トヨタ、車の魅力を体感する特別授業を開催 小学生が車のパワーを実感 |
未来の自動車ユーザーたる小学生に、自動車を体感してもらう授業。トヨタが講師や機材、授業内容を提供する。9月26日には大分県別府市の春木川小学校で開催されており、今回が2回目となる。
■車を動かし、制御する力を体感
「パワーとコントロール」をテーマに授業が行われた |
授業のテーマは「パワーとコントロール」。自動車を動かし、制御する力を体験することで、自動車がどんなものなのかを感じてもらうのが目的。
まずは教室で、空気エンジンカーを使った実験をした。空気エンジンカーは、全長30cmほどの4輪車で、本体内の空気圧で後輪を駆動して前進する。ポンプで空気を充てんした空気エンジンカーが動作するときの音や振動を感じたり、空気エンジンカーで何枚の紙を突き破れるかといった実験を通して、車を動かす「パワー」を体験した。
■悪天候下でも児童はエンジョイ
マークXを人力で引っ張る実験。1人では動かなかったが |
実車を使ってのコントロール体験は、マークXに代表の児童4人が乗り、プロドライバーの運転で校庭に設けられたスラロームコースを体験。車外の児童は、どこでブレーキランプが光るかを観察し、車の走る・曲がる・止まるを実感した。
教室での授業を含めて2時間もの授業となったうえ、あいにくの雨で校庭ではレインコートを着ることになった。しかし児童が実際に手を動かしたり、体を使って自動車の動きを体験できるよう工夫されていることもあって、男女の区別なく、全員が最初から最後まで集中力を失わず、むしろ積極的に発言するなど、授業を楽しんでいた。
2人で引っ張ると動いた | 5人ならもっと速く動かせる | マークXのエンジンルームを開け、音を聞き、動きを見る |
マークXは馬200頭ぶんのパワーを持つ | 代表の児童がマークXに同乗 | 残りの児童は車外から観察。曲がる前にブレーキを踏むことを確認した |
■現物に接することの楽しさを子供たちに
最後は先生に「ありがとうございました」 |
トヨタ自動車国内業務部BR長期計画室長の上田達郎氏は「私たちが子供の頃は、助手席で親の運転を見たりしたが、最近は後席でゲームをしたりしていて、自動車を体感する機会がない。ゲームなどのバーチャル体験の時間が増え、世界を実体験することが少なくなった」と話す。同社は交通安全の啓蒙活動なども行っているが、それらとは別に「自動車に限らず、現物に接することの楽しさを子供たちに提供する」のがこの企画の目的。
自動車のパワーとコントロールというテーマを選んだのは、「自動車メーカーとしてできることのなかでもっとも印象的かつ勉強になるものだから」で、未来の顧客への長期的な広報宣伝という側面もないではないが、どちらかといえばメセナ(企業による文化・芸術活動支援)に近いもの、とした。
4年生を対象として選んだのは「学校のカリキュラムと授業の内容の関係を考慮したことと、大人になるまで今日の体験を覚えていてもらい、それをベースにいろいろなことを考えてもらえる年齢だから」。
今後の展開については「この活動にどう広がりを持たせるかが課題」と言う。今回の授業はテストケースに近いもので、全国でどのように開催していくかも探っているところ。地域密着をめざすため、各地の販売店が主催することも考えられており、今回の授業は多数の販売店関係者も見学していた。
なお9月30日からは全国5つの小学校で、5年生を対象に「クルマまるわかり教室」も実施。自動車と環境の関わりを学習する。
■URL
トヨタ自動車株式会社
http://www.toyota.co.jp/
ニュースリリース
http://www.toyota.co.jp/jp/news/08/Sep/nt08_061.html
(編集部:田中真一郎)
2008年9月29日