編集後記(2009年11月6日)

 この仕事をしていると、当然さまざまなクルマに乗る機会があります。そうすると当然ここが便利だとかあそこがダメだとか始めるわけですが、実際に自分が欲しいと感じるクルマはというと、便利さなんてのは二の次で、走って楽しいクルマにばかり目が行ってしまうわけです。

 以前、レーダークルーズやレーンキープアシストなど最新装備満載のミニバンで四国まで走った際、帰りにはへろへろで、さまざまな運転補助機能を便利でありがたいと思ったものです。しかし、先日愛車のロードスター(NA型)で九州まで走ってきたら、疲れるどころか最後まで運転が楽しくてしょうがない。乗り心地でも静粛性でも車内の広さでもパワーでも及ばず、もちろん運転をアシストするものはABSさえ付いていないロードスターですが、結局運転の楽しさがすべてに勝ってしまったと。

 最近は運転が“楽になる”クルマばかりが重宝がられますが、本当に必要なのは運転が“楽しくなる”クルマなんじゃないですかねぇ。

瀬戸 学


 先日、知人と餃子を食べに行こうという話しになり、宇都宮に足を伸ばしてきた。実際に動き出した時間は夕方だったので、有名なお店の営業時間(だいたい20時くらい)には間に合わない感じ。それを承知で現地に行くと、駅前に「餃子」の看板が連なっているのが見えた。さっそくクルマを停め、歩いて周辺をチェック。

 まあ餃子なら2件くらいハシゴってもいいでしょってことで、行列ができていたお店があったのだが、そこは後で行くことにして、まずはどこか別のところで腹ごしらえしようという話しになった。

 せっかく来たのだからチェーン店はないよなあと、駅前周辺に点々とある「●太」は避けた。ダラダラ歩いていたら、「餃子」とのみ書かれた看板があったので、レッツ入店。

 にんにく餃子、紫蘇餃子、椎茸餃子、栃木のニラ餃子など、豊富なラインアップ。ほほう、どれにしようか悩んでいたら、メニューの端っこに「●太餃子」。一同ズッコケ。ここ●太だったのね。

 とはいっても別に味が悪いわけでもなく、さらに次のお店のもちもち餃子もナイステイスティング。さすが宇都宮! でも、なんで宇都宮の餃子が有名なんだろうかと思ったら、宇都宮餃子会というのが約20年前くらいに発足されて、積極的に観光PRを行っているかららしい。

 ちなみに今週末、年に一度の餃子ファン感謝デー「宇都宮餃子祭り」が行われる模様なので、B級グルメ派の方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

小林 隆


  WTCCとアジアン・ル・マンひっそりと成功し、東京モーターショーに人が来ないまま終わり、F1からいろいろな会社が手を引き、レヴィ=ストロースと加藤和彦が死んでPerfumeのツアーが終わり、最後は蛇足だけど、いやはやなんとニュースだらけの10-11月だったことか。

 そんな中、個人的にもっとも印象的だったのが、地味ながらフォルクスワーゲンのシンポジウム(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20091023_324127.html)。いろいろな方に記事をご評価いただいたことも記憶に残った原因の1つだけど、なにより、フォルクスワーゲンが未来予測のための部署なんてものを持っていて、その予測ぶりもハンパじゃないというのが非常にインパクトが大きかった。地球環境、国際情勢、人口動態、科学社会文化うんぬんかんぬん、ありとあらゆる分野の知力とさまざまなツールを駆使して、天才たちが来し方行く末を占っているわけです。あの大きな会社のどこかで。クルマのために。

 いつもの僕なら「クルマ」の前に「たかが」を付けるのだけど、このシンポジウムでフォルクスワーゲンの鬼気迫る姿勢に触れてしまうと、どうもそういう気分にはなれない。つまり、フォルクスワーゲンという会社の持つ迫力に気圧されてしまったということなのだけど、それと同時に、クルマというものの、ひいてはたくさんの人が暮らしていくということの困難を、ずっしりと感じるんですな。

 だからって世を儚んで遺書を書いたり天井からロープを吊ったりはしませんよ。我々には想像もつかないすごい頭脳の持ち主たちが「歓びに欠ける車は誰の役にも立たない」って言ってくれてることだし。

田中真一郎


  東名高速の有名な渋滞と言えば、上りの大和トンネルを先頭にしたもの。上り坂になっているからとか、トンネルで圧迫感を感じるからとか言われています。ただ、あまり触れられることが少ないのですが、24.8KPに建っているゲートを撤去すると、別の圧迫感が消え、渋滞も少しは解消するのではないだろうかと見ていて思いました。どうしてもゲートが必要なら、下り坂に設けたほうが速度抑制にもなり、安全性の向上につながるかと。

谷川 潔