編集後記(2010年1月22日)

 クルマ好きにとっては1年の最初のビッグイベントとなる東京オートサロンが閉幕。この不景気で出展社の確保にも苦労されたのでしょうが、終わってみれば来場者数は去年を上回ったとか。最近の新車はエコの話題ばかりですが、まだまだチューニングカーは熱いってことですかね。

 若者のクルマ離れと言いますが、地方に行けばバスなどの公共交通機関が廃止も続いているとのこと。それだけマイカーの普及率が増え続けていると言うことです。そしてクルマをカスタマイズして個性的に楽しみたいという人もまだまだいるということ。

 重いミニバンが優遇されて、軽いスポーツカーにはきびしいバカみたいな減税は止めて、若者にも買える安くて軽くて楽しいクルマが発売されれば、まだまだクルマ業界は捨てたモンじゃないと思います。とりあえずホンダのCR-Z、トヨタのFT-86に期待したいですね。

瀬戸 学


 先週末は幕張メッセで「東京オートサロン2010」が行われました。皆さん行かれましたか?  編集部は総出で取材に行ってきたわけですが、自動車不況と叫ばれる中、事務局によると来場者数は23万7954人と前年よりも3.8%増だったそうです。自動車本体の販売は厳しいやもしれませんが、アフターパーツはまだまだ盛況、といった感じでしょうか。

 今年はとくにエコカーが目立っていた気がします。トヨタやホンダブースに展示されていたそれは、アフターパーツメーカーの展示車を凌ぐ迫力で、非常に印象に残りました。エコカーの販売台数が増加するにつれて、これからエコカーのチューニングも盛んになったりして。密かに注目しています。

 展示車両で個人的に気に入ったのは、三重トップフューエルさんのS2000。筑波サーキットで55秒って……すごすぎ!

小林 隆


 盛り上がっていた東京オートサロンを横目にデトロイト取材を敢行してきました。デトロイトも盛り上がっておりましたが、それだけに、あの誰も来なかった(に等しい)東京ショーを開いてしまった国に住む者としては、我が国の将来が世界にどう見られているのかが非常によく分かってしまい、暗然とせざるを得ないわけです。

 とはいえ暗い顔をしているだけでは何も改善されないので、とりあえずまずは景気のいいムービーなど。

 

 なにバカやってんだ?って思いました?これ、久保田弘成さん(http://www.roofhp.com/kubota/)という美術家による、れっきとしたアート作品「Berlin Hitoritabi」でございます。回っているのはトラバントで、トラバントを回す原動力はトラバントのエンジン。余計な解説はいたしません。1月23日16時から、神奈川県民ホールでこれを見るラストチャンスがあります。見に行ってください(ちなみに僕が見に行ったときは、回す前にトラバントの車体に触らせてくれました)。そして「考えるな、感じるんだ!」というわけです。スゴイっすよ。久保田さんのサイトのトップには、フォード・トランジットを回してる写真がありましして、こっちも見たいですな。今度の東京ショーはこういうのを並べようよ。ずらっと。んで、即売すんの。

田中真一郎


 先週は東京オートサロンの記事作成の関係で、編集後記をお休みしました。で、今回はその東京オートサロンのことなど。

 東京オートサロンの出展社で一番力が入っていたのがトヨタ。とくに東京モーターショーで出展されたばかりのFT-86がターボ化されていたのには驚きました。このクルマは自然吸気のよさと、部品点数を抑えることでの低価格を目指していると思っていたのですが、ターボ化までを念頭に入れて作られていくのでしょうか。

 搭載される水平対向エンジンは、スバルの手持ちのエンジンを考えると常識的に考えてEJ20系。EJ20は、すでに高ブースト時のノウハウがある程度確立されているエンジンですが、果たしてFT-86にそれが望まれていたのだろうかと思うことしばしば。新世代のFRカーらしく、ターボや大きなインタークーラーなど重くなりがちな補機類を使わずとも楽しめるクルマになるのかなと思っていたのですが。

 加速や減速、コーナリング性能など、重量を軽くすることはすべてによい影響を与えるので、現代のクルマとして必要な安全性能を確保しつつ、なにをするにもエネルギーが小さくてすむようなクルマとしてデビューしてくれればと期待しています。

谷川 潔