東京オートサロン2013
エコタイヤからスポーツタイヤ展示へとシフトしたタイヤメーカー
ブリヂストン、トーヨータイヤはスポーツを前面へ
(2013/1/12 04:21)
「東京オートサロン 2013 with NAPAC」において、新製品の発表を行ったヨコハマタイヤ(横浜ゴム)、新たな展示方法に挑んだダンロップ(住友ゴム工業)は、別記事で紹介したが、ここではそのほかのタイヤメーカーのブース紹介をお届けする。
ここ数年、オートサロンに出展するタイヤメーカーの傾向として目立っていたのは、販売の主力に育ってきた低燃費タイヤ(エコタイヤ)の展示だ。この背景として、1月になるとスタッドレスタイヤ商戦も落ち着き、再生産は行われず在庫限りの販売となる(そのため、人口の多い関東で2月に雪が降ると、サイズ欠品が激しく発生する)。例年1月に開催されるオートサロンでは、春商戦に向けたエコタイヤの新製品をアピールするのに最適の時期。そのため昨年のオートサロンでは、タイヤメーカーの多くがエコタイヤを前面に打ち出していた。
今年の春商戦も、ブリヂストンは「NEXTRY(ネクストリー)」、ヨコハマタイヤ(横浜ゴム)は「ECOS ES31(エコス・イーエスサンイチ)」、トーヨータイヤ(東洋ゴム工業)は「NANOENERGY 3(ナノエナジー スリー)」など低価格な低燃費タイヤを順次市場投入する予定だが、それらの展示はほとんどなく、スポーツタイヤ、フラグシップタイヤなどいわゆるエッジの効いた製品が展示の中心となっていた。
各社の担当者の話を総合すると、東京オートサロンでは転がり抵抗性能「AAA」の高性能な低燃費タイヤよりも、「走り」「外観(トレッドパターンや扁平率など)」などの面で尖ったタイヤを求める層が多く来場するためとのこと。また、エコ技術がタイヤにとってベーシックなものとなりつつあり、「エコは当然として、さらなる何か」が求められるステージに入ったのだろう。
ブリヂストン
ブリヂストンは、スポーツタイヤブランド「POTENZA(ポテンザ)」を前面に押し出してブースを構築。スポーツラジアル「RE-11A」、プレミアムスポーツ「S001 トヨタ86専用スペック」、レクサス「LFA」の標準装着タイヤ「RE070」などを強く打ち出していた。
また、昨年のオートサロンで発表した、タイヤのサイドウォールに絵をプリントできる技術を「TPT(Tyre Printing Technology)」として展示。一部では「痛タイヤ(もしくは痛イヤ)」を実現できるかもという期待が高まっている技術だが、今回の展示プリントでは、その方向性の提案はなされていなかった。
トーヨータイヤ
トーヨータイヤもスポーツタイヤブランド「PROXES(プロクセス)」のラインアップ展示。さまざまな車種に、プロクセスのバリエーションを装着していた。
すでに発売中の製品のほかに、パフォーマンスカー向け「プロクセス コンセプト」と、高級ミニバン向け「トランパス コンセプト」の2種類のコンセプトタイヤを展示。プロクセス コンセプトは、タイヤパターンも「イケているパターンを手彫りで刻んだ」というもので、製品化は遠く、デザイン検討の段階。一方、トランパス コンセプトはモールド(型)とのことで、プロクセス コンセプトよりは実現性が高いのかも知れない。
そのほかブースでは、「REV LIMIT STAGE」という一定間隔でイベントを実施。登場するダンサーは、トーヨータイヤの各製品をイメージしているとのことだ。
ピレリ
ピレリジャパンは、F1のタイヤサプライヤーらしく、F1用タイヤを中心に同社のタイヤラインアップを展示。そのなかでも、「Cinturato P7 BLUE(チントゥラート ピーセブン ブルー)」が、今シーズンから日本市場に投入される環境志向のパフォーマンスタイヤになる。
ブルーとは、F1用タイヤではフルウェットタイヤを表し、このチントゥラート P7 ブルーもウェット性能に優れるタイヤという。そのほか、モータースポーツ用タイヤの新製品「P7 CORSA Classic(ピーセブン コルサ クラシック)」「P ZERO TROEFO R(ピーゼロ トロフェオ アール)」が展示されていた。