【第44回】安曇野でヘルシー自然薯料理を堪能ですの、の巻


夏バテ気味の胃にはヘルシーなむぎとろ膳でスタミナ回復!

 

 今年の夏はセミが鳴かないなんて言われていましたが、グルメ隊は信州安曇野の森の中でヒグラシの鳴き声をたっぷり聞いてきました。その場所はといいますと、長野県安曇野市穂高にある自然派レストラン&カフェ「野土花」(のどか)。駐車場から玄関までの緑いっぱいのアプローチでまずはマイナスイオンを深呼吸。控えめな看板が掲げられた玄関から一歩店内に入ると思わず、

「わぁ~!ステキなお店ですわ~!」

 去年改装したというホールの窓から見えるのはまさに緑一色。店内のところどころには陶芸作品が置かれていたりして、とっても居心地いい空間なんですの。

「ギャラリーも兼ねているんですか?」
「ええ。まだ数は少ないのですが、地元の作家さんの作品を少しずつ置かせてもらっているんです。もちろん気に入ったものはご購入いただけますよ」

 とオーナーさん。こちらのお店、2005年のオープン以来「野土火」として営業してきましたが、今年の夏から「野土花」に改名。お食事だけでなく和のスイーツにも力を入れて、カフェ営業もはじまりました。

落ち着いた佇まいのカフェ「野土花」(のどか)テラス席だったところを2010年に改装したというホール。緑を眺めながら座る席が人気店内には地元の作家さんの陶芸作品が展示されていて一見ギャラリー風
奥にはこんなお座敷タイプのお部屋もありますの「こんなステキな器は女性に人気ですわよね」むぎとろ膳の前菜3品。これは地元の長芋と豆腐を合わせたものに豆腐あんをかけたもの

 看板メニューは岐阜産の自然薯(じねんじょ)を使った健康食「むぎとろ」と、地元の野菜を使った体にやさしいお料理。というわけで、この日グルメ隊が注文したのは定番のむぎとろ膳(1575円)です。

 まずは麹や地元の野菜を使った前菜3品が出てきました。

「器がどれもいいですわね~」
「母と私が趣味で陶芸をやっていまして……。料理だけでなく器も手作りなんです」

 主張し過ぎない器は、素材の味を生かしたお料理にぴったりなんですの。前菜の一品、お豆腐と長芋を混ぜて薄あんをかけている小鉢は、ひんやり冷えていて夏にうれしいお味。刻んだキュウリのシャキシャキ感が湯葉のような食感と合わさって、するりとお腹の中に入ってしまいました。

 お次はメインのむぎとろご飯です。片口椀で出てきたとろろ、見た目はなんだかふわふわしています。

「自然薯そのものはかなり粘りがあるんですが、出汁でのばしてあるので食べやすいと思います。どうぞ召し上がってみて下さい」

 ごはんの上にかけてみると、なるほどお出汁がきいているのでさらさらと食べられちゃいます。

「味付けが濃すぎず薄すぎずちょうどよいですね。それに麦ご飯がとっても美味しいです」
「とろろって滋養強壮にいいんですのよね。それに食物繊維もたっぷりでダイエットにも効果的って聞きますわ」

 ところで長芋と自然薯の違いってご存知でしょうか。中国原産で大陸から渡ってきたものが長芋。一方、細長くて1mくらいになるという自然薯は日本原産で、なんと我が国では縄文時代から食されてきたんだとか。

「ふぅ、お腹いっぱい!だけどヘルシーってうれしいですわね」
「デザートはどうしますか?ゆきぴゅーさん」
「食べますわ!」
「でも今、お腹いっぱいって……」

 野土花のデザートメニューには、信濃黒という黒豆が入ったシフォンケーキや、麹甘酒のシャーベット、紫花豆の珈琲ロールケーキなんていう名前からして体によさそうなスイーツが9種類ほど。この中から日替わりで3、4種類が用意されています。この日は「紫米の麹甘酒と純生クリームのあいすくりん」と「紫米の麹甘酒ミルクのブランマンジェ風」、「信濃黒の豆寒天」をチョイスしてみました。

 麹や甘酒にハマっているというオーナーさん。お料理はもちろん、スイーツも麹甘酒を使ったものが次々にお目見えしているそうですの。砂糖を一切使っていないというあいすくりんは、お米本来の甘さにびっくりいたしました。

信州産の紫花豆のコーヒー煮。ほっくりとした甘さ地元で採れたキュウリは、麹を使った自家製味噌ドレッシングであえています岐阜産の自然薯のとろろ汁。お出汁でのばしてあるので思っていたよりもさらさらで食べやすい
薬味をのせて、さぁめしあがれ♪ 100円で麦ごはんのおかわりもできますスイーツ2品盛り合わせ+珈琲/紅茶で840円「紫米の麹甘酒と純生クリームのあいすくりん」。甘みは麹のみで、砂糖は使っていないと聞いてびっくり
注文毎に豆を挽いているという有機栽培のスペシャリティコーヒー「信濃黒」という黒豆の豆寒天(450円)と梅ジュース(450円)ゆったりとした時間が流れる野土花。違う季節にまた訪れたいと思わせるお店でした

「ここは場所的に、通りすがりの方が来られることはまずないんです」

 というオーナーさんの言葉通り、山麓線と呼ばれる県道から少し奥に入ったところにひっそりとある「野土花」。言い換えれば“わざわざ”出かけていく、とっておきのお店です。夏休みが終わって少し静けさを取り戻した安曇野にお出かけの際は、ぜひ訪れて欲しいお店ですの。

NHKの朝ドラ「おひさま」のロケ地に立ち寄ってみましたロケ地の隣にはそば畑。白いそばの花が一面に

安曇野 野土花(のどか)
長野県安曇野市穂高有明3618-15
電話:0263-83-7708
営業時間:11時30分~16時頃(売切れ次第終了)お食事は11時30分~14時まで
定休日:木・金曜日/冬期休業あり
駐車場:あり(9台)
アクセス:長野道豊科ICより12km、約30分

 

 

このクルマでドライブしました!

フォルクスワーゲン「パサート」

全長4785mmの立派なセダンなのに、エンジンは1.4リッターターボという“究極”と言いたくなるようなダウンサイジングサルーンがパサート。18.4km/Lの燃費なら、長野までの遠出でもガソリン代の心配が要りません。

プロフィール

ゆきぴゅーゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。

 


エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)

 



2011年 8月 24日