ここ数年の飯田家のお正月行事

オイル交換に洗車、お掃除を終えたクルマたちを前に「次は私が自分のクルマをお掃除するから貸して~」とのんきにポーズをとる姉(私)

 慌ただしく過ぎていく年末年始。あっという間に仕事始めを迎えられている方も、少なくないのではないでしょうか。今日は私の実家、飯田家の独特なお正月行事をご紹介したいと思います。

 お正月に家族が集まり食べたり飲んだり、賑やかに過ごすのは皆同じではないでしょうか。ただしちょっと他の家と違うのは、その翌日の2日もしくは3日は、家中のクルマの大掃除をするのです。普通は年末に大掃除するものではないでしょうか? 思い起こしてみるとこの数年、毎年こんな風にお正月の貴重な時間を費やしているなぁと気付いた次第です。

 お正月の話をする前に少しだけ、登場人物となる2人の弟について紹介したいと思います。私には2人の弟がいます。すぐ下の弟はレーサーの飯田章。昨年はドイツのニュルブルクリンクでレクサスのLF-Aを走らせ、市販車のコースレコードを更新したことで少し話題になり、ご存知の方もいるかもしれません。

 そしてもう1人、家の稼業を継いでいる弟がいます。ただしこちらはごく一般的なクルマ好き。実家は神奈川の山中、公共の交通手段の不便な場所にあります。そこで一番下の弟が免許を取得すると父は上の二人にしたように、クルマ(SUV)を購入してくれました。弟は当時、高校からスキー部に所属していて、オフトレで参加したグラススキーの大会で優勝してしまい、ナショナルチームのメンバーとして頑張っていたため、SUVのラゲッジルームにはいつもスキーの道具やメンテナンス器材が満載だったのです。そんなクルマはいつも雑多に物が積まれ、汚れていたため、章に見つかるたびに「クルマをキレイにしろ!」と叱られていました。

 章のクルマは、いつも内外装ともにキレイな状態。彼は子供のころからクルマ好きだったため、レースを始めたころからクルマに対する執着がますます強くなっていきました。例えば、自分のマシンのメンテナンスはもちろん、クラッシュした場合には度合にもよりますが仲間のクルマまで家で板金&塗装を行うほどでした。そのおかげで章は「飯田板金」などと言われていた時代があります(笑)。実は父が物を作るのが好きで、家には本格的な工作機やフォークリフトなどがあり、章がそれらを最も活用していたのです。

この手袋タイプの洗車用タオルは繊維も柔らかで手のひらを使って洗うような感覚がよかったです。それに手にはめたときの感じがカワイイのも女子としては嬉しいかったです章のカークリーン&メンテナンス・ケミカルグッズプライベート参戦していたころから使っている馬と、交換したタイヤたち……クルマの台数が多いため、保管するタイヤの数も多いのです

 それから年月もたっぷりと経ったこの数年、家族が集まると実家には5~6台のクルマが並びます。お正月の独特の行事は、章をリーダーに下の弟が手伝い、自分たちのクルマ、彼らの奥さんたちのクルマ、母のクルマの洗車、内装のお掃除、それにオイル交換までを行うという徹底ぶり。昨年はスタッドレスタイヤへの交換(もちろん空気圧もチェック!)もしていました。お昼を挟んで陽が傾きはじめ気温が下がってくるころまで、2人は外で作業を続けるわけです。

 「そういえば、去年も章はこんなことしてたよね」と私が言うと「だって、みんな1年間ほとんどノーケアなんだもん」とブツブツ……。しかし、文句口調で言う章が、実はメンテナンスや洗車が嫌いじゃない、いや好きなんです。彼は根っからのクルマ好きなんです。それと比べられちゃたまらないのが下の弟。彼は、自分のクルマのオイル交換もしてくれるんだから手伝わないと……と寒空の下、せっせと洗車や掃除機かけをするわけです。

 今年は彼らが5台のオイル交換と洗車を終えたころに私も表に出ていき、自分のクルマの洗車とお掃除をしました。ボディ用の洗車タオルに、ホイール専用のスポンジと洗剤を使って洗車するのですが、残念ながらお湯は出ないため、冷たい水を使います。弟たちはよく5台ものミニバンやSUV、ハイブリッドカー、コンパクトカーなどを洗ったものだと感心させられます。

 室内は、強力な掃除機で塵を吸い取り、その後コンプレッサーで細かい埃や塵を飛ばし、もう1度掃除機をかけます。年末、街中の洗車場では、後ろが詰まっていてゆっくりとお掃除もできないのではないでしょうか。そういう意味では私の実家は恵まれているわけです。

 洗ったボディの水分を拭き取り、艶やかなボディが表れるときや、ブレーキダストで黒ずんだホイールの銀色が甦るときの達成感はたまりません。

 こんな風に“お正月の行事”などと書いてしまうと、下の弟は毎年お兄ちゃんをあてにするようになってしまうかもしれず、それはあまりよいことではないかもしれません。でも傍から見ていると、いつまでも兄弟仲良くやっていていいなぁとお姉ちゃんは思ったりもして……。洗車は年末のうちに済ませる方も多いはずですが、年明け早々に愛車たちをピカピカにするっていうのも悪くない。おかげで私も気持ちのいい新年を愛車とともに過ごしています。

 皆さまも今年1年、どうか気持ち良くて楽しいクルマ生活を送られますように……。そして本年も「Car Life Diary」をどうぞよろしくお願いいたします!

オイル交換と軽いクルマの整備を行うのは章のお仕事。ブツブツ言いながらもそういう事をするのが嫌いじゃないんですよね~車内の埃や洗車したあとでボディの水を吹き飛ばすのに使うエアコンプレッサー。1台あると便利です

飯田裕子のCar Life Diary バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/cld/

(飯田裕子 )
2012年 1月 6日