【2011フランクフルトショー】
【その他メーカー】次世代のコンセプトカーからスポーツモデルまで百花繚乱

ボルボ、フォード、GM

フォードの次世代デザインを示した「Evos Concept」

2011年9月15日~25日(現地時間)
独フランクフルト
Messe Frankfurt



ボルボ
 ボルボが公開した「Concept You」は、オート上海でワールドプレミアを行った「Concept Universe」と同系列のエクステリアデザインを持った大型セダンのコンセプトカー。

 2台をよく見比べるとフロントダクトの形状や、ルーフからリアにかけての形状が変わっていて、よりクーペライクなデザインに変化しているようだ。

 ボルボの発表によると、「上海で公開したConcept Universeの評価を現地でリサーチし、その結果にアレンジを加えたのがConcept You。ファストバックスタイルのセダンは、現在の欧州のトレンドとなっているので、ユーザーに強い訴求効果を与えられる」とのこと。

 「Concept You」と「Concept Universe」は、ともにボルボの最上級セダンのコンセプトカーであることは間違いなく、現行のS80の上級モデルとしてラインアップする可能性があるのかもしれない。

Concept You

 ジュネーブショーで公開されたV60のプラグインハイブリッドも展示された。フロントは直列5気筒2.4リッターのディーゼルエンジンで駆動し、リアはモーターで駆動する4WDシステムを搭載。12kWのリチウムイオンバッテリーを搭載しており、モーターのみでも50kmのEV走行が可能だと言う。

V60プラグインハイブリッド
C30をベースにしたピュアEVの「C30エレクトリック」

フォード
 フォードは精力的に新型モデルやコンセプトカーの展示を行った。まず、ワールドプレミアとなったのはフォーカスのハイパフォーマンスモデル「フォーカス ST」。

 最高出力250PS、最大トルク360Nmの4気筒2.0リッター直噴ターボ「Eco Boostエンジン」を搭載。先代モデルよりもパワー、トルクともにアップしているが、燃費は20%以上も抑制したと言う。トランスミッションは6速MTになる。

 優れたハンドリング特性もフォーカス STの魅力の1つとしており、新開発の電動パワステ、3モードのESP、トルクベクトルコントロールなどの電子制御により、スポーティかつ安全に高次元のドライビングが楽しめると言う。

 フォーカス STはフォードの高性能マシンでは初のグローバルモデルで、6大陸・40カ国で販売する。発売開始は2012年からとアナウンスしている。

 また、フォーカス STにはワゴンモデルも用意しており、会場で同時に公開。エンジンはフォーカス STと同様のEco Boostを搭載。標準の5ドアモデルよりも全長が伸びているが、パフォーマンスで引けを取らないようハンドリングに改良を加えたとしている。

フォーカス STワゴン

 STシリーズでは、「フィエスタ STコンセプト」も発表された。

 エクステリアデザインはフォーカス STと同様で、ハニカムデザインの大口径グリルやダクトを備え、STシリーズとして共通のスタイリングに仕上げている。

 エンジンもフォーカス STと同一のEco Boostだが、排気量は1.6リッターとなる。WRCに出場しているフィエスタに搭載されるのも1.6リッターで、多くのモータースポーツでダウンサイジングモデルを採用する傾向にあるので、その方向性に沿ったエンジンを搭載していると言う。

 最高出力は180PSで、最大トルクは240Nm。0-100km/h加速は7秒以下で、最高速は220km/hをマークする。トランスミッションは6速MT。

フィエスタ STコンセプト

 もう1台の「Evos Concept」は、グローバル・デザインチームが設計したコンセプトモデルで、同社の次世代デザインを示している。

 ファストバック・スタイルの4ドアクーペで、ドアは4つとも上方に跳ね上がるガルウイング・タイプ。シートは独立4シーターとなる。

 機能的な特徴は、クラウド・コネクティビティと呼ばれるシステムで、個人の運転習慣や好みなどを察知できるほか、さまざまなネットワークから得た交通状況や天気などの情報を元に、ドライバーのアシストを行ってくれる。

 パワートレーンはプラグイン・ハイブリッドと発表しており、最大航続距離は800km以上。ボディーサイズは4500×1970×1360mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2740mmとなっている。

Evos Concept

GM
 GMブースで展示されたのは、シボレーブランドのコンセプトカー「MIRAY」。韓国のソウル・モーターショーですでに公開したモデルだが、欧州プレミアとなる。

 シボレーの数あるスポーツカーモデルに刻まれてきた伝統を残しつつ、次世代のスポーツカーとして提案するコンセプトカーとなる。

 パワートレーンは、ターボチャージャー付き4気筒1.5リッターとモーターによるハイブリッド。フロントアスクルに搭載した2つのモーターの最高出力は15kW。バッテリーはリチウムイオンで1.6kWの容量を持つ。トランスミッションはデュアルクラッチタイプで、アイドリングストップシステムも組み込む。

シボレーMIRAY

(真鍋裕行)
2011年 9月 22日