カーグッズ・ミニレビュー

Bluetooth連動で駐車位置を記録してiPhoneを使ってナビができる

バッファロー「見つCar~る(みつか~る)」

シガーソケットに差し込むと緑のLEDが点滅する。Bluetoothでペアリングさせると点灯に変化する

 行楽地やショッピングモールなどの広大な駐車場でマイカーを探してウロウロしてしまうのは、誰でも1度や2度は経験済みだろう。今回は広い駐車場で止めた場所を記録しておけるグッズ。バッファロー「見つCar~る(みつか~る)」を紹介しよう。

 使い方は単純だ。本体をクルマのシガーソケットに接続して、iPhoneの専用アプリを使って駐車場所を探し出す。あらかじめBluetoothでペアリングさせておき、停車してエンジンを切った際にペアリングが切れることを感知して駐車位置を記録する。その後、記録した駐車位置までをiPhoneでナビゲートさせることができるようになる。利用できるのは、iPhone 4S以降のモデル、またはセルラータイプの第3世代iPad、iPad mini以降となる。GPSとBluetooth 4.0が備わっている必要があるためだ。なお、Androidではアプリが用意されていない。

 シガーソケットに接続する本体は、USBカーチャージャーとしても利用できるので、普段ソケットに差しっぱなしにしておいても無駄にならない。Bluetoothのペアリング状態が把握できる緑色のLEDがある。

 位置表示はiPhoneのGPS(およびGLONASS)とジャイロ(コンパス)機能を使って把握しているので、立体駐車場の階数までは検知されない。そのあたりをサポートするため、駐車場所を示す標識などをiPhoneのカメラで撮影して残しておけるメモ機能がある。

バッファロー「見つCar~る」本体。やや大きめのUSBカーチャージャーに見える
バッファローの「見つCar~る」(BSBT4PT03) 価格:5350円(税別)
先端にはフタがあり、開けるとUSBポートが現れる。USBカーチャージャーとして利用可能

 iPhone用アプリは、iTunes Storeから無償でダウンロードすることができる。「Saga-cell(さがせーる)」という名称なので、名前を検索してインストールしておこう。Bluetoothのペアリングは、「Saga-cell」を起動するとまず本体を検索する画面になるので、そのリストから画面に従っていくだけだ。特に難しいことはない。1度ペアリングさせると、次回からはアプリを起動すれば自動的にペアリング済みになる。

 駐車位置を自動記録するために「見つCar~る」の電源を切る(キーオフでエンジンを切る)ときには、その時点に「Saga-cell」が起動していて、ペアリング状態でないとならないので注意しよう。単にアプリをインストールしてあるだけではダメだ。ペアリング状態であるかどうかは、「見つCar~る」本体LEDが点滅ではなく点灯状態になっていることで確認できる。

 なおこのBluetooth接続を使った位置記録は、Bluetooth 4.0のProximity Profile(PXP)を使っている。このプロファイルは、ペアリングしたデバイスとの距離を把握するものだ。電源断以外にも本体と一定以上離れることでも記録が可能だ。この距離はアプリ内で設定することができる。

iTunes Storeにて「Saga-cell(さがせーる)」を検索してダウンロードする。無償で利用可能
画面下からスワイプして表示させるコントロールセンターでBluetoothをオンにする
「Saga-cell」を起動すると、機器の登録画面になる。クルマのエンジンをかけた状態で「見つCar~る」とペアリングする。「未登録」と表示された機器名をタップする。この時点ではまだ「見つCar~る」本体のLEDは緑で点滅している
ペアリングの確認画面が表示されたら、「Pair」をタップする
ペアリングされ機器が認識されると「接続済み」と表示される。「見つCar~る」のLEDが緑の点灯になる

「見つCar~る」本体とiPhoneを「Saga-cell」アプリを使ってBluetoothのペアリングが終わったら準備は完了だ。あとは目的の駐車場で活用すればよい。

 今回は、茨城県にある「国営ひたち海浜公園」にドライブに行って使ってみた。ここは総面積350ヘクタールもあり、夏期にはロックフェス(ROCK IN JAPAN FESTIVAL)も開催されるほど広大な公園だ。もちろん敷地内に駐車場も複数用意されていて、その広さもはんぱない。こういった場所で威力を発揮するはずだ。ちなみに駐車料金は1日510円で入園料は大人410円と安く、入園無料の日も設定されている。場所は、首都圏からなら「常磐自動車道」を北上し、「茨城町JCT(ジャンクション)」で「北関東自動車道」を「ひたちなか方面」に向かい、「ひたちなか海浜公園IC(インターチェンジ)」で降りれば目の前だ。休日の気軽な日帰りドライブにちょうどよい。

総面積350ヘクタールと広大な「国営ひたち海浜公園」。1日ですべて回るのはけっこうハード
毎年ゴールデンウィーク頃に一面ネモフィラが咲く丘で有名。この丘は秋には一面コキアになる

 訪れた日は、ちょうど連休の快晴で複数ある駐車場のいくつかはすでに満車になっていた。うまく入れた駐車場もビッシリだった。こうなると駐車場所を覚えておくのは至難の業だ。「Saga-cell」を起動しておき駐車場でエンジンを切ると、「ピー」という音がiPhoneから聞こえる。これで自動的に現在地にピンがドロップされ記録完了。念のため記録されたことを画面で確認しておくとよいだろう。後はiPhoneを持ち出して、駐車場までの帰り道にナビゲートさせる。

公園だけでなく駐車場も広大。帰りにここから探し出すのは至難の業
「Saga-cell」でペアリングしたおいた機器名をタップすると地図表示に切り替わる。停車時にBluetoothペアリングが切れると音が鳴り、現在位置のピンが自動登録される
「写真メモ」タブでは、案内標識などを写真でメモとして残しておける。残せる写真は1枚だけ
設定画面では、電源断ではなく、離れた距離によって現在位置ピンの自動登録をさせるための距離の設定や、ピンの削除などができる

 駐車場のクルマまで戻るときには、「Saga-cell」の「ルート案内」画面で「ルート検索」をすると、先に自動記録した自車位置までの最短ルートが表示される。

 また、現在地アイコンのタップで地図表示を北に固定(ノースアップ)と自分を中心に実際の進行方向に向く(ヘディングアップ)の切り替えができる。ヘディングアップ表示の時は、駐車位置方向へのガイドが表示される。今回のような公道ではない広い公園や自然の中では、ヘディングアップで目的の方向を探しつつ向かうと分かりやすい。

 歩き疲れた帰り道、初めての場所でも迷わずに駐車場に戻ることができるのは、かなり安心感がある。もちろん、マップアプリなどを駆使してBluetoothを使った自動登録を手動登録すれば、似たようなことは実現できないことはない。この製品のメリットは、すべての作業を「Saga-cell」アプリを使って手軽にできることだ。駐車場の到着時に登録操作をしなくてもよいのはポイントが高い。

 なお、iPhoneでGPSを使ったナビをさせるとバッテリーの消費が激しい、帰路の車内では「見つCar~る」本体のUSBチャージ機能を使って充電しながら安全運転で帰ろう。

駐車場に向かうときには、「ルート検索」をタップするとルートが表示され
ヘディングアップ表示のときはおおよその方向を示すガイドが表示される。公園のような公道がない場所ではこちらが便利
ときどきジャイロセンサー(コンパス)の補正がうながされる画面が表示される

村上俊一