編集後記 (1月23日) |
ニャーン!!! |
大久保有規彦(ohkubo@impress.co.jp) |
とくに次期社長が、T型フォードを中心とした自動車史を引用しつつ、“21世紀には自動車産業はもう必要ないと言われるかもしれない瀬戸際”と言ったのは、今回の危機を一時的なものでなく、構造的というか歴史的必然として見ておられるようで印象的でした。 自動車の個人所有なんかとっくにダサいことになっちゃってる都会に住んでいると、私たちが幸せに青春時代を送ってきた20世紀のような、自動車が“産業のスター”でいられた世の中はもう来ないという予感がするのですが、次期社長の会見でそれがはっきりしたように(勝手に)思ったのでした。 とはいえ我々クルマ好きは、自動車がスターであっても大部屋俳優であっても、「クルマ好き」でいるしかないわけです。好きになっちゃったんだもん。スターじゃなくなった自動車と、どんな生活を送っていくのか。今までよりはクルマ好きでいるのが大変になるのかもしれませんが、それはそれで楽しいこともあるのではないかと思っています。次期社長が国際C級ライセンスを持ってるくらいのクルマ好き、ってのも心強いじゃないですか。 もっとも新大統領は「We will harness the sun and the winds and the soil to fuel our cars」なんて言ってるし、なにかのブレークスルーがあれば、またクルマがスターに返り咲いちゃうかもしれませんわね。ところで「soil」って、石油も含まれるんすか? | ||
田中真一郎(tanak-sh@impress.co.jp) |
最近あれこれ考えるのは地方の高速道路料金が上限1000円となったら何が起こるのだろうということ。そもそも地方と限定されているようで、日本第3の都市である名古屋は地方扱いで、東名ならば厚木以西は地方。実質的にほとんどの人が(ETCが付いて入れば)この恩恵を受けることができるだろう。 ガソリンなど燃料価格の問題もあるにしろ、1人で乗るときにさえ交通機関としての魅力が圧倒的に高まる。2人でどこかに出かけるならば、もうこれは圧倒的にクルマが安い。これが素直にクルマの利用増加につながるかどうかは、昨今の景気指標を見る限り微妙とも思えるものの、年末年始の交通利用動向を見る限り、ゴールデンウィークには圧倒的にクルマででかける人が多くなるのは確実。 子供時代の記憶を探っても、まだ東名と名神しかないような時代に、家族で東京から広島まで毎年夏に里帰りしていたときで、名神の終点である東京-西宮までが確か6200円だったような、なかったような。その後国道2号で広島まで帰るか、大阪からグリーンフェリーに乗るかで親が悩んでいたのを覚えている。どこまで行っても1000円ならばこんな悩みを持つ必要もなく、家族旅行を存分に楽しめる。 これだけ高速道路が張り巡らされた現在、この高速道路料金は壮大な社会実験となるのは間違いないし、その動向がとても楽しみ。日曜日までパブリックコメントを受け付けているので、さらなる要望や意見がある場合応募してみてほしい。 関連記事 |