げとなるステアリングにはオーディオをコントロールできるスイッチが備わる
メーターは3眼式。スピードメーターはデジタル数値で表示されるダッシュボード中央の表示部分は空調や外気温度を表示する。一部のオーディオ機器のみ中央部分にラジオ周波数などが表示される
販売店装着のHDDカーナビ。アルパイン製で、待ち受け画面にロータリーエンジンのローターが回っている様が表示されるモニター前面が開くことでDVDやB-CASカード、SDメモリーカードを利用できるETC車載器本体は運転席のバイザー裏の天井に装着される。デンソー製
インテリア全景エアコンの操作スイッチ
フロントドア。パワーウインドースイッチとリモコンミラーのスイッチがある。ベースはピアノ調の光沢仕上げステアリングコラムの右側にはメーター照度とDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)のON/OFFボタン、その下には小物入れがある
RX-8の定員は4名シートはレカロ製でレザーのバケットタイプ。サイドサポートも大きいレカロのロゴ入り
助手席も運転席と同様のシートサイドサポートが大きく張り出し、ホールド性の高いものとなっているシートのリクライニング調整が可能なダイヤルはロータリーエンジンのローター風
RX-8の後部座席リアシートの居住性はわるくない。ヘッドクリアランスも大人が座れる高さがある
リアドア。付いているベルトはフロントシート用。ドアオープナーは手前のレバーリアシート側からフロントドアを開いたところを見る。リアシートから降りるには、フロントドアをまず開けてもらう必要があるリアシートから見たフロント&リアドアが開いたところ
センターコンソールは物入れが多い。アームレストはスライドしてカップホルダー、さらに開いて物入れとなるリアシートのアームレストも物入れになっている。カップホルダーも装備
グローブボックスバイザーを装備する。ミラーの照明も付くキーはスマートキー方式となっている。身につけて乗り込むだけでエンジン始動が可能
トランクルームに応急工具が載せられるパンク修理キットを備えるトランクスルーも用意
アルパイン製カーナビメニュー画面ドライブインフォ画面
行き先設定画面再生する音楽ソースの選択ができる起動時の注意画面

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也/Photo:鈴木広一郎)
2012年 5月 2日