カーグッズ・ミニレビュー

【レビュー】車載モバイルルーター「Car Wi-Fi 404HW」を試す

コネクテッドカーへの第一歩? 快適そのものの車内インターネットライフが送れる

2015年3月下旬発売予定

価格:未定

 PCからモバイルへ、モバイルからIoT(モノのインターネット)へ、そして家やクルマがインターネットにつながるコネクテッドホームやコネクテッドカーへと、インターネットとそれを取り巻く環境は進化している。

ワイモバイル「Car Wi-Fi 404HW」

 そんななか、ワイモバイルが2月に発表したのが、車内でインターネットに接続できるようになる「Car Wi-Fi 404HW」だ。すわマイカーがコネクテッドカーに大変身か!? と勘違いしそうになるが、実際は車内で使うモバイル端末などからモバイルネットワークにアクセスできるというもの。やや変化球に見えるこの製品を発売前にひと足先にお借りすることができたので紹介したい。

スマホ、タブレット、PCから使えるモバイルルーター

パッケージに入った状態

 Car Wi-Fi 404HWは、アクセサリーソケット(シガーソケット)に差し込むだけで車内に無線LANスポットができあがる、クルマ用モバイルルーターと言えるもの。スマートフォンやタブレット、PCといった他の無線LAN機器から404HWに接続することで、404HWが対応するワイモバイル(ソフトバンク)のモバイルネットワークを利用してインターネットにアクセスできる。

 モバイルルーターとしての機能をもっているだけなので、車両データのネット管理や、車両同士・交通インフラとの連携などを含めたコネクテッドカーの構想とは少し離れたところにある製品だ。とはいえ、ほとんどのクルマが備えているアクセサリーソケットを用いて車両と一体的に使えることを考えると、コネクテッドカー“的”なアイテムと言ってもよいかもしれない。

 肝心の最大通信速度は3月5日時点では明らかにされていないが、周波数帯としては最大112.5MbpsのFDD-LTEの2.1GHzをはじめ、1.7GHz/900MHzなどに対応、無線LANは2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに対応する。モバイルルーターとしてみれば、最新モデルに比べると若干性能は抑え気味ではある。

 しかし、製品自体はモバイル・通信業界では今勢いのある中国メーカーHuaweiが開発したもの。Huaweiは日本国内には主にキャリア端末としてモバイルルーターを中心に提供しており、そのノウハウを受け継いでいるであろう404HWも製品としての信頼性・完成度は高いと考えられる。

満足度の高いデザイン。本体の設定なしで使い始められる

 その信頼性を感じさせる要素が、404HWのデザインにもある。アクセサリーソケットに直接差し込むタイプということで、サイズはコンパクト。カーボン調の柄がプリントされた光沢のある本体正面部分やその形状は、まるでスポーツカーのシフトノブのようにも見える。

 こういったアクセサリーソケットに接続するアイテムの場合、使用中は目立たないソケット挿入部がチープ感の漂う素材になっていたりするものだが、この404HWは細部までデザインや強度にこだわっているのか、挿入部表面がマット処理されており、剛性感もある。おそらく高級車に装着しても見た目に違和感はないだろう。

カーボン調の柄がプリントされた、シフトノブのようなデザイン
ソケット挿入部の作りにも安っぽさはない

 使い方はシンプルだ。挿入部に記載されているSSIDとパスワードを覚えておき、クルマのアクセサリーソケットに挿入して、エンジンをかけるなどして通電した状態で本体正面の電源ボタンを長押しする。あとはPCやタブレットなどの無線LAN機器から所定のSSID(アクセスポイント)に接続し、パスワードを入力するだけ。

電源を入れた直後は赤く光り、通信の準備が完了すると緑色に変わる

 試してみたところ、電源をオンにして接続待ち状態になるまで実測で20秒弱。そこからアクセスポイント設定済みのタブレットが自動で無線LANに接続し、インターネットにアクセスできるようになるのが10秒ほど。つまり30秒もあれば車内でインターネットが使える状態になるわけだ。クルマの暖機運転をしている間に、スマートフォンやタブレットのカーナビアプリで目的地を設定するくらいは余裕でできるだろう。

 また、正面上部には充電用のUSBポートも備えている。スマートフォンやタブレットを充電しながら使えるので、車内で端末を使いすぎてバッテリー切れになる心配もなさそう。ただし、出力は5V/1Aということで、多くのスマートフォンやタブレットは問題なく充電できるが、それより大きな電流が必要となるiPadは利用不可能だ。

USBポートはスマートフォンやタブレットを充電しながら使うのに便利だ
車内ではこのように接続して使える

契約は「シェアプラン」でスマホの通信量と分け合うのがお勧め

SIMカードスロット部。一般的なスマートフォンと同じように契約するとSIMカードに契約情報が記憶される

 では、404HWはどのような用途に使えるのか。本製品はあくまでもモバイルルーターなので、通常は外出時にネットワーク接続できないWi-FiタブレットやノートPCを車内で使う、というのが一般的な利用パターンとなるだろう。もしくはスマートフォンでできるだけモバイル通信を節約したい時、または友人らとクルマに乗り合わせて出かけるような時にみんなに使ってもらう、といったことも考えられそうだ。最大同時接続数も10台と余裕があるので、たとえば筆者所有のミニバンだと定員の8人が乗って全員が利用したとしてもお釣りがくる。

 契約プランは、404HW単体で契約する場合は一般的なワイモバイルのスマートフォンの契約である「スマホプラン」を利用できる。データ通信容量の違いによって、「スマホプランS」では月々1GB 2980円、「スマホプランM」で月々3GB 3980円、「スマホプランL」は月々7GB 5980円のプランが用意されている(いづれもスマホプラン割引が適応になる利用開始から25か月間の料金)。

 もし、既にワイモバイルのスマートフォンを契約している場合には、その回線を親回線として、データ通信容量を分けて使う「シェアプラン」が契約できる。シェアプランの料金は、「スマホプラン L」加入者が月額基本料金ゼロ円。「スマホプラン M」加入者が月額基本料金490円、「スマホプラン S」加入者が月額基本料金980円。例えばスマホプラン Lはデータ通信容量が7GBなので、その範囲内でスマートフォンと404HWが使えることになる。先ほど例に挙げた、友人らと乗り合わせて出かけるような時にフルで使われてしまうと、あっという間にデータ容量の上限を突破してしまう可能性もあるので注意が必要だ。

 そう考えると、404HWのメリットは、普段は自宅でしか使っていないWi-Fiタブレット(やノートPC)を気軽に持ち出して車内で使える、という部分が大きくなるだろう。スマートフォンのテザリング機能を使うのと同じではないか、と考える人もいるかもしれないが、その場合はスマートフォン自体の操作が必要だし、バッテリー消費も気になる。差し込んでワンプッシュするだけで使える404HWなら、手間が少ないうえに電源の心配も不要だ。

10インチタブレットで極上の車内エンタメを実現

 というわけで、自宅でしか使っていなかったWi-Fiタブレット「Nexus 10」を、さっそく車載用ホルダーとともに車内にセットして使ってみた。10インチのやや大きめのAndroidタブレットなので、車載カーナビがあるダッシュボード手前に固定した時の存在感に一瞬戸惑ったものの、実際にGoogle マップのカーナビ機能を使ってみると、やはり大画面ならではの見やすさ、操作のしやすさに感動すら覚える。

見やすく、操作しやすい大画面

 心配だったタブレット内蔵のGPSによる位置測位の精度も問題ない。スマートフォンでは基地局などから得られる位置情報も活用して高い精度を実現している場合があるが、Wi-Fiタブレットは基本的にGPSからの位置情報のみで位置を特定するため、誤差が出やすいことがある。

 しかし、Google マップのカーナビ機能ではある程度の誤差は自動で補正され、きちんと車道上をポイントするため極端に大きなずれが発生することはないようだ。今回試したところでも、高架の直下や高層ビル街を走行したにも関わらず、実際の走行位置と地図上の位置が大きくずれることは一度もなかった。タブレットの大画面によるカーナビは、大いにアリだと思う。

地図の読み込み、検索、ナビなど、全てサクサク処理できる
高架下やビル街でもずれることなくナビしてくれた

 また、YouTubeのフルHD動画もなんなく再生でき、極上の車内エンタメを味わっている気分に浸れる。後部座席用としてタブレットを固定すれば、ロングドライブでぐずりがちな子供の気を紛らすのにも活躍するに違いない。もちろんドライブ中に寄りたいお店を検索するのにも、駐車場や緊急時のトイレを探すのにも、ネットに接続したタブレットは役に立つはずだ。

このような渋滞中でも、ラジオや動画で気を紛らすことができるのはありがたい

 ところが、今回のように元の車載カーナビがあるところにかぶせる形でタブレットを固定してしまうと、車載カーナビの機能が使えないのはともかく、バックモニターが見られなくなってしまうのが最大のネック。タブレットの固定方法をもう少し工夫することで、快適そのものの車内インターネットライフが送れるだろう。

(日沼諭史)