ドライブのお供にプラズマクラスターイオン 「プラズマクラスターイオン発生機 車載タイプ IG-BC15」 |
メーカー:シャープ 価格:オープンプライス(購入価格:1万3000円) |
空気清浄機などに搭載されるイオン発生機、なかでもシャープの「プラズマクラスター」技術はトヨタや日産などメーカー装着エアコンにも搭載されるなど、ますます採用が拡大する気配である。「イオン発生機とはどんなものなのか?」と、シャープが2009年12月に発売したプラズマクラスターイオン発生機の車載タイプ「IG-BC15」を試してみた。
シャープのプラズマクラスター技術とは、プラズマ放電によりプラスとマイナスのイオンを作り出して空中に放出し、浮遊ウィルスの作用を抑え、付着カビ菌やアレル物質、付着タバコ臭の分解・除去ができるとしている。
本体のサイズは、上部直径80mm、底面直径65mm、高さ150mm。350mLペットボトルが収まるカップホルダーに設置することができるが、タンブラーのように上部が広がっているので、ドアポケットなどのカップホルダーでは干渉する可能性もある。
箱の中身は、本体とアダプター、取扱説明書。取り付けは、本体カバーを外して電源コードを取り付け、カバーを戻して電源コードをシガーソケットに差し込むだけ。カップホルダーに装着することを想定しているので、電源コードの取り出し口は、2つ用意されている。
電源は、DC12Vの一般乗用車に対応している。車載タイプはデンソーと共同で開発しており、車内の電子機器へのノイズ対策や、自動車特有の温度環境に適応した設計が行われている。実際に、影響を受けやすいAMラジオでもノイズを拾うようなことはなかった。
電源のON/OFFは、シガーソケットへの給電のON/OFFに連動する。本体動作中に車のエンジンを切ると動作は停止、再び車のエンジンをかけると動作停止時と同じモード(風量「強」または「弱」)で再開される。
プラズマクラスターイオンは、本体内の発生ユニットから出てくるのだが、このユニットはカセット式になっており、定期的に交換が必要となる。そのため、総運転時間約1万7500時間(1日24時間連続して動作させたとして約2年)経過すると、本体上面の「ユニット」ランプが点滅し、交換時期を知らせる。そして、約1万9000時間経過すると運転が停止してしまう。交換ユニット「IZ-CB15」の価格は2625円だ。
インパネなどに置かれることが想定されていて、前方ななめ上方20度に空気が吹き出すようになっている。これは、天井に沿って車内全体に空気が流れる「コアンダ効果」を狙ったもの。空中のイオン個数は、風量「強」運転時に、約3.6m3の空間で、2万5000個/cm3を確保していると言う。この約3.6m3という容積は、1.5×2.4×1m(幅×奥行×高さ)の自動車室内に相当する。
シガーライターソケット。DC12Vバッテリー使用の一般乗用車に対応する | プラズマクラスターイオン発生ユニットはカセット式で定期的に交換が必要 | 前方ななめ20度に空気が吹き出すようになっている |
筆者のクルマはドリンクホルダーがドアポケットにしかないので、後付のドリンクホルダーを付けて設置してみた(左)が、普段は吹き出し口を前に向けて、センターコンソールに設置している |
電源を入れると、「シュー」と運転音がするのと、LEDがブルーに光るだけ。とくに効果が目に見えるわけではない。
花粉が飛び散る季節になって花粉アレルギーに対する効果が気になるところ。しかしシャープが公表している実証実績によると、プラズマクラスターは花粉の表面にあるアレルゲンや、外殻が割れて放出したアレルゲンについては分解・除去できるが、花粉外殻を割ることができないため、花粉内部に含まれるアレルゲンについては分解・除去できないとしている。
運転して30~60分ぐらいすると、外気導入される空気のニオイが普段より鼻につくのに気がついた。微妙な違いではあるが、これはおそらく、プラズマクラスターの効果で車内側のニオイのレベルが下がることにより、外気のニオイが引き立って感じたのではないかと推測している。
また、筆者は鼻炎であまり鼻の通りがよくないのだが、1時間を超える長時間のドライブの後では、鼻の通りがよくなっていることもあるので、車内のアレル物質の低減にも効果があるようだと感じている。筆者のクルマは車齢10年を超えているので、ダニなどのアレル物質は多数存在すると思われる。
と、導入して2週間の感想であるが、今では「外の空気は汚れているのでは?」と思うようになり、運転時には常時スイッチONにしている。OFFにする理由は見当たらない。体のほうでも「手放せないアイテムになりそうだ」と感じているのが、今回の感想である。
(椿山和雄)
2010年 3月 19日