編集後記(2011年12月9日)

 これまでモーターショーと言うと、大体プレスデーで完結してしまいますが、今回の東京モーターショーではたまたま平日の一般公開日を見学することができました。

 来場者を見ると、若い人から年配の方までさまざま。東京モーターショーの公式Webサイト(http://www.tokyo-motorshow.com/)を見てみると、平日も大体6~7万人の入場者数があり、これまでの幕張メッセと比べて会場の規模が異なるものの、平日も活気に溢れているのを目の当たりにしました。やはり東京開催だと皆さんアクセスがしやすのでしょうかね。20時まで開場していますし。

 ということで、皆さんご存じだと思いますが会期はいよいよ今度の日曜日(17時までですよ!)まで。まだご覧になられていない方は、ぜひ会場まで足を運んでみて下さい!

小林 隆


 11月21日の朝日新聞夕刊から連載が始まった伊坂幸太郎「ガソリン生活」は、なんと「クルマが一人称で語る」という小説で、いわば「吾輩はクルマである」といったところだが、同じ形式の小説がこれまであったかどうか、寡聞にして知らない。その内容は、クルマが眺める人間模様ということになるわけだが、初回から渋滞中や駐車中のクルマの“心境”がベストセラー作家らしい筆致で描かれていたりして、これがまたクルマ好きには非常に納得の行くものだからたまらない。

 なんて書いていながら、モーターショー取材のゴタゴタと、読み終えた新聞を保存しておくことができない家人のおかげで1週間分ほど読み飛ばしてしまい、いまひとつ流れがつかめなくなって、すでに単行本化待ちモード突入。あー、早く続けて読みたい。苦手なんですよ、新聞小説って。「あ、あのときのあれは伏線だったのか」と思っても読み返せないしね。

田中真一郎


  東京に帰ってきた東京モーターショーはとても好評のようで、平日でも77,000人入る結果に。累計でも900,000人に達しそうな勢いです。

 一般公開日(初日)にも行ってみましたが、イベント目当てに来ているような(おそらく)20代の人を多く見かけ、例年とは違う雰囲気。家族連れは例年同様見かけたものの、クルマにガンガンにつぎ込んでいるようなお兄さんは、あまり見かけなかったような気がします。

 残念だったのは、東京ビッグサイト前の車線を塞いでいた、黒塗りの送迎車の列。プレスデー2日間、一般公開初日、3日目と、その車列は変わらず交通渋滞の一つの原因になっているように見えました。どの業界の人々か分かりませんが、運転手付きでクルマを待たせているのは、それなりの地位にある人なんでしょう。おそらく1台も止まっていなければ、あのようなことにはならないのでしょうが、「みんなで止めればこわくない」みたいな止め方が、とくに残念でした。

 新しいクルマ社会を提案していくイベントである東京モーターショーだけに、次回はあのような光景を見ることのないよう、ちょこっとだけ努力してみます。

谷川 潔