【東京オートサロン2012】 プリウス、CR-Zなどエコカーのカスタマイズにも注目 無限はレンタル車両のCR-Zでスポーツドライビングを楽しめるプログラムを発表 |
東京オートサロンの各ブースの模様は既報のとおりだが、ここではプリウスやCR-Zといった、いわゆる「エコカー」のカスタムモデルを紹介する。
■2台のCR-Zを展示する無限
その中でも注目なのが無限(M-TEC)ブースで、CR-Zをベースとしたコンセプトカーを2台出展した。
1台は、昨年に英国で開催された「GOODWOOD FESTIVAL OF SPEED」で披露した「Honda CR-Z MUGEN RR Concept」をベースにしたデザインコンセプトモデル。フロントロアウイング、ボンネット、サイドスポイラー、ドアパネル、ディフューザー、リアウイング、テールゲートにドライカーボンを採用するとともに、アクリル製のリアウインドー、カーボン製のフルアンダーパネルなど軽量化に徹底的にこだわっている。
エンジンフードやドアに描かれるデザインは、一見カーボン調のシールかと思うが、これは各所に使われるドライカーボンの素地を活かしたもので、デザインもかなり凝ったもの。
このオレンジカラーのCR-Zが装着するエアロパーツ類は、風洞実験で空力を突き詰めてデザインされたもので、機能美も有する仕上がりとなっている。
パワートレーンはベース車両の直列4気筒SOHC 1.5リッターにハイブリッドシステムのIMAに、スーパーチャージャーを搭載。これにより最高出力はエンジン単体で132kW(179PS)/6,300rpm、最大トルク205Nm(20.9kgm)/6,000rpm。モーターの出力はノーマルと同様に10kW(14PS)/1,500rpm、78Nm(8.0kgm)/1,000rpmとなっている。
インテリアは、ボディーカラーと同様に鮮やかなオレンジがシート、ドアパネル、シフトノブ、ステアリングのステッチなどにあしらわれるとともに、マルチファンクションモニターの照明色もオレンジとし、内外装で統一感を持たせている。
スーパーチャージャーの搭載により、標準車から大幅に出力が向上するほか、ボディーの各所にドライカーボンパーツが使われる |
もう1台のグリーンのCR-Zも、オレンジのCR-Zと同様にHonda CR-Z MUGEN RR Conceptをベースに開発しているが、よく見るとオーバーフェンダーがなかったり、マフラーの出口形状が異なったりする。これは量産化を睨んだためだが、搭載エンジンはオレンジのモデルと同じ。
ちなみにこちらのモデルは筑波サーキットのコース2000で、ノーマルを約5.6秒上回る1分8秒612をたたき出している。
こちらはより量産化に近いモデル |
■レンタル車両でスポーツドライビングを楽しめるプログラム
また、無限とモビリティランドは13日、レンタル車両のCR-Zでスポーツドライビングを楽しめるプログラム「Honda スポーツ& エコ プログラム」を発表した。
その発表によると、サーキット初心者から上級者まで、レベルに合わせて3つのプログラムが用意される。
1つは気軽にサーキット走行を体験できる「お試しプログラム」で、もう1つはプロの指導でドライビングテクニックを磨く「操る楽しさプログラム」。
さらに上級者向けとして、基準ラップタイム内に走行した1ラップあたりの燃費を競う「CR-Z Ecoチャレンジ」(要国内Bライセンス取得)または、使用ガソリン量が制限されるなかでいかに速く走り切るかを競う「CR-Z 10リッターチャレンジ」(要国内Aライセンス取得)を含む「晴れ舞台プログラム」が用意される。
いずれのプログラムも、無限がメンテナンスするCR-Zで参加でき、これにより自家用車の購入やメンテナンス費といった初期費用、維持費がかからないのがこのプログラムの最大の魅力となる。なお、お試しプログラムであれば9,000円から参加できる。
詳細はHonda スポーツ& エコ プログラムのWebサイト(http://www.honda-crz-se.jp/)を参照されたい。
Honda スポーツ& エコ プログラムのレンタル車両のCR-Z。レンタル車両といってもチューニングや軽量化が図られた本格的な仕様 |
■会場に展示してあったそのほかのエコカー
オートサロン会場には、無限のほかにも多数のプリウス、プリウスαといったエコカーのカスタムモデルが展示してある。筆者としては、今年は日産の電気自動車(EV)「リーフ」のカスタム車が出てくると思っていたが、今年は残念ながら日産/NISMOブースに展示してあるのみ。また来年のサロンに期待したい。
会場で多くの注目を集めていたのが、かーいんてりあ高橋が製作した現行プリウスのキャンピングカー。車室内で4〜5名が寝ることができるスペースを持つ。発売時期は2月10日としており、2月上旬に同社のWebサイト上で価格を発表する。ボディーサイズは4,980×1,745×2,050mm(全長×全幅×全高) |
AxellautoのCT200h。同社オリジナルのエアロを装着するほか、レイズの19インチホイール、RSRの車高調などを装着 |
スパイシーチューンのプリウス。独自に開発した3Dパターン技術により欧州高級車のイメージを追求したというオリジナルのシートカバーを販売している。価格は2列分セットで59,850円 |
ギャルソンDADがプロデュースするプリウスα。とにかく低い車高、大径ホイール、エアロパーツにより迫力あるデザインに仕上がっている | ||
エアロメーカーVLENEのプリウス。オリジナルエアロ、ワーク製5スポークホイールを装着する |
ストリートジャムが新たに立ち上げたブランド「LXF Design(エルエックスエフデザイン)」のCT200h。エアゲージ・エアサスコントローラーを埋め込むほか、ワーク製20インチホイール(225/30 R20)、スルガスピード製のマフラーなどを装着している |
クモイモータースはオリジナルのLumiereブランドのエアロで武装。同エアロは風洞実験とサーキットでの走行テストを行い、空力性能を考慮して開発していると言う |
チューニングショップ・三重トップフューエルの「ZERO-1000 CR-Z タイプRR」。ボルトオンターボ(HKS製GT2510)、鍛造ピストン、メタルヘッドガスケット、440ccインジェクター、フューエルポンプなどの装着により、300PS以上を発生。ホイールはヨコハマ「ADVAN RG-D」(タイヤ:フロント255/40 R17、リア215/45 R17) |
チューニングブランドのHKSブースに展示してあるCR-Zは、まだ製品化していないマフラー「HKSリーガマックスプレミアム」を装着。同マフラーはドライカーボン製のディフューザーもセットにしている。テール外径はφ54 スラッシュカット、メインパイプ径φ50 |
(編集部:小林 隆)
2012年 1月 14日