【第7回】筑波山のふもとで名物のしし鍋を食べるですの、の巻 |
茨城に、んめぇしし鍋食べに行ってみだよー |
寒いこの時期はやっぱりお鍋で温まりたいですわよね~というわけで、今回は鍋を食べるために茨城県目指してドライブ中のゆきぴゅーとエイミー。しか~しその鍋、ただの鍋ではございませんの。
「いよいよグルメ隊も肉路線になりましたわね~」
「そういえばゆきぴゅーさん、大の肉好きでしたよね。それにしても肉は肉でもイノシシの肉とは意表つかれましたねぇ。茨城ってしし鍋が有名なんでしたっけ?」
「なんでも筑波山のふもとの石岡市八郷(やさと)地区ってところでは、イノシシが農作物を荒らす被害が多くなっていて、それならば退治したイノシシを町おこしに役立てちゃおうってことで“しし鍋”を名物にしようとしているらしいんですの。商工会では2年前から、しし鍋が食べられるお店の紹介や地図を載せた“しし鍋マップ”というのを作ってPRしているんですのよ」
「何軒くらいのお店で食べられるんですか?」
「今年は1軒増えて10軒あるみたいですわ」
「へぇ~。で、しし鍋って年中食べられるものなんですか?」
「狩猟が解禁されるのが毎年11月中旬から3月中旬までらしくってその間は確実に食べられますの。中には通年OKのお店もあるみたいですわよ。ただし“しし鍋”はどこのお店でも事前に予約が必要らしいですの。もちろん今日はちゃ~んとわたくしが予約してありますわよ」
「あ、ありがとうございます。しかしゆきぴゅーさんて、肉のことになるとちゃ~んと下調べしてくるんですね」
「なんだか本当にイノシシが出そうなところに来ましたわね~」 | 周辺観光スポットのご紹介です。こちらは峰寺山西光院。山の中腹にあって急な斜面に柱を何本も組み上げた舞台造りになっているため「関東の清水寺」と呼ばれているんですの。お天気がよかったので本堂からの眺めは最高でした | 西光院の駐車場の横にはこんな青々とした竹林がありました。ぴりりと冷えた山の空気の中で木漏れ日がキラキラと眩しかったですわ |
「あっ、エイミーあそこですわ!あのオレンジ色ののぼり旗が目印ですの」
着いたところは県道7号線沿いにある「丸味食堂」さん。昭和40年創業でご主人の雨貝政史さんご一家が営む昔ながらのお食事処です。さっそくご主人にご挨拶ですの。
「今日はしし鍋、とっても楽しみにしてきましたの♪どうぞよろしくお願いします」
「東京からようこそいらっしゃいました。ところでお2人はしし鍋は食べたことありますか?」
「初めてなんですの」
「私も~」
「そうですか。では先に言っておきますが、しし肉は牛や豚なんかと比べたら多少かたくて歯ごたえがあります。人によっては臭みを感じるかもしれません。そのかわり低脂肪、低カロリーで栄養たっぷり、滋養にもいいんですよ。ではさっそく用意しましょう」
「よろしくお願いしま~す」
県道7号線沿いにあるので見つけやすい丸味食堂さん | 裏にある広~い駐車場はなんと40~50台OKとのこと!送迎バスもあります | このオレンジ色ののぼり旗が目印です |
店内はこんな感じ | ジャーン!こちらがしし鍋の具材(4人分) | 贅沢にも奥にある個室を用意していただいちゃいました |
さてしばらくして待ちに待ったしし鍋の登場です。
「わぁ~、これがイノシシの肉ですか。ホント、脂身が少なくてヘルシーな感じ!」
「具材は肉の他に、白菜、しめじ、水菜にしいたけ、舞茸、里芋、つみれが入っています」
「味付けは何なんですか?」
「しし鍋は一般的に味噌味が基本ですね。うちは地元八郷産の無添加味噌を使ってます。ダシはかつおぶしと昆布、そこにお酒、塩、みりん、それに味噌で味付けしてます。ではごゆっくりどうぞ。あとでご飯をお持ちしますからね」
味噌ベースのスープを入れて、これから火にかけます | 煮えてきましたわ~ | 鍋を待っている間に出てきた白菜のお漬物。もちろん自家製 |
ほかほかご飯がとってもおいしいと思ったら、地元八郷産のコシヒカリとのこと | 言われていたほどお肉の臭みや硬さは気にならなくて美味しかったしし鍋。ゆきぴゅーハマりました | とっても親切によくして下さった丸味食堂のみなさん、ありがとうございました~!おばあちゃん、とっても可愛い |
「グツグツいってきましたわね~」
「そろそろいいんじゃないですか」
「ではゆきぴゅー、人生初のしし鍋いただくですわ~!まずはお肉から……(はふはふ、もぐもぐ、もぐもぐ……)んんん!かたいかたいってご主人は言ってたけど、思っていたほどじゃないですわ。臭みも全然気にならないし」
「うん、それに味噌味がとっても合いますねぇ~。野菜もおいしいです。そういえば地元の味噌を使っているとおっしゃっていたから、後でそのお味噌屋さん紹介してもらおうっと」
と、そこへご主人がご飯を持ってきて下さいました。
「いかがですか。お口に合いますか?」
「ええ!すっごくおいしいねって話してたところですの。味噌味だから体も温まってなんだかぽかぽかしてきましたわ。それにお肉の臭みはあまり感じませんわ」
「それはよかったです。実は昔に比べて臭みがなくなってきたとは言われているんですよ。きっと里山に下りて来て、人間が食べているものと同じものを奴らも食べているからでしょうね」
しし鍋マップに掲載されている10店舗は、各店ごとにそれぞれこだわりの味付けや具材が楽しめるそうで、中にはすき焼き仕立てのところもあるんだとか。自然いっぱいの八郷地区で育まれた山の幸を堪能できる“しし鍋”を食べに、ぜひみなさまも日帰りドライブいかがでしょうか。
すぐ近くだというのでお味噌屋さんにも立ち寄ってみました | 「東屋糀味噌店」の味噌はすべて無添加の手造り味噌 | こちらが丸味食堂のしし鍋で使っている「田舎味噌」(450円/1kg)。昔なつかしい味のする辛口味噌です |
「あっ、エイミー。よく見たらこのしし鍋マップ、裏にスタンプラリーなんてのがありますわよ」
「へぇ~。全店制覇したら何かもらえるんですか?」
「え~とどれどれ?全店制覇したら……ぉおお!全店制覇したら、八郷しし鍋キング認定の感謝状がもらえるらしいですわ!」
「(ぷっ)あと9店舗、ぜひ頑張ってください、ゆきぴゅーさん!」
■行ったところ
「丸味食堂」(http://www.yasato.or.jp/marumi/)
茨城県石岡市柿岡3338-3
TEL:0299-43-0124
営業時間:10時30分~20時
定休日:水曜日
無料駐車場有り
アクセス:常磐自動車道 千代田石岡ICから約25分
しし鍋は1人前1400円(2人前から)。しし鍋以外にも蕎麦やカレー、定食などメニューはいろいろあります。
東屋糀味噌店(http://www.yasato.or.jp/azumaya/)
茨城県石岡市柿岡2968
TEL:0299-43-0734
営業時間:7時~19時
定休日:水曜日
■WEb版しし鍋マップ
http://www.yasato.or.jp/news/shishinabe_map09.html
お問い合わせ等は石岡市八郷商工会の土田さんまで。
茨城県石岡市柿岡2009-3
TEL:0299-43-0247
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■■このクルマでドライブしました!■■ アウディ A5 スポーツバック1月に発売されたばかりのA5スポーツバックが早くも登場!見た目はあくまでエレガントでスポーティー。だけどゆきぴゅーが買い込んだ大量のおみやげも余裕で飲み込む実用的なラゲッジルームの持ち主です。もちろん走りの実力は折り紙付き、東京-茨城往復でも疲れ知らずでした。 |
■プロフィール
ゆきぴゅー(ゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ)
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。
エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。この連載のおか げで最近お腹に肉がついてきたとかで、ジムに通い始めたらしい。毎回イラストで自分が描かれているので「近頃、洋服に気を遣うようになってきたんです」と 本人談。その前に赤いバンダナをなんとかしたほうがいいんじゃないですのと思う今日この頃。
2010年 2月 3日