【第24回】伊豆半島のブランド牛、伊豆牛を食すですの、の巻 |
伊豆牛のイチボ肉はやわらかで味のある赤身が特長 |
「さて。海の幸の次はお肉ですよ、ゆきぴゅーさん」
「わたくしはいつだってお肉でいいんですのよ。で、どんなお肉を食べに行くんでしたっけ?」
「伊豆牛です。伊豆の国市にある、ひらい牧場という牧場のみで生産されているご当地牛なんですよ」
「へぇ~!伊豆に牛がいるんだ。知らなかったですわ」
「その伊豆牛が食べられるお店っていうのがこれまた限られているんですが、今日行くのはその中でも知る人ぞ知る名店らしいんですよ」
伊豆半島の東側に位置する伊東市。伊東駅から850mほど離れた通り沿いに店を構える「なか田」は、長年日本料理界で腕をふるってこられたご主人の仲田貢さんが4年半前にオープンしたお店。日本料理店ではめずらしく、客席から厨房が見えるオープンスタイル。カウンター席に座ればご主人とおしゃべりをしながら気軽に創作和食が楽しめるお店なんですの。
その日はちょうど年配のお仲間3名がカウンターでワインを飲みながら、少し遅めのランチを楽しんでいらっしゃるところでした。その方々曰く、オススメはなんといっても伊豆牛の「イチボステーキ」とのこと。ただでさえ出荷頭数の少ない伊豆牛の、1頭から3kgほどしかとれないという貴重な部位が食べられると聞きつけてやってきたんだそうです。
「イチボってどこの部分なんですか?」
「牛のお尻の先の部分です。赤身でやわらかいのが特徴です」
と、ご主人。そう言うことならグルメ隊は、そのお肉を使った「伊豆牛イチボすてーき丼セット」と、もう1つの人気メニュー「おれんちのハンバーグセット」を注文することにしましたの。
まず出てきたのは、これぞ和風懐石という向八寸。もみじの葉が添えられた器などにお造りやアワビの肝豆腐などが美しく盛られています。
「こうやって目で見て楽しめるお料理って、女性ウケしますよね。こんなお店、ドライブで連れてきてもらったらうれしいかも~」
と、エイミーは1人妄想中。その小鉢、どれもこれもおいしいのですが、特に伊豆牛の握りが感動的でしたわ。ぱくっと口に入れ、ひと口ふた口ともぐもぐした2人は、
「んんんーーーーー◯☆△◇▼!!!」
お肉特有の程よい噛みごたえ、そして脂身が少ない赤身の味わいが口中に広がって、まったく同時に歓喜のリアクションをしてしまったほどですの。するとご主人が、
「伊豆牛ってのはね、雌牛しか出荷しないんですよ」
「え? 雌だけですか?」
「それはなぜですの?」
「雄より雌のほうが肉がおいしいからです。人間も男性に比べて女性のお肉のほうがやわらかいでしょう。それと同じなんですよ」
「へぇ~!!!」
いよいよメインの登場ですの。びっくりだったのがエイミーのハンバーグ。ナイフで切ってみると、中にはアボカドと濃厚なクリームソースが入っているではありませんか! 上質な和牛で作るご主人自慢の1品なんだそうです。
ゆきぴゅーが注文したすてーき丼は、ミディアムに焼かれてスライスされたお肉とパプリカなどの野菜がまるでお花畑のように丼に盛られてやってきましたの。サシが多いだけのいわゆる霜降り肉とはまったく違う、伊豆牛のおいしさがつまった贅沢な丼。もちろんご飯粒ひとつ残らず完食したのでした。
「それにしてもあの伊豆牛の握り、おいしかったですわね~。ねぇ、エイミー。いっそのことグルメ隊、日本全国ご当地牛めぐりにしない?」
「もう~どれだけ肉食系なんですか!」
お次はすてーき丼に入る伊豆牛のイチボが鉄板に! | 赤黄のパプリカとカイワレ大根の中に潜むのは、スライスされた伊豆牛ステーキ | 伊豆牛イチボすてーき丼のセットは、向八寸、伊豆牛の握り、味噌汁、香の物、デザートなどがついて3675円 |
この伊豆牛の握り、なか田に行ったら食べなきゃ損ですの | ご主人の洗練された動きに思わず見入ってしまいました | 「次に来る時にはカウンターもいいですわね」 |
創作日本料理 なか田(http://www.nakata.biz/)
静岡県伊東市銀座元町2-12
TEL/FAX:0557-37-2344
営業時間:11時30分~14時30分/17時~22時
定休日:不定休
駐車場:近くに市営駐車場あり
伊豆牛のイチボは入荷が不定期になることがあるため、「必ず御予約頂いた上でご来店ください」とのことでした。
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■■このクルマでドライブしました!■■ プジョー3008高いドライビングポジションに、開放感ばつぐんのパノラミックガラスルーフ。インテリアはフランス車らしく明るい雰囲気。太陽降り注ぐ伊豆半島にぴったりの3008でした。 |
■プロフィール
ゆきぴゅー(ゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ)
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。
エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)
2010年 10月 20日