【第6回】西伊豆でカニの王様“高足ガニ”を食べるですの、の巻


大きいもので3mにもなるという高足ガニは駿河湾で獲れる世界一大きなカニ

「今回は西伊豆、戸田特産の高足ガニを食べに行きますよ」
「わーい、カニカニ~」
「戸田と書いて“へだ”って読むんですが、ゆきぴゅーさん知ってました?」
「知りませんでしたわ~」
「なんでも高足ガニって世界一大きいカニらしいんですよ」
「へぇ~、そうなんですの。去年サンシャイン水族館で観たカニよりも大きいのかなぁ~」
「しかも水深200~300mに生息している深海の生き物らしいですね」
「そんな深いところのものをどうやって獲るんですのー?」
「相変わらず何にも下調べしてませんねぇ、ゆきぴゅーさんは」
「そんなことありませんわよ、今日はちゃんと調べてきましたわ!」
「へぇ、何をですか?」
「カニの脚は全部で10本ですの」
「は?だから?」
「丸ごと1匹食べるとしたら今日は1人5本ずつ食べられるんですのよ、これ肝心ですの」

戸田の手前でゆきぴゅーが発見した看板戸田では消防士さんまでもがカニに!?ますますカニ気分が盛り上がってきますわ磯料理のお店が並ぶ戸田のメインストリート

「さぁ着きました」
「1階が海産物の直売所、2階がお食事処なんですのね」
「そうなんです。ここは網元直結なので鮮度は抜群。駿河湾で獲れたばかりの活きのいい海の幸が味わえるお店なんです」

 そして必見は1階奥にある大きな水槽。なんと深海から水揚げされた高足ガニがうじゃうじゃと泳いでいるんですの。

「わぁ~これが高足ガニですのね!」
「す、すごい迫力ですね……なんか私には、縁に脚をひっかけて出ようともがいているように見えて心が痛むんですケド」
「だけどエイミー。この中のどれか1匹を、今からわたくしたちが食べるんですのよ」
「そ、そうですけど……」

 そんなことを言いながら2階の「お食事処かにや」さんに上がります。海に面した窓際の席からの眺めは最高で、漁船が往き交う戸田湾の海がキラキラと輝いています。

 さて、メニューを開くと目移りしてしまうほどの豊富な内容にテンション急上昇!高足ガニの料理だけでも、高足ガニ釜めし定食、高足ガニ天丼、高足ガニグラタン、高足ガニシューマイ、高足ガニのてんぷらなどなど。結局決められない二人はお店の方に相談することにしました。

「高足ガニっていろんな食べ方があるんですのね」
「ええ、お刺身でも焼きでも召し上がっていただけますが、やっぱり一番のオススメは“蒸し”ですね。ぎゅっと甘みが増すので美味しいですよ。お2人で高足ガニを1匹丸ごと食べたいのでしたらこちらの特選高足ガニ定食がオススメです」

 と言われて「では、それで!」と即決したものの、お値段は1.5諭吉超え!ま、まぁいいか。きっと大丈夫ですわね、Car Watch。

今回訪れたのは網元・光徳丸の直営店。1階が水産物流センター、2階がお食事処「かにや」お店のすぐ裏はご覧の通り戸田港。お天気も良く穏やかな駿河湾を目の前に海の幸を堪能壁いっぱいの芸能人の色紙。その数が「かにや」の人気を物語っておりますの

「本日のお刺身はアジ、マグロ、タコ、本エビ、ゆめかさごの5点盛りとなっております。こちらはトロボッチという深海魚の酢の物、あとは茶わん蒸し、お漬物、クモエビのお味噌汁、ご飯、デザートでございます」

 これだけでもお刺身定食として十分くらいの量だというのに、さらに1万5000円相当の高足ガニが1匹ついてくるんですからたまりませんわ。さらに今か今かと待つこと20分。出てきました、立ちのぼる湯気とともに蒸し上がったばかりの高足ガニが!

「うわ~、脚、長っ!」
「しかも真っ赤っ赤」

 さっそく一番太い脚からいただきます。関節に切れ目を入れて下さってあるので身を取り出すのはとっても簡単、するっと取れますの。

「んんんー!すごく身がしまってるんですのね~」
「味が濃くてタラバとかとはまた全然違いますね」

 しばらく無我夢中で次から次へとカニの脚にかぶりつく2人。最後は甲羅にたまったミソまでしっかり頂いて、見事高足ガニ丸ごと1匹制覇を成し遂げたのでした。うーん、満足!

「こいつでいかがですか?」とお店の人。ちょっとかわいそうだけれど「お、お願いしますっ!!!」“高足がにのおせんべい”は光徳のオリジナル商品。1階の売店で売っています“とろぼっちの唐揚げ”を別注文。とろぼっちとは「目光」(めひかり)とも呼ばれる深海魚でその名の通り目が緑色に光っている魚なんだそう。でもってこの唐揚げが絶品!
「特選高足ガニ定食」のお膳。豪華です!ジャーン!出てきました、高足ガニ1匹丸ごと蒸し上げ!底引き網漁で獲るという高足ガニ。「かにや」でのお値段は1匹1万5750円~2万6250円。単純に大きさかと思いきやそうではなく、身の質なんだとか
途中でほぐれることなくするっと抜ける身に感動ですの。ではいただきまーす2本目を食べる、食べる甲羅にたまったカニ味噌をタレ代わりにつけて食べるとこれまた2度美味しいんですの

 帰り道、思わず車を停めてしまったのが県道17号線沿いにある「夕映えの丘」。さっきまでいた戸田港を眼下に見下ろすビューポイントです。ゆきぴゅーは海を見ながらしばらく動けなくなってしまいました。

「……どうしたんですか?ゆきぴゅーさん。海に沈む夕日を見ながら黙りこくっちゃって。何かあったんですか」
「この大海原にあとどれくらい食べたことのない生き物がいるのかなぁ~って、そう思ってたんですの」
「どっ、どこまで食いしん坊なんですかっ!」

“夕映えの丘”からの眺望。波の動きをただぼんやりと眺める贅沢な時間でした戸田港を抱くように弧を描いているのは御浜岬。湾内は夏には海水浴客で賑わいますさあそろそろ帰りましょうか。しばらく走る海沿いの県道17号線は富士見ドライブですの

行ったところ
「お食事処かにや」http://www.koutokumaru.com/kaniya-index.html

静岡県沼津市戸田354-4
TEL:0558-94-2235
営業時間:11時~ラストオーダー16時
無料駐車場有り
定休日:基本は木・金休みですが予約の関係で変動するため、HPでご確認下さい。
アクセス:東名沼津ICから三島方面、修善寺経由で1時間10分ほど。
東名沼津ICから大瀬経由で50分ほど。

西伊豆戸田温泉 高足ガニまつり
 冬のスペシャル企画としてこんな太っ腹なサービスを開催してます。

 


  • 12月1日(火)~2月28日(日)の“平日限定”
  • 協賛している8軒のお宿に4名以上で宿泊すると、各施設1日3組限定で高足ガニ1匹を無料サービス。2~3名の場合でも半匹サービス。
  • 協賛の民宿・ペンション・飲食店で高足ガニを注文すると特別プレゼントがもらえます。

問合せ先
戸田観光協会(http://www.heda-kanko.com/
TEL:0558-94-3115


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このクルマでドライブしました!

プジョー 207 Cielo

前回に引き続き207 Cieloで戸田へ。ワインディング・ロードが続く修善寺から戸田への道も難なくこなす足まわりは、乗り心地も最高、1.6リッターエンジンも十分パワフルでした。

プロフィール

ゆきぴゅーゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。


エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。この連載のおかげで最近お腹に肉がついてきたとかで、ジムに通い始めたらしい。毎回イラストで自分が描かれているので「近頃、洋服に気を遣うようになってきたんです」と本人談。その前に赤いバンダナをなんとかしたほうがいいんじゃないですのと思う今日この頃。


2010年 1月 20日