編集後記(2010年4月9日)

 高速道路料金。上限2000円というのは、およそ2割程度の人が達する金額ということで設定されたそうです。つまり8割の人は、わずかに暫定で残されたその他の割引以外、恩恵は受けられないということ。

 マイレージ割引も、もともと割引のあったハイウェイカードが廃止されるにあたって、代替案として用意されたようなもの。利用者はやむを得ずETC車載器を導入(当時は車載器の割引もあまりなく、高い金額を払った)したのに、そのサービスさえなくしてしまうって、どうなんでしょう。

 分かりやすく、且つ平等な割引というなら、一律何割引かにすればよいと思うんですけど。

 話は全く変わって私ごとですが、今回の編集後記で最後になります。短い間でしたが、Car Watchでは本当にいろいろな経験をさせていただきました。今後は違う形で協力できることがあればと考えております。

 読者の皆さまにおかれましては、これからも引き続きCar Watchをご愛顧いただきますよう、心よりよろしくお願い申し上げます。

瀬戸 学


  今週から交通安全週間が始まりました。水曜日にクルマに乗る機会があったのですが、PCや白バイを5分おきに見たような(笑)。

 何も悪いことしていないのに、カチカチに緊張しちゃいましたよ。最後に違反をしたのは2006年5月。次の免許更新でゴールド免許を狙っている身としては、ここでやらかすわけにはいきません。そうだ、しばらく運転するのやめればいいのかって、それじゃあ仕事になりませんな。

 瀬戸さん、ご苦労さまでした。

小林 隆


 短い間でしたが瀬戸くんお疲れ様でした。

クーンズとM3 GT2。後ろにあるのがアートカーのイメージ

 さて、今週はニュースを書こうと思って果たせなかったトピックスが1つあって、それはBMWの17番目のアートカーのこと。ル・マン24時間レースにエントリーする「M3 GT2」をペイントするのはジェフ・クーンズという現代美術家でして、そのコンセプトが発表されました、という奴→http://bmw-motorsport.com/ms/en/news/current/2010_04/2010_04_07.html?lity=tn_ms_sp_2_1_M

 実は私、90年代初頭の、チッチョリーナと結婚したクーンズのインパクトがデカすぎるシリーズとか(この作品の詳細はよい子のために秘しておきますが、悪い子は“Koons Made in Heaven”で画像検索してみてね)、マイケルとバブルス君をネタにしたキラキラな彫刻しか知らなかったハンパな現代美術ファンでして、このニュースを目にしたときは「それでいいのかBMW!(でもキライじゃないよそういうの)」と思ってしまったわけです。んがしかし、クーンズもいまや大作家なんですね。失礼しました。ポンピドーセンターでの実車のお披露目に期待しております。

 ところでBMWのアートカーシリーズで個人的に最も好きなのは、15番目の「V12 LMR+ジェニー・ホルツァー」でして、レーシングカーに「PROTECT ME FROM WHAT I WANT」なんて書き込むなんざ、シャレが効きすぎというか、こういう車がサーキットを走る姿は悲愴を通り越して滑稽ですらある。そのほかのホルツァー作品すべてと同様に“現代美術ってええのぉ”と改めて思わされる大傑作だと思うのであります。インタビュー映像でジェニー・ホルツァーが「ペイントするならレーシングカーよ。美しいから」などと、いけしゃあしゃあと笑顔でよい子発言しているあたりもサイコーです。結婚してくれジェニー。

 


 我が家にE90を導入するにあたって白を選んだのも実は、“いつかジェニー・ホルツァー仕様にしちゃる”という密やかにして遠大な計画の第1歩だったりするわけですが、クーンズ仕様もよさげだねぇ。ベースカラーが黒みたいだけど同じ3シリーズだし……その前に、出張から帰ってくるたびに増えている妙なキズをどうにかしなくちゃ(泣)

田中真一郎


 今日のトピックスは、6月から始まる新高速料金制度だろう。昨年の今頃は上限1000円の話題が多かったが、1年たって普通車の上限は2000円となる。東京に住んでいると大都市圏の料金が加わるため、休日に遠くに出かける際はそれほど変わらない料金なんだなと感じられる程度の料金に設定された。

 ただ、高速道路料金が割引になっても、途中でICを下りると料金が変わってしまう制度ではなく、乗り降り自由な制度が導入されたらと思う。割引額が多いほど高速道路にしがみついてしまい、結果渋滞しているのが現状ではないだろうか(交通分散の観点から平日も同じ割引額になったのはうれしいところ)。

 乗り降り自由であれば、東北自動車の有名渋滞ポイントである矢板付近にしても、渋滞していた場合いったん高速道路を下り、宇都宮付近で餃子を食べて、再度適当なICから乗るということができる。そのほうが今よりも地域の活性化につながると思うし、自由な移動手段でもある車のメリットが活きるのは間違いない。

 もちろん、個人的にお金さえ払えば今でも可能なことだけど、料金体系=交通量のコントロールでもあるので、今回の平日分散の効果を見極めて導入へもっていってほしいところ。ただ、日本は赤字国家なので、高速道路に税金をつぎ込んでも、それ以上に税収が上がるような施策でなければならない。渋滞が減ってガソリンの消費量が下がり、なおかつ地域経済が活性化し、移動費が減ることで多くの観光客が世界中から来る……、なんて具合には簡単にいかないっすね。

 瀬戸君お疲れ様でした。

谷川 潔