【東京モーターショー2009】 ダイハツ、既存技術を組み合わせて30km/Lを達成したコンセプトカー「e:S」など |
箕浦社長 |
ダイハツ工業は第41回東京モーターショーで、来年の市販化を予定している「タント エグゼ」、「タント エグゼ カスタム」のほか、コンセプトモデルとして「e:S(イース)」「Deca Deca(デカデカ)」「basket(バスケット)」の3台を展示した。また、コンセプトモデルに利用している技術展示用のエンジン2基、独自開発の燃料電池を1つ展示している。
「タント エグゼ」と「タント エグゼ カスタム」は、「タント」をベースに軽量化し、燃費を改善したモデル。大人4人でもゆったりとできる居住性に加え、質感のよいシートやインテリアを取り入れており、幅広いユーザーに幅広いシーンで使ってもらえるモデルに仕上がっていると言う。なお、「タント エグゼ カスタム」は、「タント エグゼ」にエアロパーツ組み込み、フロントグリルやライトなどを変更し、高級感を演出している。
タント エグゼ |
タント エグゼ カスタム |
「e:S」は、ボディー自体のコンパクト化に加え、薄型軽量シートの採用、各部材の見直しなどにより徹底的に軽量化したモデルで、車両重量が700kgに抑えられているのが特徴。全長3100mm、全幅1475mmのサイズに4シーターを確保。また、乗り心地と軽さを両立した“ネットシート”を採用している。
エンジンは、既存の軽自動車用エンジンに、燃焼室内のイオンで燃焼状態を検出し、EGR量を制御することでポンピングロスを低減する「i-EGRシステム」と樹脂製電子スロットルボディー、エンジンとCVTを効率の良い状態に制御する「パワートレーン協調制御」、そして、CVTの新油圧技術による電動オイルポンプレス化を実現したアイドリングストップシステム「eco IDLE」を組み合わせ、30km/Lの低燃費を実現する。
「e:S」は、ダイハツ工業の取締役社長の箕浦輝幸氏がプレスブリーフィングで説明した、同社の軽自動車に対する考え方を具現化したモデルであり、軽自動車におけるエコカーのキーワードとされた「軽量化(省資源)」「低燃費」「低価格」という3つのコンセプトを取り入れたモデルとなっている。
e:S |
「Deca Deca」は、135度まで開く観音開きのドアと、センターピラーレス構造により広い開口部を持つのが特徴。フラットなフロア形状で、人の乗り入れや荷物の出し入れがスムーズに行える。収納式のテーブルやシートを採用し、搭載した35インチの液晶モニターなど、アイデア次第で自由にアレンジ、使用できるインテリア性の高いモデルになっている。
Deca Deca |
オープン4シーターの「basket」は、スローライフビークルをイメージしたコンセプトカー。麻素材を使ったシートやインテリアを採用。後部座席を倒せば汚れを気にせず使える後部デッキとなり、ルーフを外せばオープンカーに早変わり。シンプルでカジュアルに利用することを想定している。
basket。シートやダッシュボード部には麻素材を採用。デザインと調和するメーターやオーディオを搭載する |
技術展示には、現存の3気筒エンジンを最新技術により高効率化し、アイドリングシステムを組み合わせた「e:S用第2世代KFエンジン&eco IDLE」と、2気筒エンジンを直噴化して燃焼を改善した「次世代軽自動車用エコエンジン」がある。
そして、CO2排出ゼロの貴金属フリー液体燃料電池「PMfLFC」。PMfLFCの展示では、実際にPMfLFCを燃料としたミニカーを動かしていた。
e:S用第2世代KFエンジン&eco IDLE | 次世代軽自動車用エコエンジン |
貴金属フリー液体燃料電池「PMfLFC」 | PMfLFCを使って動くミニカー |
(飯塚 直)
2009年 10月 23日