【第35回】小田原のご当地丼「小田原どん」を味わうですの、の巻 |
1日限定10食の小田原づくし丼! |
今回グルメ隊は神奈川県小田原市にやってきました。
「ワーイ! 赤い車って吉田うどんや山中湖畔のパンを食べに行った以来ですわね!」
「ゆきぴゅーさんて車の色と食べた物をセットで記憶してるんですね……覚えてますか?ちょうど1年前に小田原おでんを食べに来た時もボルボだったんですよ」
「あら、そうでしたっけ?」
着いたところは国道1号線沿いにある「鈴廣かまぼこの里」。そう! 小田原といえばかまぼこですわね。江戸時代の終わりに日本橋から移り住んだ職人さんが「板かまぼこ」を作ったのが、小田原かまぼこの始まりだと言われています。こちらの施設は、かまぼこについて学んだり、作ったり、お買い物をしたり、もちろん食事したりもできる観光スポット。今回グルメ隊がおじゃましたのは、そのかまぼこの里の中にある飲食施設、千世倭樓(ちょうわろう)です。
「実はわたくし、千世倭樓ってどう読むのかわかりませんでしたの」
支配人の西村さんにまずはその名前の由来についてお聞きすると、
「そうですね、ちょっと難しいですよね。千世は千年、倭は日本、それから調和の和。樓は建物という意味をもっていまして、“千年の世にも続いていく、調和のとれた世の中の象徴になるような建物であるように”という願いが込められているんです」
左の書院造りの母屋は秋田から、右の合掌造りの離れは富山から移築したもの。千世倭樓とはこれらの建物の総称なんですの | 合掌造りの離れは会席料理「大清水」。大切な会食や結納の席などでも使っていただけます |
和食がいただける「潮の音」の店内は全60席。テーブル席の個室(有料)もあります | 「モダンで落ち着いたステキな空間ですわね」「大人のデートにもよさそうです~♪」 |
その名の通り威厳ある落ち着いた佇まいの千世倭樓には、あわせて4つの食事処があります。総漆塗りの土蔵はそば処「美藏」、合掌造りの重厚な建物は会席料理「大清水」、書院造りの母屋は茶坊「しゃざ」と旬の割烹「潮の音」。
今回はその「潮の音」でいただける小田原の新ご当地丼「小田原どん」をご紹介します。1年半ほど前に考案され、現在は市内20軒ほどの飲食店で食べることができるという小田原どん。「小田原だから海鮮丼でしょ?」と思われがちですが、中華のところもあればイタリアン風なんていうところもあって、お店によって様々なんだとか。
「小田原どんには、食材の細かい決まりごとはないんです。その代わりに3つのおもてなしのルールがありまして、その1つ目は“小田原の海と大地で育まれた新鮮な食材を1つ以上用いること”なんです」
「地元の食材を使うってことですね」
出てきたのは1日限定10食の「小田原づくし丼」。鯵をメンチカツのように仕立ててご飯と玉子とじの上に乗せた丼が、ここ千世倭樓の小田原どんです。丼の他に、あら汁、地野菜スティック、朝採れ地魚のカルパッチョ風が付いた豪華御膳なんですの。
こちらが数量限定「小田原づくし丼」。メインの鯵メンチ丼に、あら汁、地野菜スティック、朝採れ地魚のカルパッチョ風がついて2100円 | 地物の鯵を使ったメンチの中には細かいかまぼこも入ってます。ご飯は小田原で作られたキヌヒカリと地元づくし |
地野菜を使った野菜スティックには小田原名産の梅ディップをつけて召し上がれ | この日「おまかせ刺身のカルパッチョ風」になったのは小田原港でとれたマグロ |
「メンチになった鯵が地元で獲れたものなんですのね!」
「その通りです。お米も小田原産、野菜もすべて地元の農家さんが作ったものになります」
「この鯵のメンチ、ふわふわの玉子とじとよく合っておいしいですわ~!」
「この野菜も味がしっかりしていてすごく新鮮!」
「実はこの野菜、独自の肥料を使って育てたものなんですよ。かまぼこを作る時にはどうしても皮やあらが余ってしまうんですが、それを肥料にして作った地野菜なんです」
「そういう形で海から畑へと循環しているってすばらしいですわね。ところで西村さん、小田原どんの2つ目のルールは何なんですの?」
「それは“伝統工芸品・小田原漆器の器に盛って出すこと”です」
「あっ、私さっきからこの器ステキだなぁ~って思ってたんです!」
「千世倭樓では、丼・お味噌汁のお椀、それからスプーンも小田原漆器でお出ししております」
「いい器だと料理がより一層ひきたつ気がしますわね~」
というわけで、国の登録文化財に指定されているという趣ある古民家でいただくお料理に、大満足のグルメ隊だったのでした。
最後に、小田原どんの3つ目のルール。それは「お客様に満足していただき、小田原がもっと好きになるようにおもてなしすること」なんだとか。千世倭樓のどのスタッフさんも丁寧で心のこもった接客をしてくださったおかげで、帰りの車内ではさっそくこんな会話が……
「わたくし次に来る時は向かいのかまぼこ博物館で、手づくりかまぼこ体験やってみたいですわ~」
「あ、いいですね~! 蒸しあがるのを待っている間に千世倭樓でお食事、な~んていいんじゃないですか?」
そうそう、小田原城址公園周辺や、ゆきぴゅー&エイミーが今回立ち寄った石垣山一夜城歴史公園の桜は今週末まさに見頃のようですわよ。
千世倭樓(ちょうわろう)(http://www.tiowa.jp/)
神奈川県小田原市風祭50
電話:0465-24-3456
営業時間:平日は11時30分~15時(L.O.14時)/土日祝は11時30分~16時(L.O.15時)
4月中の夜の営業は予約のみ(※3日前までにご連絡ください)17時~22時(L.O.20時30分)
定休日:なし(半年に1回ほど臨時休業あり。Webサイトをご確認ください)
駐車場:あり
アクセス:西湘バイパス箱根口インターを降りて右折すぐ
※天候・時期によって料理内容が異なることがあります
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■■このクルマでドライブしました!■■ ボルボ S60“質実剛健な実用車”から、“エレガントなスポーツセダン”に大変身した「S60」。借り出したのは3リッター直列6気筒ターボエンジンで4輪を駆動するトップモデル「T6 AWD R-DESIGN」。流麗なスタイルは道行く誰もが振り返るのでした |
■プロフィール
ゆきぴゅー(ゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ)
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。
エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)
2011年 4月 6日