バックカメラ表示対応の1DINカーオーディオ
ケンウッド「I-K900」
メーカー:ケンウッド
価格:4万2000円(購入価格:2万5800円)

 

ケンウッド「I-K900」

 クルマの安全装備のうち、後退時の安全を確保するアイテムとしてリアビューカメラの装備が進んでいる。最近は装備したクルマが多くなり、カメラのないクルマに乗り換えたときに少々不安を感じるようにもなってきた。

 リアビューカメラを搭載するためには、車体後方にカメラを、運転席に映像を映し出すディスプレイを設置する必要がある。多くの場合はカーナビの画面に表示するのだろうが、リアビューカメラ入力のないPNDを使っていたり、そもそもカーナビを使ってない場合は、何に表示するか困ることになる。そこで、リアビュー表示のできるカーオーディオ、ケンウッドの「I-K900」を試してみた。

1DINスペースに収められるオーディオ
 I-K900には、情報表示や動画再生に使う液晶ディスプレイに、リアビューカメラの映像を表示する機能がある。

 I-K900は1DINのカーオーディオなので、液晶ディスプレイはあまり大きくないが、もともと1DIN分しかスペースのないクルマや、そのほかの装備の都合で1DIN分しか設置場所を確保できない場合に重宝する。

 ちなみに、今回装着してみたクルマには2DINのスペースがあるが、上の1DINスペースにPNDの画面が来るように加工してあり、実質的に1DINスペースのみとなっている。まるごと2DINのカーナビに交換してしまえばよいが、予算の都合と通信機能が充実したPNDを手放したくないためI-K900を選んだのである。

 取り付けは基本的にカーオーディオの取り付けとほぼ同じだが、リアビューカメラのための配線がプラスされる。社外品のカーオーディオを取り付けているクルマであれば手間はそれほどでもないが、純正品を使っている場合は車種ごとの取り付けキットや配線キットが必要となってくる。

 通常のカーオーディオになくI-K900で追加となる配線は、リアビューカメラのための映像入力と切り替え信号のケーブル。そしてI-K900は動画再生機能を持っているため、安全のためバーキングブレーキを引いていないと映像表示ができないよう、バーキングブレーキの接続が必要だ。

 バックカメラ映像の配線は、自分で引き回さないといけないが、バック信号とパーキングブレーキ信号はカーナビ用としてオーディオのコネクターに信号が来ているクルマも少なくなく、手間はあまりかからないだろう。

 しかし、I-K900はiPhone/iPod/USBの接続ケーブルを後ろ側から前に回す工夫が必要になるなど、少しテクニックが要る。取り付け工事に関しては車種によって異なり、簡単に説明できない部分なので、よく分からなかったり、慣れてないなら専門家に任せてほしい。

CD/DVDドライブがないので意外に軽い本体 背面には外部アンプ用の出力がある 結線は通常のカーオーディオにプラスして後退とパーキングブレーキ線
リアビューカメラ入力のほか、iPod/iPhone接続やリアモニター出力などもある。USBケーブルだけは長めになっている。なお、カメラは別売りで、一般的なビデオ出力のものならなんでもよい 付属のiPod/iPhone接続ケーブル。本体側はUSBとAV出力をすべて接続する必要がある 付属のリモコン
カーオーディオの装着に慣れた人なら装着は難しくないだろう iPod/iPhone接続ケーブルはUSB部分だけ短くなっており、手元のほうでUSBメモリーと差し替えしやすくなっている

バックギアに入れるとリアビューが表示される
 取り付けが済んだらリアの映像を映してみる。ケンウッドのカーオーディオの電源スイッチは少し変わっていて、SRC(ソース)のボタンを押すと音が鳴りはじめるのは通常と同じだが、音を止めるときはSRCボタンを何回か押してSTANDBYを選ぶか、SRCボタンを長押しして主電源を切る。主電源を切ってしまうとリアビューを表示しないばかりか、イルミネーションが全消灯してしまうので夜間は真っ暗になってしまう。リアビューカメラを使っているなら、STANDBYで止めておくのがよいだろう。

 リアビューカメラを使う場合は、MENUの「Initial Settings」→「R-CAM Interruption」を「ON」にしておく必要がある。デフォルトでONになっているが、念のため確認しておきたい。カメラの設定として鏡像設定があるが、一般的なリアビューカメラ製品はもともと出力が鏡像なので、たいていはONにする必要はない。

 このほかに設定はなく、ギアをバックに入れると、画面にリアのカメラ映像が映しだされる。

 リアビューの表示だが、液晶サイズが小さいため、大型の液晶に比べれば情報量は少ない。さらに、I-K900は後退時のガイドラインの表示機能もない。本格的なカーナビのリアビュー表示とは質が異なる。

 筆者は補助的な確認として使っていることもあり、小さい画面で見難かったりすることはなかった。昼も夜も、障害物の有無の判断程度に問題はない。しかし、使う人の個人差があることなので、画面サイズを購入前に販売店店頭などで確認したほうがよいだろう。

 なお、今回は、アルパインのリアビューカメラ「HCE-C90」を、地上から1mほどの高さに装着した。結局のところ、見える映像の画質や見える方向は、カメラの性能や装着場所の問題が大きいため、適切な場所に良質なカメラを設置することをおすすめしたい。

リアビュー表示。ガイドラインの表示はなし。湾曲しているのはカメラの特性だ リアビュー表示をするかどうかの設定がある。設定OFFでバッグギアに入れても表示されない

 

操作のほとんどをこのツマミと上下左右と中央のボタンで行う

I-K900は高機能なオーディオ&ビジュアルユニット
 I-K900をリアビュー表示目当てで選ぶ人もいると思うが、基本は高機能なオーディオ&ビジュアルのヘッドユニットだ。iPhone/iPodやUSBメモリーによる楽曲ファイルの再生を中心とし、FM/AMラジオ、外部入力、本体内蔵メモリーの再生もできる。ただし、本体にCD/DVDなどのドライブは搭載していないため、CD/DVDの直接の再生はできない。

 iPhone/iPodはI-K900から操作できるほか、ボタンひとつでiPhone/iPod側で操作するように切り替えることもできる。アルバムやフォルダの切替はiPhone/iPodでやったほうが使いやすい、という場合に有効。

 液晶ディスプレイはリアビュー表示ができるだけでなく、楽曲やアルバムジャケット画像などを表示できる。楽曲の日本語表示や、取り込んだ静止画を表示するなどの機能も持っている。

 本体メモリーに楽曲を蓄えるには、USBメモリーに楽曲ファイルを書き込んでおき、そこからコピーする。容量は512MB。対応する音源の形式はMP3やWMAやAACなど。詳細はインターネット上で公開されているマニュアルなどに記載されている。

 その他の入力ソースは、iPhone/iPodとは独立したAUX端子を備えており、ふだんはiPodを使っていながら、別のプレーヤーを持ち込んで接続することができる。また、CDチェンジャーの接続も可能なので車内でCDの再生が必要ならCDチェンジャーを買い足して対応することもできる。

 なお、USBメモリーとiPhone/iPodのUSBポートは共用。USBハブを使って同時接続も可能ではあるが、切替操作が煩雑になるため、必要に応じてUSBポートを差し替えるほうが簡単でおすすめだ。

 また、再生機能ではDSPによる音質設定やタイムアライメント、リアは別の入力ソースを再生する2ゾーン設定なども可能。別売りだがBluetoothユニットを接続すれば、Bluetooth対応携帯電話とワイヤレス接続してハンズフリー通話もできる。

FM/AMラジオに切り替えると「TUNER」と大きく表示される ラジオ放送局の周波数などが表示される。表示項目はカスタマイズ可能 内蔵メモリーの楽曲再生は、ICチップをイメージしたアイコンとなる
楽曲などが表示される。もちろん日本語も表示する USBメモリーへ切り替え AUXも切替可能。入力は背面にある3.5φミニジャック
iPod/iPhone入力へ切り替えるとiPodのアイコンが出る 本体からiPod/iPhoneをコントロールして再生できる ディスプレイ右側のiPodボタンを押すと、iPod側での操作に切り替わる。iPod内のプレイリストを使ったり、手元のiPodで楽曲選択をしたい場合には便利だ

高価だが、1DINでリアビュー表示を可能にする数少ないオーディオ製品

 現在、1DINでiPod/iPhone接続ができるヘッドユニットは、1万円を切る程度で入手でき、ディスプレイに日本語(漢字)表示ができる機種でも1万5000円ほど。ところがI-K900はさらに高価。価格比較サイトの最安値で2万5000円ほどで、現代のカーオーディオとしてはかなり高価な部類である。

 高価なI-K900だが、楽曲の日本語表示対応のオーディオに液晶ディスプレイを別途購入したと思えば、割高感は和らぐ。しかも、オーディオに1DINサイズしか装着できないクルマだとしたら、すっきり収められる数少ない製品であることは間違いない。

 オーディオが1DINスペースしかないというクルマのオーナーが、リアビューカメラ用モニターが欲しいというなら、まず最初に検討すべき製品だろう。

(正田拓也)
2011年 9月 30日

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