LEDポジションランプでヘッドライト全体を白色に
ハイパーLEDバルブ「SL11」
メーカー:スタンレー電気
価格:オープンプライス(購入価格:2400円)

 

RAYBRIG(レイブリック)ブランドで知られる、スタンレー電気ハイパーLEDバルブ「SL11」。2個1組での販売

 ヘッドライトバルブを高能率タイプハロゲンやHIDにすると、光の色は白っぽくなる。これに対しポジションランプは豆電球のような電球を使っているのが一般的で、黄~オレンジ色っぽい発色をする。車種にもよるが、ポジションランプはそれ自体で前方を照らすというよりも、リフレクター内に反射させるように作られているものがほとんど。

 ヘッドライトバルブと同じリフレクター内にある場合、ヘッドライトを点灯させるとポジションランプと同時に点灯し、その色が混じって発色することになる。この状態での色のバランスがわるく感じたので、今回LEDポジションランプに変更して、バランスを改善してみることにした。

 ポジションランプはスモールランプとも呼ばれるが、保安基準上は車幅灯と呼び、保安基準を満たして装着しなくてはならない点に注意が必要だし、車検時にも必ずチェックされる。

 自動車検査法人が公開している「審査事務規程 4-63車幅灯」には、2005年(平成17年)12月31日以前の製造車では「白色,淡黄色又は橙色」、2006年(平成18年)1月1日以降の製造車は「白色」でなくてはならず、「夜間にその前方300mの距離から点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること」とある。

 大手メーカー製であり製品に「車検対応」と明記されていればこれらの基準を満たしているはずだが、実際に車検に通るかは車検場での判断になると思われるので、事前に相談しておくとベストだろう。製品マニュアルやパッケージなどで、車検対応品であることが触れられている個所を担当者に見せておくと相談しやすいと思われる。


これまで使っていた電球ポジションランプ点灯状態。ヘッドライトバルブと大きく色が異なっている

 いずれにしても、青色や赤色といった色への交換はできないことと、2006年以降の製造車では白色以外への交換もできないという点は十分に注意してほしい。左右で別の色にすることもできない。なお、ヘッドライトとポジションランプと連動させないライトであるフォグランプは「審査事務規定 4-61 前部霧灯」として色や位置が同様に決められており、デイライトなどは「審査事務規定 4-82 その他の灯火等の制限」として色や光度が決められているので、1度目を通しておくのがよいだろう。

【お詫びと訂正】記事初出時、フォグランプを「その他の灯火」としておりましたが、前部霧灯として色や位置が決められています。お詫びして訂正させていただきます。

 今回選んだのは、スタンレー電気のハイパーLEDバルブ「SL11」という明るさ0.8Wの製品。明るさへのこだわりは特になかったので、店頭でお手頃価格だったという理由だけで選んだのだが、この場当たり的な選択は後で泣くことになった。同シリーズではすでに新モデルとして「RE21」が出ているので、こちらがおすすめだ。新モデルのほうがわずかだがコンパクトな作りになっていて、ほぼT10ウェッジ球と同サイズを実現している。しかもLEDも1チップ多くなっている。

 LEDポジションランプ選択時のポイントは、色と光の強さ、そして光の拡散度だ。色は「5500K(ケルビン)」の昼間の太陽色から数値が上がると青白くなっていく。光の強さは、同世代製品であればおおよそLEDチップ数に比例する。高性能のLEDが開発されれば、より明るく進化していくので、現時点での予算と好みで決めてほしい。

 あまりLEDチップが多く使われているとサイズが大きくなってしまい(もちろん価格も上がる)、装着や発熱の問題も出てくるのでほどほどが肝心。また、LEDは性質上光が拡散しにくいので、LEDチップの向きとレンズをうまく設計して拡散させる必要がある。ここは現在各メーカーが切磋琢磨している部分でもある。

 ランプのソケット形状は、「T10ウェッジ」と呼ばれるタイプがほとんどだが、まれに「BA9S」、「BAX9S(H6W)」などもあるので、愛車の形状を先に確認しておく必要がある。LEDは電球と異なり「+/-」の極性があるものなのだが、最近の製品では極性を気にしなくても装着できるタイプがほとんどだ。消費電力は1W×2前後(今回のモデルは0.8W×2)なので、電球時の5W×2から大幅に省電力化が図れるのもLED化のメリットといえるだろう。

 なお、一部車種ではポジションランプ切れ警告機能が装備されていて、LEDポジションランプに変更すると、消費電力の低さから球切れと判断してしまうことがある。こういった場合には交換はあきらめるか、警告灯を無視するか、球切れキャンセラー付きの製品を選択する必要がある。

愛車に付いていたT10ウェッジの電球(左)と、ハイパーLEDバルブ SL11のサイズ比較光を拡散させるカバーを外してみると、LEDチップが2つ使われているのが見える

 交換作業は、ライトを消灯してある程度時間が経ってから行ってほしい。ポジションランプに直接触れるため、消灯直後ではヤケドをしてしまうからだ。ポジションランプカバーは車種ごとに異なる作業となるが、ポジションランプの取り外しに関しては、ソケットを左右どちらかに45度ひねるとリフレクターから外せるようになっているものがほとんど。

 ソケットからは電球部分のみをつまんで外し、新たにLEDポジションランプを押し込んで装着する。ソケットに装着したら、リフレクターに差し込む前に1度点灯と消灯を確認しておこう。消灯時に微電流でわずかに点灯してしまうケースもまれにある。その場合は装着をあきらめよう。問題がなければ消灯してリフレクタにソケットを元に戻す要領で装着する。

 実際に取り付け作業をしてみたところ、点灯自体はまったく問題なかったが、装着で若干の問題が出てしまった。ソケットの取り付け穴に対してわずかだけ大きく、そのままではヘッドライトリフレクターに入らなかったのだ。そのため、取り付け穴を少しだけ削って広げる作業をして装着した。購入前にもう少し下調べをすれば、このようなトラブルもなかったはず。ケチらずに新製品でコンパクトな「RE21」を選んでおけば、問題なく装着できただろう。このようなことにならないためにも、実車でサイズを正確に把握して、製品パッケージにあるサイズ表を確認してから購入するようにしてほしい。

最初にヘッドライトリフレクターからポジションランプをソケットごと外す電球を外すと、T10ウエッジのソケットはこのような形状をしているソケットにLEDポジションランプを装着する。ソケットの外形幅よりほんのわずかだが大きめ。これによりソケット装着穴を若干拡大する必要があった
リフレクターに入れる前に1度点灯試験をしてみる。点灯しない場合には、押し込み不足を疑うか極性を変えてみる装着してヘッドライトとともに点灯させてみたところ。もう少し色温度の低いもののほうがよかったかもしれない

 実際に点灯させてみると、予想していたよりも明るく十分な光量がある。もちろん白色なので、白色バルブとも相性がよい。色温度を6500Kのものにしたので、6000Kのバルブよりも微妙に青みがかって見えている。もう少し色温度が低いほうがよかったのかもしれない。今回の車はHIDではないが、HIDとの相性のほうがいいだろう。また、省電力化によりバッテリーの負担もいくぶん軽くなるはず。自分は、暗めの曇り空など少しでも暗くなると、即ポジションランプを点灯させることにしているので恩恵は大きいと思う。

 とはいえ、まだLEDポジションランプの価格は安いとはいえず、装着トラブルの可能性も否定できないので、万人に手放しでお勧めすることはできない。今後の交換が基本的に不要ということを考えると、交換工賃までを含めれば多少費用メリットはあるかも知れないが、メリットよりもドレスアップ的な側面が強いので、LEDの白くてシャープな光源が気に入ったならぜひチャレンジしてみてほしい。


 

(村上俊一)
2010年 12月 17日

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