エンジンサウンドがスピーカーから!?
V8・V10エンジンサウンドを奏でる「Sound Racer」
メーカー:ハンズトレーディング(輸入元)
価格:5600円

 

「Sound Racer」は、V8サウンドとV10サウンドの2モデルをラインアップ

 FMトランスミッターは各社から多数リリースされており、価格、カラーリング、サイズ、送信周波数帯の多さなど、それぞれの製品で特徴が違うわけだが、今回紹介する「Sound Racer」は、見た目は似ているものの、それらとは趣が異なる商品だ。

 Sound Racerは、スウェーデンのSound Racer社が開発したもので、本体をシガーソケットに差し込むだけで、V型エンジンサウンドが楽しめるというもの。本来であればこちらがメインの機能になるのだろうが、3.5mmステレオ入力端子を介して付属のケーブルを使えば、ポータブルオーディオプレーヤーの音楽も聞ける。

 製品は、V8サウンドモデルとV10サウンドモデルの2種類をラインアップ。いずれもクルマのオルタネーターから発生する微弱なパルスを検出し、エンジン回転数に連動して音を変化させる。前者はアメリカの大排気量エンジンを、後者はイタリアのスポーツカーをイメージしていると言う。このエンジン音はクルマのスピーカーから流れるもので、ポータブルオーディオプレーヤーをつないでいるときは鳴らないようになっている。

 本体はカーボン柄で、送信周波数を選択するプラスとマイナスボタンの周辺をシルバー塗装としたほか、周波数の表示画面下に「V8」または「V10」のロゴを用いていて、スポーティかつ高級な仕上がりをみせる。電源はDC12V/24Vに対応し、送信周波数は88.1MHz~107.9MHzの範囲で0.1MHz単位で選択できる。

iPhoneなどポータブルオーディオプレーヤーを付属ケーブルでつないで音楽を楽しむことができる送信周波数は88.1MHz~107.9MHzの範囲で0.1MHz単位で選択可能
本体下側に3.5mmステレオ入力端子を備えるSound Racer本体以外にパッケージもカーボン柄でなかなか格好よい

 まずはV8サウンド、V10サウンドそれぞれを動画で撮影してみたので、聞いていただきたい。


V8エンジンサウンド


V10エンジンサウンド

シガーソケットに差し込むだけで簡単に迫力のあるエンジンサウンドを楽しむことができる。設定も実に簡単

 Sound Racerの設定は実に簡単。まずサイドブレーキを引いてからギアをニュートラルにして、シガーライターソケットに本体を差し込み、FMラジオと本体ディスプレイに表示される周波数を一致させる。

 次にエンジン回転数を2500rpm~3000rpmまで上げ、その後アクセルを離してアイドリング状態に戻すと、オルタネーターからのパルスを検出したことをあらわすビープ音が、クルマのスピーカーから流れる。ビープ音を確認できたら、設定は終了だ。

 V8エンジンはいかにもトルクがありそうな、アメリカンマッスルカーを連想させるサウンドで、V10エンジンはスポーツカーらしくカン高いスリリングなサウンドを奏でてくれる。密かに8気筒以上のエンジンに憧れる筆者にとっては、なかなか楽しめるもので、ついついアクセルを開けたくなってしまう。

 ただ、残念なのは、エンジンの回転数と完全にシンクロせず、音のずれが発生してしまうこと。例えばアクセルを全開にしているのに、アイドリング音が聞こえたり、その逆にアイドリング状態なのに、突如回転数が上がる音が聞こえるといったこともあった。

 これは、車種によってオルタネーターから発生するパルスを検出できていないことなどがあるため。検出しにくい車種や、電装品からノイズが発生している場合は誤作動を起こす場合があると、Sound Racerを輸入しているハンズトレーディングのWebサイトに注意書きが記載されている。パルス検出が良好な車両のリストもあるので、気になる方は外部リンクを参照されたい。

 こうしたケースがあるものの、多気筒ならではの迫力のエンジンサウンドを“気軽”に楽しめるし、手持ちのポータブルオーディオプレーヤーの音楽も聞けるSound Racerは、魅力的な製品であると言える。

(編集部:小林 隆)
2010年 3月 12日