連載

三宅健のクルマで音楽! クルマでiPhone!

第2回:iTunesで音楽を取り込む。高性能ドライブによるビットパーフェクトリッピング

筆者なりにカスタマイズしたiTunesの画面

 さて、冒頭から私ごとで恐縮ですが、ちょうど連載のはじまるタイミングで10数年ぶりにクルマを新調。最近のクルマの進歩には驚くばかりだが、今時のクルマは当たり前のようにセンターのアームレストのボックスの中にUSB端子が装備されていて、ステアリングホイール内のコントロールボタンと音量ボタンで音楽を自在にコントロールできる。今までこのような便利機能とは縁がなかったが、使ってみてドライビングが音楽中心に回り始めるようになった。前車追随のオートクルーズコントロールと合わせて渋滞が楽しい、とはいえないまでも少し待ち遠しいような気分に。改めてiPhone、iOSデバイスによるエンドレスミュージック再生の魅力を認識。クルマとオーディオの関わり方はどんどん進化していく、と実感した次第だ。

星の数ほどあるiPhoneのカー用ホルダーの中でもこれだ、と思ったのが槌屋ヤック(http://www.yacjp.co.jp/)のドリンクインTELホルダー「PZ-580」。これ自体がドリンクホルダー形状になっていてクルマのドリンクホルダーに差し込むだけでOK。すっきり収まり機能を邪魔しないすぐれた製品だ

 さて、今回はクルマの中でiPhoneをよい音で聞くための第一歩をスタートさせよう。その前に用語の整理を。CDにはさまざまな規格があるが、本連載では音楽アルバム作品などとして売られているCD-DA記録されたCDを「音楽CD」(いわゆるRed Book規格)、PC用ソフトやプログラムなどがあらかじめ記録されたCDを「CD-ROM」(いわゆるYellow Book規格)、CD-RやCD-RWなど記録可能なCDを「記録形CD」(いわゆるOrange Book規格など多数)と記載していく。

 手持ちの音楽CDの楽曲をiPhoneやiPad、iPodに転送するためには、PCにアップルが無償で提供する「iTunes」を使用する。iPhoneで音楽を聞くには「iTunes Store」で音楽を購入するかiTunesでPCから転送するのが代表的な方法なので、iPhoneでの音楽再生を極めるということはiTunesをいかに使いこなすかにかかっているといえる。

iPhoneに音楽を転送するには「iTunes」を使用する。転送はケーブルを使用せずWi-Fiで行うこともできるがケーブル接続よりかなり時間がかかるので、転送する楽曲が多い場合はケーブルの方が確実だ

 まずは転送したい音楽CDをPCにセットする。「iTunes」を起動するとその音楽CDが認識され、インターネットにつながっていればタイトル名などが表示されるはずだ。準備ができたら「インポート」のマークを押すと取り込みがはじまる。音楽CDのリッピングだ。「リッピング」とは音楽CDなどのデジタルディスクから信号をデジタルのまま読み取ることで英語のrip=「切り裂く、引き裂く」が語源となっている。音楽CDからデータを引きはがすイメージなのだろう。

たいていの市販音楽CDであればタイトルや楽曲名が表示されるはずだ。「インポート」を押すとチェックの付いたトラックのリッピングが開始される

 iTunesはこれ1つで音楽CDのリッピングから、楽曲の管理、再生、iTunes Storeでの楽曲の購入、そしてiPhoneへの転送まで可能な守備範囲の広いソフトだ。アップル製品の常でiTunesもバージョンが進化するごとにインターフェイスが大胆に変化し、2012年にリリースされが現行のバージョン11はとてもシンプルな画面になった。そのためとっさに操作方法が分からない場合もあるだろう。音楽をたくさん管理する時はこのページのトップに掲載した以前のクラシック画面の方が扱いやすい。クラシック風の表示にするには

1.画面左上にある「スイッチ」の下矢印をクリックして、「メニューバーを表示」をクリックする。

2.表示されたメニューの中の「表示」から「サイドバーを表示」をクリックするとサイドバーが復活する。

3.「表示」→「カラムブラウザ」→「カラムブラウザを表示」をONにすると曲を表示させたリストの上部に「ジャンル」「アーティスト」「アルバム」でセレクトできるリストが表示されるようになり、特に大量の楽曲を管理するときに便利。

 あとはどんどん音楽CDを取り込んでPC内にミュージックコレクションを作る。iTunesストアのアカウントを登録しておくとアルバムジャケット写真(アートワークと呼ばれる)が自動で付くが、実際には存在しない場合も多い。そのような時は、iTunesのアルバムの「情報を見る」画面の中にあるアートワークのフレームに適切な画像をドラッグする。さて、音楽コレクションが整ってきたらiPhoneを接続して「同期」を行う。iPhoneの空き容量に余裕があればライブラリをそのまま丸ごとコピーしてもよいし、ジャンルやプレイリストをセレクトしてライブラリの一部を転送してもよい。

 以上が作業の流れでシンプルなものだ。

 iTunesの「編集」→「設定」→「一般環境設定」メニューの中には圧縮率や圧縮コーデックを選ぶメニューがあり気になるところだが、今回は前段階として音楽CDのデータをいかに正確に読み取るか、について考えてみよう。

音楽CDの読み取りにはエラーがつきまとう

 音楽CD(CD-DAフォーマットで記録されたCompact Disc)にはデジタルで音楽データが記録されている。デジタルというのは「1」か「0」で表現されるデータで、その最小単位が「ビット=bit」だ。

 音楽CDに記録される60分のデジタル音楽データは約50億ビットのデータでできている。実際に音楽CDとして記録する際には確実に読み出しできるように様々な信号処理を施して記録するので、音楽信号がそのまま1か0で記録されているわけではない。最終的に音楽CDプレーヤーから出力される時には元の音楽データーと全く同じ50億のデータの流れが再現されなければならない。できることであれば1bitの誤りもなく。これが音楽CDのテクノロジーだ。

 データが1ビットの誤りもなく完全に再現できることを「ビットパーフェクト」という。これは大変に難しいことで、実は音楽CDの再生においてはビットパーフェクトは保証されていない。多少のエラーは許容されているのだ。普通に使っていても避けることのできない盤面の傷、汚れ、あるいは読み取り時のちょっとした振動などで読み取りエラーが発生する。しかし、エラーのたびに演奏をストップさせたり大きなノイズが入るようでは実用にならないので、うまく読めない場合は記録されている訂正用データをもとに訂正処理を行い、何事もなく再生が進むようになっている。音楽CDに記録されているデータにはこの訂正に必要なデータも含まれているのだ。

CDはピットと呼ばれる1mmの約2000分の1のとても小さな凸凹にレーザー光線を当てて、その反射でデータを読み取る。ピットが並ぶトラックの間隔が光の波長ほどの小ささで、その間隔が一定なので光が反射するとき虹色に見える

 このような音楽CDのエラー訂正技術は「CIRC(Cross Interleaved Reed-Solomon Code)」と呼ばれる。音楽CDが開発された1980年代の技術とのバランスでは非常によくできたシステムで“たいていの”エラーは瞬時に訂正できるようになっている。エラーの訂正の方法にはC1とC2という2つのパターンが想定されていて、ちょっとした傷、汚れ、振動といったエラーはこの訂正範囲に収まり元のデータをそのままに復元が可能だ。C1、C2エラーの範囲内でリッピングができればビットパーフェクトなファイルを再現することが可能だ。

 しかし非常に大きな傷など、エラーが長時間連続すると完全な訂正が不可能なケースも発生する。これはCUエラーと呼ばれ、データの完全な復元は不可能だ。しかし再生中の音楽を止めるわけにはいかないので、この時は前後のデーターを適宜切り貼りして「補完」を行う。補完作業は人の耳に気づきにくいように欠落部分を本来存在しないデータで埋めるのだが、上手に処理されるのでたいていは気が付かないが、まれにノイズや音質の変化として聞き取れる場合がある。いずれにしてもCUエラーが発生するとビットパーフェクトではなくなる。

 このように音楽CDはCUエラーにより読み取りが不完全でも音は出て、リッピングも成功する。しかしCUエラーの発生は決してまれなことはなくビットパーフェクトであることは保証されていない。たいへん気になるところだ。誰しもできればオリジナルと同じ状態で読み取りをしたいと思うことだろう。

 ちなみにCDにデータやプログラムを記録する「CD-ROM」形式の場合は、エラーがあっても1bitたりとも勝手に補完することは許されないので、音楽CDとは異なる厳重なエラー訂正方法が用いられる。このためエラー訂正用として音楽CDより10%以上多いデータが記録されている。74分の音楽CDを非圧縮のWAV信号でリッピングして、そのファイルをCD-Rなど記録形のCDにコピーすると1枚に収まらなくなるのはこのためだ。

●CDのbitレートと容量について(DOS/V POWER REPORT Q&A COLLECTION 2006年)
http://home.impress.co.jp/magazine/dosvpr/q-a/0006/qa0006_3.htm

独自技術であるパイオニアのピュアリードでビットパーフェクト

 筆者はホームオーディオでは数年前からネットワークオーディオに取り組み、長年にわたり集めた音楽CDを少しずつリッピングしてデジタル化し現在約700枚分のデータ化が完了したところだ。

 手間と時間のかかる作業なので、どうせやるならベストを尽くしたい。ということでリッピング専用のデスクトップPCを用意して、音がよいと評判のヤマハ製やプレクスター製の音楽CD専用ドライブを購入。リッピングソフトにはCUエラーを検知すると再読み取りコマンドを発行してリトライをくり返し、正確なデータが読み取れるということで定評のあるドイツ製の「Exact Audio Copy」(http://www.exactaudiocopy.de/[英文])というソフトを長年にわたり使ってきた。これでホントに音が正しくなったのか検証は難しいのだが、ともかくも「ビットパーフェクト」をめざして一生懸命歩んできたつもりだ。

 しかし、このような努力は必要なくなっているらしい。

 今回、パイオニアから発売されているワイヤレスタイプのポータブルブルーレイドライブ「BDR-WFS05J」を使う機会を得た。薄型でスタイリッシュなスロットイン式のドライブをクレードルにセットするとワイヤレス対応になる、ということで方面から注目を集めているモデルだ。

●BDR-WFS05J
http://pioneer.jp/av_pc/pcperipherals/bdd/products/bdr_wfs05j/

パイオニア ワイヤレスポータブルBDライター「BDR-WFS05J」。軽快なスロットインドライブとワイヤレス接続で、ブルーレイを含むさまざまな光学ディスクを自在に楽しく再生することができる

 パイオニアが以前より「PureRead(ピュアリード)」という音楽CDの音楽データを正確に読み取るテクノロジーを自社ドライブに採用しているのは知っていたが、ブルーレイドライブは高価で音楽CDのリッピングには不要だと思っていた。しかし、最近ではもはやCD専用ドライブは入手困難で、一方でブルーレイドライブの価格もずいぶん下がり、モデルによってはDVDドライブとあまり変わらなくなった。「BDR-WFS05J」はワイヤレス対応ということで若干高価だが、同等の機能を持つUSB接続のポータブルタイプや、デスクトップPC内蔵用など豊富なラインナップがあるので選択の幅は広い。もはやブルーレイを特別視する必要もない時代なのだろう。

 ピュアリードはドライブを自社で開発・生産しているパイオニアの独自の技術で、人工知能的な動作により完全訂正が不能なCUエラーが発生しそうな状況を事前に自動検出し、読み取り方法を変化させながら何度か同じ場所を読み込んで(リトライ)できるだけCIRCで訂正できるようにする。ドライブ自身が判断して自律的に最適化を行っているのがポイントだ。

 注目すべき点はドライブ自体にハードウェアとして機能が組み込まれているので、どのようなリッピングソフトを使ってもビットパーフェクトに近づける点だ。今までの作業のスタイルを変えずにドライブだけで精度が高められる。もちろんiTunesを普通に使っていても効果が期待できる点が素晴らしい。

ピュアリードの技術紹介は下記のページで見ることができる。
http://pioneer.jp/av_pc/pcperipherals/dvdrrw/pureread/

 ピュアリードは同社製DVDドライブにも搭載されているが、BDドライブには「PureRead 2+」という進んだバージョンが設定されていてユーティリティソフトで設定したモードをドライブ本体にメモリできる。従来モデルと異なりその都度設定をしなおす必要がなく利便性が高まった。Windows PCはもちろんMacintoshにも対応している。

「BDR-WFS05J」は、ポータブルドライブ部、無線アクセスポイント機能を持つワイヤレスドックと電源で構成されている。ドライブはドックにはめ込んで立てても、ドックの上に横置きしてもよい。ドライブはバスパワー対応のため、USBケーブル経由で直接PCに接続も可能。ワイヤレスドックのない単体ドライブとしても発売されている

ピュアリードの実力

 それでは実際のリッピング作業を通じてピュアリードの実力を確認してみよう。BDR-WFS05Jはワイヤレスドライブとしての魅力が大きく、付属のアプリのインストールもカンタンで手軽にワイヤレスでブルーレイディスクを楽しむことができるが、ワイヤレスドライブとしての使い勝手は他のレビュー記事に譲り、ここではUSB接続による音楽CDリッピングツールとしての実力を検証したい。

 最初に「ドライブ設定ユーティリティー」をインストールして、ピュアリード機能をONにする。ピュアリードには「マスターモード」と「パーフェクトモード」、とよばれる2つのモードがある。音楽CDの読み取り中にリードエラー検知するとドライブが自分自身の動作状態を変えながらエラーが出ないように何度も読み直してC1、C2エラーとして処理するように試みるのが共通の基本動作だが、どうしても読み取りが不可能なCUエラーに遭遇したときにマスターモードとパーフェクトモードでは動作が異なる。

 「マスターモード」はどうしても読めない=CUエラーと判定されると、ここでデータの「補完」を行い、ともかくもリッピングを続行させる。最大限努力するがどうしてもダメな場合は従来の手順で処理して先に進む実用的なモードだ。従来のリッピングよりは確実に精度が高く、マスタ素材としてのクォリティーを確保する、ということだ。

 一方の「パーフェクトモード」はCUエラーと判定するとそこでドライブを止めてリッピングをやめてしまう。名前のとおり完璧を目指すモードだ。ゼロか100か。完璧でなければやめる、というやや過激なモードだ。

ピュアリード機能は初期設定ではOFFなので、ドライブユーティリティーで「パーフェクトモード」か「マスターモード」を選ぶ。設定はワイヤレスではなくUSB接続が必要だが、ドライブに設定値が記憶されるので設定を変える時だけPCにつなげばよい

 さて、手持ちのディスクの中から古いディスク、輸入盤、キズのついているもの、何となく直感で読み取り難しそうだなあというものを5枚ほど選び、今回はハードルの高い「パーフェクトモード」で読み込ませた。

 すると5枚中4枚が読み取り不能で途中でストップ。パーフェクトモードで読み取りできなくなるとドライブのランプが消えてオフになりPC側からは「応答なし」となり、そのアプリケーション内ではマウスカーソルが砂時計になる。

 そのままではディスクのイジェクトもできず先に進めないので、一度USBを抜きリッピングアプリを終了させて、再度USBを挿入してエクスプローラーで残ったディスクの取り出しを行う。アプリケーションによってはリッピング中にドライブが見えなくなるとアプリの強制終了や再起動が必要となる場合も考えられるので、パーフェクトモードを使用するときは他のアプリケーションはすべて終了し、必要なデータは保存しておくとよい。

 しかし、古くて問題がありそうなディスクをセレクトしたとはいえ、5枚中4枚読み取り不能というのは大変な比率で少なからずショックを受けた。ダメだったディスクは、キズが多い物は当然として、一見したところ問題なさそうなディスクについては国内盤、輸入盤ともに1980年代後半の古いディスクだ。古い輸入盤は製造技術が劣悪なのも多く、太陽に透かして見ると小さなピンホールがたくさん見え、偏心がひどく、盤面にムラ状のものが見えたり、と気になるものも多いが、今回改めて問題が確認されたわけだ。

読み取りできなかった4枚のディスク。1枚はキズ、汚れが激しいものだったが、残りの3枚はちょっと見る限りは問題はない外観だった

 さて、このあとどうするか、というのが問題だ。ピュアリードのパーフェクトモードはエラーは排除してくれるが、エラーを直してくれるわけではない。

 テストした範囲で分かるのは、一概には言えないものの読み取りがストップするのはディスク後半から最後にかけてのトラックが多かった。音楽CDに限らずCDはディスクの内側から外側に向かって読み取りを行うため、ディスクの中心部を押させるクランパー部分から離れた外周部はディスク面の「振れ」が大きくエラーが発生しやすいのだろう。読み取りが難しくなるとリトライを繰り返すので読み取りスピードが目に見えて遅くなり、完全に止まるまでには場合によっては数時間というたいへん長い時間がかかる。しかしエラーでストップするまでのトラックは正しく記録されている。

 ここで考えられる選択肢の1つは“ディスクを磨いて再チャレンジを試みる”ということ。しかし大変時間がかかる可能性もあり、うまくいく保証はない。つらい作業だ。

 “ディスクを買い直す”というのも1つの方法だ。明確にキズや汚れがある場合はこの方法になるだろう。どうしても完璧を目指したいのであれば買い直しになるわけだが、そこまでこだわらない、あるいはディスクが廃盤で手に入らない、という場合はマスターモードに変更してエラーを起こしたトラック以降を読み直すという方法もある。ビットパーフェクトでないトラックが含まれることになるが現実的な方法だろう。リッピングそのものをあきらめる、という考えもあるかもしれないが、最近のロスレスブームでいつかハイレゾファイルとして配信される可能性もあるので気長に待つ、という選択肢もあるかもしれない。いずれにしても音楽資産である音楽CDを完全な状態で保存することの重要性と難しさを新たに認識した次第だ

より正確なリッピングのために

 高品位な音楽再生の道はディスクの読み取りの時点からスタートする。その1つのプロセスが今回紹介したピュアリードドライブの利用であるが、既存のディスクドライブでも読み取り精度を高める方法はある。

 iTunesの場合「編集」→「設定」→「一般環境設定」の「一般」タブにある「インポートの設定」の中に「オーディオCDの読み込み時にエラー訂正を使用する」という項目がある。C1、C2の軽微なエラー訂正はドライブ内で自動的に行われるが、CUエラーが発生したときにこのオプションがONになっているとドライブと協調して読み取りできない個所を何度も読み直しを行う。ピュアリードほど効率はよくないが、よりビットパーフェクトに近づくことができる方法だ。前述の「EXACT AUDIO COPY」のような定評のあるリッピングソフトを使用することでも読み取り精度を高めることができる。しかし、いずれも読み込みに時間がかかったり、使いこなしがやっかいだ。

iTunesのインポートの設定にある「オーディオCDの読み込み時にエラー訂正を使用する」という項目

 パイオニアのピュアリード搭載ドライブは機能がハードウェアに組み込まれているので、環境を選ばずすぐに適用できるのが便利だ。外部のソフトと連携することなくドライブ内部で処理されるのでおそらく処理速度も速い。最近はドライブレスのノートPCも増えているので、このドライブを購入して外部ドライブとして広く活用するのは1つの方法だろう。すでにドライブがついているデスクトップPCなどでも最新のブルーレイプレーヤー、レコーダーという本来の魅力的な機能のために購入してみてもよいだろう。

 光学ドライブの読み取り性能は大幅に進化し低価格化も進んだ。かつては大げさなハードウェアとアプリーションを使用して目指したビットパーフェクトのリッピングも、いまではワイヤレスのスリムドライブで達成できてしまう。時代の変化を感じる次第だ。さて、ピュアリードの「パーフェクトモード」でひっかかったディスクをどうするかについてはこれからゆっくり考えることにしよう。

 次回はリッピングの際に重要な圧縮フォーマットの選定、ビットレートといった話を中心に進めていく予定だ。

三宅 健