編集後記(2011年9月2日) |
(作業中) |
小林 隆 |
知り合いの知り合いが、本当にパリからダカールへ走っていた頃のパリ・ダカール・ラリーに、ランクルだかなんだかで出場したあげくに砂漠のどまんなかで立ち往生、何日も砂漠をさまよい歩いて九死に一生を得た、という話を聞いたことがある。フランスのTVニュースや新聞ではそこそこ大きくとり上げられた事件だったそうで、「九死に一生」は決して大げさな表現ではないそうな。 ここで「パリダカなんぞもうコリゴリ」と思うのが常人だろうが、この御仁は翌年のパリダカになんと4輪よりはるかに過酷な2輪で出場。その次の年はサハラ砂漠を横断するマラソンに出場、自分の足で砂漠を走りきったのだとか。 どんどん文明の利器を脱ぎ捨てていき、最後には自分の体力だけ。そんなマゾヒスティックなことが好きな人の気持ちはまったく分からない、と、夜の千鳥ヶ淵を流すクルマの窓から皇居ランナーをながめつつ、そう考えていたのは1年前のことだ。あの自分の足でサハラ砂漠を走る御仁のようなことは、スポーツを自分でやるのが大嫌いな自分には起こりようもない。そんなヒマがあったらビールを飲みながら映画を観るか、本を読むかだ。1年前の私はそう思っていた。 1年後、あの御仁のようなことが数万分の1くらいのスケールで我が身に起ころうとは、まったく想像できなかった。なんとなく山登りを再開し、毎晩5km歩き、たまに皇居ランナーの1人になろうとは。 では今ならあの御仁の気持ちが分かるのか、と言うと、やっぱり分からない。気持ちとか思考とか、そういうこととは全く別なところで、体が動かされている。我が身に何かが寄生して、そいつにコントロールされているみたい。すっげー美人以外の誰かに何かを強制されるくらい不愉快なことはない私だが、そういう不快感がないどころか、キモチよかったりするのも解せない。あのマゾな御仁もこんな感じだったんだろうか、なんて思う今日この頃。 |
田中真一郎 |
節電の夏が終わりかけ、涼しくなるはずの秋がやってきます。今年の夏は渋滞が増えた結果になりましたが、来年の夏にはいよいよ新東名の御殿場JCT~三ヶ日JCT間が開通し、渋滞状況に大きな変化が出ているはずです。 新東名は現在の東名よりも、構造的にも線形的にも高い速度規格で作られており、いまだに発表のない最高速度の設定値が気になります。最高速度100km/hであれば従来どおりですが、その構造上の特徴を活かして最高速度が引き上げられると、日本のクルマ作りの一段の進化が求められることになるかと。 そういう意味で、段階的でもかまいませんが、最高速度が引き上げられることを期待しています。 |
谷川 潔 |