【第22回】湖畔の天然酵母パン屋さんですの、の巻 |
ウッドデッキのテラス席は空気もごちそう |
前回、吉田のうどんでお腹をふくらませたグルメ隊がその後向かった先は河口湖。富士山と湖を一望できるオープンテラスでパンをいただけるそうですが……
「……ねぇエイミー。今回のうどんを食べた後にパンていう炭水化物企画、誰が考えたんでしたっけ?」
「ゆきぴゅーさんですよ」
「ア、アレ? そうでしたっけ……」
「まさか食べられないとか言いませんよね?」
「だっ、大丈夫ですわよ。でも腹ごなしにちょっと湖畔を散歩でもする?」
「さぁ着きましたよ」
うどんを消化する間もなく着いてしまった「湖畔のパン工房 レイクベイク&カフェ」は、河口湖の北岸、毎年夏に行われるハーブフェスティバルの第2会場にもなっている大石公園の近くにあります。入り口のドアを開けて、ずらっと並んだ焼きたてパンを見たとたん、
「うわぁ~、いい~におい♪ エイミー、わたくしまだまだ食べられますわ!」
「そう言うと思いました」
一見、パン屋さんとは思えない純和風な建物のレイクベイク | 店内は白い壁のモダンで素敵な空間が広がります | 晴れていれば富士山が見えるというこちらの丸窓は、通称「富士見窓」 |
買ったパンは併設のカフェで食べられます。こちらはテラスを望むカウンター席 | テラス席は愛犬と同伴もOKなんですの | レジ横の棚には自家製ジャムなども充実 |
パン職人歴約30年というオーナーさんがこの場所でレイクベイクをオープンしたのは、2009年の春。以来じわりじわりと評判が口コミで広がり、今では週末になると観光客がひっきりなしに訪れるほどの人気店になったようです。
「ぜひテラスで食べてみてください」
と、併設されたカフェスペースに案内されて外に出てみると、心地いい風が湖畔から吹いてきました。湖にはウェイクボードやジェットスキーといったレジャーを楽しんでいる人達の姿が見えますの。
「気持ちイイですわね~」
「今日は隠れちゃってますけれど、ふだんはこの正面にどーんと富士山が見えるんですよ」
「うーん、ちょっと残念です。でもこの開放感は最高ですね」
店内に戻ってお目当てのパンを買ったふたりは、さっそくテラス席でいただくことに。
レイクベイクのパンは、自家製天然酵母で作っているというのが特徴なんですの。天然酵母というのは、ブドウや梨、イチゴなどの果物や、小麦粉・ライ麦・麹などの穀物から起こした自然発酵種のことで、例えば、看板商品の「熟成(500円)」は、ブドウから作った酵母から種を起こして、じっくりと約10日間かけて作るというパン。全粒粉入りでくるみとレーズンが練り込まれていて、味にコクがあるのがわかります。
「噛めば噛むほど小麦の味わいが出てきますね。ワインに合いそうな大人のパンって感じ」
「この馬蹄形をしたナッツショコラもおいしいですわ。白くて甘いのは何かと思ったらホワイトチョコなんですのね」
追加で注文したコーヒーを持ってきてくださったオーナーさん曰く、
「うちはカフェのみの利用もOKで、その場合でも何か試食のパンをお出しするようにしているんですよ」
その日もお隣でお茶をしていた女性客が、試食のパンを食べた後で、「とっても美味しかったです。あのパンはどれですか?」と、お買い上げしているのを見かけましたわ。
場所がら平日は地元のお客さんがほとんどで、中には車で30分くらいかけて来店し、角食パンを10斤ほどまとめ買いをしていく常連さんもいらっしゃるんだとか。
「たしかに近所にあったら毎日通ってしまいそうなパン屋さんですよね」
「わたくしはこのナッツショコラを毎朝食べたいですわ~」
毎月新メニューがあるというレイクベイクでは、
「今年の秋は地元山梨の赤ワインを使ったワインパンが店頭に並ぶ予定ですので、ぜひお近くまで遊びに来た際はお寄りください」
とのこと。のんびりと湖畔でのひとときを楽しんだゆきぴゅーとエイミーは、次の日の朝食用のパンをしこたま買い込んでお店を後にしたのでした。
昔話「カチカチ山」の舞台という天上山のロープウェーに乗ってみました。レイクベイクからは15分ほど | ロープウェーで3分、あっという間に展望広場に到着。が、こちらでも富士山は姿を見せず(泣) | ゴンドラの上や展望台にはあちこちにこの狸とウサギが。昔話では邪悪な狸ですが、この可愛さは憎めません |
■行ったところ
湖畔のパン工房 レイクベイク&カフェ(http://www.lakebake.com)
山梨県南都留郡富士河口湖町大石2585-85
TEL/FAX:0555-76-7585
営業時間:10時~18時(4月~9月)
10時~17時(10月~3月)
定休日:4月~12月は水曜のみ(祝日の場合は営業)。1月~3月は火・水が休み
駐車場:あり
※カフェは閉店30分前に終了
遠方の方はパンの宅配も可能です。詳しくはHPで
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■■このクルマでドライブしました!■■ シトロエンC3フランス車と言えばやわらかな乗り心地が身上。C3にももちろん、シトロエンらしいまったりしたサスペンションと、柔らかいのに疲れないシートがあります。おかげで帰りの渋滞した高速道路も快適に乗り切れました。 |
■プロフィール
ゆきぴゅー(ゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ)
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。
エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)
2010年 9月 15日