オート上海2013

メルセデス・ベンツ、AクラスベースのSUV「コンセプトGLA」をワールドプレミア

プレスカンファレンスでAクラスの好調なセールスについて触れるとともに、新型コンセプトカー「GLA」を発表したダイムラーのディーター・ツェッチェ会長
2013年4月20日~29日開催

中国 上海市

Shanghai New International Expo Center

 メルセデス・ベンツが上海ショーに用意したワールドプレミアモデルは、SUVラインアップの中でもっともコンパクトなモデルとなる「GLA」。

 前回2011年のオート上海では、スポーティさを前面に出した「Aクラスコンセプト」を発表したメルセデス・ベンツ。コンセプトモデルから大きなデザイン変更を受けずに市場へ導入された新型Aクラスは、アグレッシブなデザインやコストパフォーマンスの高さが受け入れられ、購入する年齢層の平均が以前よりも10歳若くなったと言う。

プレスカンファレンスでは、アクティブな若者層や公開したGLA、AクラスとマッチするMTBのパフォーマンスが披露された

 Aクラスの若年層への支持拡大にも表われているように、コンパクトモデルの存在意義はラインアップの中でも大きくなっていて、併せてSUVモデルもマーケットでは重要度が増している。注目度が上がっているコンパクトとSUVの特徴を融合させた「GLA」で、今後の市販化によりさらなるユーザー層の拡大を目指しているようだ。

 コンパクトとSUVモデルへの支持は数値にも表われていて、販売台数の50%がコンパクト、30%がSUVというシェアになる。これらの好調なセールスを受け、昨月はメルセデス・ベンツにとってこれまでの販売記録を上回ったというから、GLAへの期待度も伺える。

 初公開されたGLAのボディーサイズは、4383×1978×1579mm(全長×全幅×全高)。Aクラスと似たフォルムを持つが、2本の力強いバーを用いたグリルやレンズ類は独自のデザインとなっている。ヘッドライトにはLEDを採用し、「レーザーヘッドライト」という遊び心のある革新的なタイプと言う。このレーザーヘッドライトはプロジェクターの機能を持っていて、室内のモニターに映し出した映画や写真などの画像を壁などに映し出すことができる。市販化のときに採用されるかは不明だが、ヘッドライトの新しい使い方として面白い機能だろう。

 搭載されるエンジンは、最高出力211HPの直列4気筒2.0リッターターボエンジン。国内で先日発表された「A250シュポルト」に搭載されたモデルと同様になる。これに7速デュアルクラッチトランスミッション「7G-DCT」を組み合わせ、4MATICにより4輪を駆動する。トランスミッションと駆動システムはGLAのサイズに合わせた設計となり、軽量さも特徴となる。

 コンセプトGLAのデザインや仕様などは、中国国内で多くのリサーチを行った結果として決定したと言う。メルセデス・ベンツは2020年までにSUVモデルの販売台数を100万台まで伸ばす計画を持っていて、GLAはその一翼を担うモデルになる。

新型Aクラスからの派生モデルとなる「コンセプトGLA」。ボディーサイズは4383×1978×1579mm(全長×全幅×全高)
独特なデザインの5本スポークを採用したホイール。タイヤサイズは255/45 R20を装着
インテリアは基本的に他のコンパクトモデルと同様のデザインを用いる。ただメーターパネルやシートなどは、GLAならではのデザインを採用している
中国マーケット向けの「EクラスL」もワールドプレミアされた1台。マイナーチェンジによりデザイン変更を受けた新型Eクラスをベースとする。全長は5019mmでホイールベースは3014mm。新型Eクラスに対して140mm延長していて、そのまま後部座席のレッグスペースを拡大した。グレードは「E260L」「E300L」「E400L」の3タイプ。エンジンは4気筒、6気筒のどちらかで最高出力は204HP~333HPとなる

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。