【東京モーターショー2011】 ダイハツ、オープン2シーター「D-X」などを出展 ブーステーマは「ビックアンサーフロムスモール」 |
ダイハツ工業は東京モーターショーで、4車種4台の参考出品車と8台の市販車、および各種技術を出展した。
同社は、今回のモーターショーで「ビックアンサーフロムスモール」をテーマに掲げ、スモールカーらしく、世の中のすべての人が享受できる技術革新のロードマップを各出展物で表現する。
このテーマは、ダイハツが考える自動車の未来であり、「遠い未来を追い求めるのではなく、今ある技術を確実に磨き上げることで、すべてのお客様に、その技術革新をお届けし、『小さなクルマが大きく変える未来』を、皆様とともに歩んでいきたいという想いを込めています」と、取締役社長の伊奈功一氏は語った。
また、先ごろ発売になり、好評を得ている「ミラ イース」の低燃費技術を今後はさらに発展させ、「本来、自動車が持つ走る楽しさを向上させていくことが重要な取り組み」と語り、オープン2シーターのコンセプトカー「D-X(ディークロス)」を紹介した。
D-Xは、オンリーワンの存在感を放つタフでアグレッシブなスタイリングを特徴とする。樹脂ボディーを載せ替えてさまざまな車形に変更可能で、スモールカーならではのヒトとクルマの一体感のある走りとともに、スポーツカーの新しいカタチを提案する。D-Xに搭載するエンジンは、0.66リッターの直列2気筒直噴ターボで、最高出力は47kW(64PS)/6,000rpm、最大トルクは110Nm(11.2kgm)/2,000rpm。低回転からの太いトルクと、低燃費性能のさらなる向上を図ったエンジンである。駆動方式は2WD(FF)。
日常、非日常を問わず使えるスポーツカーの新しい世界観を表現した「D-X」。インテリアはスパルタンなイメージ |
D-Xに搭載する、直列2気筒直噴ターボエンジン。燃費性能を追求 |
2人乗りの電気自動車(EV)「PICO(ピコ)」は、軽自動車と原動機付き自転車との間に位置づけられる新しいカテゴリーの乗り物。高齢化・地方・宅配ビジネスなど、社会・環境の変化に対応した、小さいクルマならではの魅力を提案するモデルとして開発されたコンセプトカーだ。
開口部が大きく、低くてフラットなフロアで、乗り降りしやすいレイアウトを持つ。小さく狭い場所の使い易さを考えた、前後2人乗りのパッケージング。
2シーターEVコミューターの「PICO」は、日常のチョイ乗り用途に最適なパーソナルユースを実現。家庭のAC100Vで充電できる。車体外周には走行速度が表示され、先進のレーダーで運転をサポート。危険を察知すると音と光で知らせ、緊急時には自動で停止する。 |
ゼロエミッション・次世代モビリティとして開発した「FC 商 CASE(FCショーケース)」は、貴金属フリー液体燃料電池を搭載した次世代ユニットを採用し、安心・自由なエネルギー未来へのゼロエミッション・ビークルとしての小さなクルマの新たな可能性を提案している。
ダイハツオリジナル技術の低コストな固体高分子型PMfLFC(Precious Metal free Liquid-feed Fuel Cell)燃料電池スタック(35kW)を搭載し、燃料には水加ヒドラジン(N2H4・H20)を用いる。この燃料は、窒素と水素を原料として合成できるので、走行中のCO2排出量がゼロになるというメリットもある。
また、床下に搭載できるコンパクトな燃料電池システムにより、自由度の高い新プラットホームが可能となっている。
貴金属フリー液体燃料電池を搭載する「FC 商 CASE」。搭載するボディは多用途性あるフラットなもので、ハンドルやシートの格納で自由空間を創出。ボディーサイズは、3,395×1,475×1,900mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2,450mm |
第3のエコカーとして人気の「ミラ イース」は、特別色のモデルが参考出品車として展示されていた。見る角度によりさまざまな色の変化を見せるブルーメタリック塗装は、青空を連想させる明るい色で、環境へのやさしさと楽しさを表現している。
特別色が参考出品されたミライース | ダイハツブースは、“小さなクルマが大きく変える未来”を表現 |
(細谷智昭)
2011年 12月 1日