【2012 パリショー】
ポルシェ、ニューレンジを示唆する「パナメーラスポーツツーリスモ」を世界初公開

911カレラ4シリーズやカイエンSディーゼルも登場

パナメーラスポーツツーリスモとともにプレスカンファレンスに登場したポルシェAGのマティアス・ミューラー社長

会期:9月29日~10月14日(現地時間)
会場:フランス パリ Paris Expo Porte de Versailles



パナメーラスポーツツーリスモの開発陣とマティアス・ミューラー社長

 ポルシェは、パリサロンの事前アナウンスとして、カレラ4シリーズやカイエンSディーゼルのワールドプレミアとともに、新たなモデルを発表することを示唆していた。

 そのモデルは、プレスデー前日に開催されたフォルクスワーゲングループナイトで一部公開となった「パナメーラスポーツツーリスモ」。その名の通りパナメーラの派生モデルであり、パナメーラがハッチバックなのに対しこちらはワゴンモデルとなる。プレミアムサルーンであるパナメーラの質感はそのままに、より使い勝手のよさを追求している。

 4950×1990×1401mm(全長×全幅×全高)というボディーサイズを持ち、パナメーラより全長、全幅ともに数十mm大きい。全高はプロトタイプということもあるが、パナメーラより低い。エクステリアデザインとしては、フロントバンパーに「Cブレード」と呼ばれるライトユニットが内蔵されているのが特徴。ヘッドライトは4灯のLEDで、テールランプにもLEDが配されている。

 パナメーラスポーツツーリスモのもっとも特徴的であるのが、「e-hybrid」と呼ばれるパワートレーン。918スパイダーですでに発表されているポルシェのPHV(プラグイン・ハイブリッド)だが、「e-hybridは次の開発ステップを示している」としており、新型の電気モーターは、現在のパナメーラSなどに搭載されるポルシェハイブリッドドライブの2倍にあたる約70kW(95PS)を発生、スーパーチャージャー式のV型6気筒3リッターエンジンと合わせたシステム全体の最高出力は306kW(416PS)。0-100㎞/hを6秒以内で加速させ、モーターのみでの最高速は130㎞/h、航続距離は30㎞というスペックを持つ。バッテリーはリチウムイオン電池(容量9.4kWh))を採用した。

 また、スマートフォンのアプリを利用し、バッテリーの状況を確認できるという機能も持つ。スマートフォンにはバッテリーの充電量や充電に必要な時間、充電終了の予想時間などが表示される。これに加え、エアコンのスイッチなども操作でき、走行前にエアコンをONにしておくこともできる。

 SUVのカイエン、プレミアムサルーンのパナメーラと、ポルシェでは新たな提案を行ってきたが、次のレンジとなるのはスポーティさとエルゴノミクスを併せ持つハッチバックタイプになる。

パナメーラスポーツツーリスモ
カレラ4S
カレラ4
ポルシェのディーゼルモデルで最高のパフォーマンスを発揮するカイエンSハイブリッド。V型8気筒4.2リッターツインターボが生み出す最高出力は382PS、最大トルクは850Nmで、0-100㎞/hを5.2秒で駆け抜ける

(真鍋裕行)
2012年 10月 1日