花粉が飛び散る季節、エアコンフィルターを交換してみた
ボッシュ「キャビンフィルター」
メーカー:ボッシュ
購入価格:2625円(送料別途:630円)

 

製品パッケージ、フィルター、説明書

 花粉が飛び散る季節に突入して、マスクが手放せないといった人もいるだろう。そこで、今回はクルマのマスクにあたるエアコンフィルターを交換してみた。交換するエアコンフィルターは純正部品でなくボッシュが交換用に発売している「キャビンフィルター」を使用した。

 エアコンフィルターは、外気と内気の空気を浄化するもので、最近のクルマにはほとんど装備されるようになった。フィルターを長期間交換しないと、エアコンの効率が下ったり、フィルターに染み付いたニオイが車内にまき散らされたりと、よいことはない。ボッシュでは、交換の目安を1万5000~3万kmと設定しているが、1年に1回は交換したいアイテムだ。

 ボッシュのエアコンフィルターには、国産車用の「アエリスト」と、輸入車用の「キャビンフィルター」があり、ベーシックな製品に加えて、アエリストには銀(Ag)を配合した「抗菌タイプ」や天然ポリフェノール成分を配合した「アレル物質抑制タイプ」が、キャビンフィルターには活性炭入りの「キャビンフィルタープラス」といった高機能タイプがラインナップされている。残念ながら筆者のオペル「アストラ」用にはベーシックなキャビンフィルターしか用意されていないのだが、花粉にも有効というので採用してみた。

新品はもちろん真っ白。いい香りがする空気の汚れを受ける面フィルターの裏側となる面

 ボッシュの交換用フィルターは、量販車種ならカー用品店などで適合するものをその場で発見することができるが、販売台数の少ない車種では注文して取り寄せになるだろう。ボッシュはWebサイトに適合品サーチを用意しており、自分のクルマの型式を選択していくと品番が分かるようになっている。今回はこれを利用し、適合する「CF-OPE-1」をネット通販で購入した。

 エアコンフィルターは一般的に、グローブボックスの裏にあるエアコンユニットに設置されているが、エンジンルーム側に装備されている車種もある。アストラは前者。
 
 作業手順は、コンソールボックスを外して、エアコンユニットに取り付けられたフィルターを交換するだけ。購入したセットには、車種に合わせた取り付け説明書が付属しているので、作業手順が確認できる。

付属する取り付け説明書左ハンドル仕様のものが掲載されているが、ほぼ同じ手順で交換できる輸入車の場合、左ハンドル仕様と形状が違う場合があるので、品番に注意が必要だ

 筆者のアストラの場合、グローブボックスは6つのトルクスねじで止められており、ねじを外すとすっぽり取り外すことができる。エアコンユニットにはフィルター交換窓があるので、古いフィルターと入れ替えるだけで作業は終了だ。

 フィルターには空気の流れる方向が決まっているので、取り外すときに進行方向を確認しておいたほうが新品を取り付ける時に迷わなくて済む。アストラの場合、フィルターを折り曲げないと入らなかった。

アストラのエアコンフィルターの取り付け位置はグローブボックスの裏グローブボックスを取り外すと、エアコンユニットが現れる
エアコンユニットにフィルターが取り付けられている取り付け窓の手前にエアコンのエバポレーターが設置されている

 さて、取り外した古いエアコンフィルターは2008年10月頃に交換しているので、ほぼ1年半使用したことになる。よく観察してみると、想像していたよりはきれいだが、新品と比べると汚れているのは明らかだ。クンクン嗅いでみるとニオイが染み付いていることが分かる。

 エアコンフィルターの効果を確認できるのは、車歴10年超にもかかわらずエアコンのエバポレーターがキレイに保たれているところ。インパネ裏のホコリもそれほどひどい状態ではなかった。通常であれば、車両の設計にもよるが砂埃でジャリジャリといった状態が普通であろう。

 また、一般的な車種ではフィルター交換窓はエバポレータの前に設置されているようなので、タバコを吸う人などは、フィルター交換と合わせてエバポレーターも洗浄しておくと、交換の効果を実感できるに違いない(洗浄に関してはプロにお任せることをお勧めする)。

使用済みのフィルター、カタチが崩れているのは取外しを適当にやったためフィルターの裏側空気の汚れを受けた面
使用済みフィルターと新品との比較、並べると違いがはっきりするエバポレーター。フィルターのおかげでホコリで目が詰まるということもなく、アルミニウムの素材の色が確認できるインパネ裏。車歴10年超の割にはキレイな状態といえる

 交換後エアコンを作動させ吹き出し口に鼻をもっていくと、おろしたてのマスクをした時のような香りがして清々しい。

 作業してみた感想としては、交換が容易な車種では自分で交換すればよいが、そうでない車両では、特殊工具が必要な場合やプラスチック部品で壊れやすいものもあるので、信頼のおけるショップにお任せしたほうがよさそうだ。また、定期的な交換が効果的なので、車検や1年点検などに合わせて交換するのがベストであろう。

(椿山和雄)
2010年 4月 2日