写真で見るベントレー「ミュルザンヌ」


 ベントレーのフラッグシップスポーツサルーン「ミュルザンヌ」。ベントレーが言うところの「大きく、速く、洗練された快適な1台」となる。

 “大きく”と題したボディーサイズは、5575×1926×1521mm(全長×全幅×全高)。車重は2711kgと、コンパクトセダン約2台分の重さだ。

 しかも“速く”という点でもトップクラス。最高出力377kW(512PS)/4200rpm、最大トルク1020Nm/1750rpmを発生する、ツインターボ付きのV型8気筒6.75リッターエンジンが0-100km/h加速を5.3秒で駆け抜け、296km/hの最高速度を実現する。トルコン式の8速ATを介して後輪を駆動する。

 そして“洗練された快適”は、見てのとおり高級な素材と精巧な作業で実現したインテリアを指す。ベントレーというブランド自体が、スポーティーなドライバーズカーを数多く作ってきたとおり「ミュルザンヌ」もスポーツサルーンとしているが、高級4ドアセダンとしての装備も十分に備え、リアシートのラグジュアリー性能は、並のショーファードリブン向けのセダンを大きく上回る。

 なお、ミュルザンヌの価格は3380万円。といっても一般の量産車と異なり、オーナーの好み次第で仕様は変更可能。価格はオーダー次第でいくらでも跳ね上がる。1台に500時間以上をかけて丁寧に作られる、まさに英国車の頂点の1つだ。

5mを大きく超える全長と高い全高と、ひときわ大きなボディーを備えるミュルザンヌ。ホイールベースは3266mm
フロントまわりでは大きなグリルと2灯ヘッドライトが特徴的。1957年のS1コンチネンタルをモチーフとしたレトロな印象とともに、LEDを配したライトのディティールで新しさも併せ持つ
グリル上のマスコットはベントレーのFlying“B”
ヘッドライトはプロジェクターライトとLEDの組み合わせ
ターンシグナルランプは外側の円形ライトが橙色に点灯するヘッドライトの中央はHIDによるプロジェクタータイプフォグランプではなく、アダプティブクルーズコントロールのセンサー
渋みのかかった輝きを放つ、ステンレス製のマトリックスグリル長いフロントノーズ。ボディーの艶や仕上げも並の高級車とは異なるレベル
フロントウインドーサイドウインドーは2重ガラスになっている
ターンシグナルランプ内蔵のサイドミラードアハンドルドアハンドルの内側にはローレットが刻まれる
フロントフェンダーのベンチレーションをとってみても、抜かりのない上質なクローム仕上げが施されるフューエルキャップは金属製で、ずっしりとした重厚感ある仕上がり
楕円をモチーフとしたテールランプと、空力を考慮してスポイラー的な役割を果たすトランクリッド
テールランプはほとんどがLEDによって点灯する
マフラーエンドは横長の楕円形で、左右2本出しとなるFlying“B”のエンブレムナンバープレート上にリアビューカメラを装着する
トランクリッドはアームが内部に出っ張らないリンク機構を採用。トランクリッド裏側にもカーペットが張られるトランクリッドの裏側に非常停止板が収納される。蓄光色のレバーはトランク内からの非常用脱出レバーとなる
オーディオはイギリスのオーディオメーカーNaim Audio製トランクルーム内には地デジ放送のB-CASカードスロットがある
スペアタイヤは非常用だが、ホイールサイズは20インチとなるトランクリッド裏の非常停止板ボタンを押せばトランクリッドが自動で閉まる
ツインターボ付きのV型8気筒6.75リッターエンジン。最高出力は377kW(512PS)、最大トルクは1020Nm/1750rpmを発生排気量の6.75リッターを示すプレート。奥のエンジンプレートにはシリアルナンバーが刻まれる
「B」のロゴが刻まれるオイルキャップはアルミ製で重量感があるカバーを外すとエンジン補機類が顔を出す
撮影車はオプションの21インチホイールを装着。タイヤサイズは前後とも265/40 ZR21ヘビー級のボディーを受け止めるフロントブレーキ
工芸品とも言えるインテリア。ウッドパネルは分厚いクリア層によって品のある光沢を保つ
インテリアの全景スイッチ類には深い艶のあるブラックパーツやクロームメッキが配される。操作できる内容は現代的だが、クラシカルな雰囲気は損なわれていないシフトレバーはメタルと本革巻きの組み合わせ
スピードメーターとタコメーターの針は右上を起点とする独特なタイプ。中央のマルチディスプレイにスピードレンジのデジタル表示も可能ルームミラーは自動防眩式シフトチェンジは前後にレバーを倒して行う。エンジンスタートボタンはシフトレバー右下に備わる
センターコンソールにアナログ式の燃料計、時計、水温計がある空調は左右独立で温度調整が可能。その下のダイヤルとボタンはオーディオやナビゲーションの操作ボタンとなる携帯音楽プレーヤーを収納する引き出しがあり、iPod用のコネクターがある
ナビゲーションの液晶画面は閉じることもでき、車内をウッドのインテリアで包み込むことも可能だ
革張りのステアリングクロームパーツがあしらわれるコラムレバー。クルーズコントロールの設定やワイパー操作のレバーも用意される
ステアリングのカラーなどは、オーダーで指定することができる重厚なメタルのブレーキペダル、アクセルペダルとフットレストヘッドライトのスイッチもメタル製
パワーウインドースイッチやドアハンドルもメタル製となるトランクリッドオープナーとシートメモリーボタンはフロントドアに備わるドアスピーカーに「Naim Audio」のロゴプレートが付く
スカッフプレートに車名の「MULSANNE」が入る言わずもがなシートは電動となるフロントシート
センターアームレストは左右独立式アームレスト内部に収納スペースがあるさらに下に灰皿とシガライターがある
高級素材をふんだんに使ったインテリアバイザーなども革張りだ
グローブボックスにはCDチェンジャーやETCカードの挿入口がある革張りの説明書やライセンスホルダーキーはFlying“B”のロゴ入り
リアドアはフロントドアよりも小さく、ドライバーズカーであることを主張しているドアは重厚感あるもので、リアドアスピーカーだけで3ウェイとオーディオも充実リアにも「MULSANNE」のスカッフプレートがある
3名乗車が可能なリアシートリアの足下はかなりゆったりしているセンターアームレスト内にDCソケットのある収納スペースがある
アームレストの前側には空調やシート調整、シート内蔵マッサージの操作スイッチが並ぶカップホルダーが足下付近に用意されるリアシート専用のルームライトと操作スイッチ。リアウインドーのシェードの操作もここで行う
テーブルも装備されるリアシート向けの空調の吹き出し口その上にオーディオのリモコンが収納される
リアのサイドウインドーには電動式のシェードが組み込まれるCピラーの裏側に鏡が装着され、リアシートの乗員は横を向いて身だしなみを整えることができる
Bピラーの空調の吹き出し口。シートベルトの上にあるメッキパーツは天井に向けた間接照明格納式のフックにハンガーを掛けられる
リアウインドーには電動シェードが内蔵される
リアドア内に灰皿を収納できる
メーターパネル内のマルチディスプレイ。写真はスピード表示車両の方向やナビゲーションを表示できる
ラジオの周波数を表示し、選局できるエンジンを始動する際、ベントレーのロゴが表示される
ナビゲーション画面。室内のスイッチとデザインが統一されており、特別にデザインされたものと分かる目的地設定などは、ダッシュボードセンターのオーディオの操作ダイヤルで行う。4隅の文字の示す機能は、ダイヤルの4隅のボタンに割り当てる
オーディオの操作も画面を見ながら行う
トーンコントロール画面で「Naim Audio」のロゴが出てくるiPodなどを接続していると、内部の楽曲などを表示する
車両の設定も画面から行うスピードオーバー警告をはじめ、アダプティブクルーズコントロールの設定もできるBluetoothで携帯電話の接続も可能
タイヤ空気圧も車内から確認できる車高も設定可能シフトレバー左下のダイヤルを回すと走行モードを変更できる
リアビューカメラの映像。何か障害物があれば、図示される車両の周りに色で警告される

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也/Photo:長谷川朗)
2012年 7月 10日