【2011フランクフルトショー】
レクサスは新型GSのハイブリッドモデル「GS450h」を公開

FRスポーツ「FT86-II」は足まわりをリファイン

新型GSのハイブリッドモデル「GS450h」

2011年9月15日~25日(現地時間)
独フランクフルト
Messe Frankfurt



 トヨタとレクサスがフランクフルトショーで公開したモデルのハイライトは「GS450h」。今年のニューヨーク・オートショーで新型GSのコンセプトモデルを公開し、8月に開催された米国「ぺブルビーチ・コンクール・デレガンス」でGS350のワールドプレミアを行った。

 エクステリアデザインは、先に発表されたGS350と同様に逆台形のアッパーグリルと台形のロアグリルを組み合わせた「スピンドルグリル」を採用し、レクサスのデザイン哲学である「L-finesse」を表現している。

 注目のパワートレーンは、新開発のV型6気筒 3.5リッター「2GR-FXE」エンジンを搭載。アトキンソンサイクルを採用するとともに、13:1という高圧縮化を図った「D4-S(Direct injection 4stroke gasoline engine Superior version)」システムを搭載し、高出力と低燃費を両立させた。採用されたD4-Sは新開発のタイプで、インジェクターノズルにスリットが入り、より効率的に燃焼するように改善されている。

 ハイブリッドシステムも大幅に性能向上を果たしており、2つのモーターを使い、バッテリーはニッケル水素を採用した。標準的なエコモードで500V、スポーツSモードだと650Vの出力を生み出すと言う。

 3.5リッターエンジン単体の最大出力は213kW(290PS)で、モーターと併せたトータルのシステム出力は最高出力252kW、最大トルク345Nm。0-100km/h加速は5.9秒で、最高速は250km/hでリミッターが介入する。燃費は6.3L/100km、CO2排出量は145g/km。出力はV8並みだが、環境性能は3.5リッターの同クラスでトップレベルとしている。

 機能面では、「レクサス・ダイナミック・ハンドリング・システム」を採用した。AVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)、DRS(ダイナミック・リア・ステアリング)、VGRS(バリアブル・ギアレシオ・ステアリング)、5段階のVDIM(バリアブル・ダイナミック・インテグレーテッド・マネージメント)のそれぞれを統合して制御する機能で、これによりドライバーのハンドリングに対して機敏で素直な制御を行い、ダイレクトで俊敏性のある運転が可能になると言う。

 ボディーサイズは4850×1840×1455mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2850mmで、GS350と同様のサイズとなる。現行モデルと比べると、20mm広く、30mm高くなる。

 なお日本での販売開始は2012年春ごろを予定している。

現行モデルと比べ20mm広く、30mm高くなる新型GS450h

 一方のトヨタブースに展示されたのは、ジュネーブショーで公開となった「FT86-II」。全体をブラックで塗装してあったジュネーブモデルから、オレンジに塗装を変えたため、ブラックでは見にくかった外装のディテールがはっきりした。フロントまわりの印象は変わらないものの、リアバンパーやリアウイング、ディフューザー、ダクトの抑揚がはっきりとし、よりスポーティさを感じられるスタイリングなのが分かる。

 デザインそのものに変更はなかったが、足まわりをよく見るとタイヤとブレーキが変わっていた。ジュネーブモデルではダンロップタイヤを装着していたが、ブリヂストン製に変更された。サイズは215/40 R18のまま。タイヤ銘柄が「POTENZA RE86」となっているのは愛嬌か。

 また、ブレーキキャリパーはブレンボ製に変わり、ローターもドリルドタイプからノーマル形状になった。サイズは不明だが、見た感じで小さくなっている。ホイールが変わっていないことから現実的なサイズになったのだろう。

FT86-II。カラーリングはジュネーブショーで初公開されたブラックからオレンジにチェンジした。ブリヂストン製タイヤ「POTENZA RE86」は果たして正式に採用されるか?

(真鍋裕行)
2011年 9月 20日