編集後記(2010年2月5日)

 トヨタの説明によれば、プリウスのブレーキが効かなくなる原因はこういうことらしい。滑りやすい路面でブレーキをかけてタイヤがロックすると、ABSはブレーキの油圧を弱めてロックを解除する。これは普通のクルマも同じ。プリウスの場合は、ブレーキに油圧と回生の2つを併用していて、ABSが作動する時には回生ブレーキは制動をしなくなる。つまりABSが作動して油圧ブレーキが制動力を弱めるのと同時に、回生ブレーキも効かなくなり、結果ドライバーは空走したように感じてしまう。

 各誌のこの件の報道を見ると、まるでリコール秒読みのような空気を感じるが、トヨタの説明が正しいなら、僕はリコールにはならないと思う。

 初めてABSが登場したときも、作動したときの振動から故障じゃないかと不安がられた。エアバッグが登場したときも、エアバッグが眼鏡に当たって怪我をしたと騒がれた。回生ブレーキも新しい技術なんだから、ユーザーはある程度寛大な気持ちで見守ってほしい、と言うのが僕の感想だ。

 ただしトヨタに対しても言いたい。ユーザーにはそんな技術的な話は分からないんだから、できる対策があるんだから、今すぐサービスキャンペーンを始めて、対応するべきだ。ソフトウェアの書き換えだけなら、そんなに手間はかからないはずなんだから。

瀬戸 学


 今朝、とある理由で兄の車で山手通りを走行中、突然車がスタック。

 以前よりトランスミッションの不具合で調子がよくなかったようなのだが、何も自分が乗っているときに止まらんでも。PからDに入れても4も3も2もうんともすんとも言わない。

 仕方なくレッカーサービスを呼んで、少し離れた自動車修理工場に入庫し、一旦は事なきを得た。

 しかしすぐにオーバーホールか載せ替えかの選択を迫られよう。いずれにしてもお金が飛ぶ……。

 それにしてもレッカーサービス呼んだの人生で初めてかも。昔、やはり山手通り走行中にバッテリーあがりでストップしたときがあり、そのときは近所のガソリンスタンドでサイズのあうバッテリーが売っていたので対処できたが、今回はそうはいかない。いやあ、ホント参りました。

小林 隆


 31日の日曜日にお台場で開かれた日本クラシックカー協会のニューイヤーミーティングというものを初めて覗いたんですが、えらく盛況で驚きました。出展者のみなさんもアツくて楽しゅうございましたが、ジマンの旧車で会場に押し寄せたみなさんのクルマも実に興味深いものばかりで。愛車を覆面パトカー仕様にしちゃう人ってのは知ってましたが、タクシー仕様にする人ってのもいるんですね。あの、タクシーにごちゃごちゃ貼ってあるステッカーの類がちゃんと再現されてるの。あと、わが母校に自動車部なんてものがあって、立派なクラシックカーを保有しているというのも知りませんでした。どこに隠してあったんだろ。

田中真一郎


 国土交通省から「高速道路無料化社会実験計画(案)」が発表された。

 高速道路無料化の趣旨は、無料化することにより、物流コスト・物価を引き下げ、地域と経済を活性化するというものだったはず。この実験計画を見る限り、幹線を外し、枝線のみが対象となっているため、どのくらい経済効果が出るのだろうか。

 料金プログラムの書き換え、さまざまな準備、その後の効果の測定などを考えると、1000億円という予算で北海道のみすべて無料という実験のほうが、減らされた予算を有効に使え、分かりやすい実験結果が出たと思う。現在の国会の議席数を考えると、ほぼこの案どおり決まるのだろうが、せっかく税金を投入して行う実験だけに、今後全面無料化するにしろしないにしろ、有益な結果が出ることに期待する。

 残った課題は割引制度。一部無料化で割引制度はなしということになったら、経済効果を得るどころではないだろうな。と、考えてしまうほど、夜間割引に代表されるここ数年の割引制度の恩恵を受けてしまっている自分にふと気がつく。

谷川 潔