【2008パリモーターショー】
海外メーカー各社のブースめぐり(2)

Lancia、FIAT、Alfa Romeo、
Citroen、Peugeot、Renault編

会期:10月2日~19日(現地時間)
会場:フランス パリ Paris Expo Porte de Versailles

Lancia(ランチア)/FIAT(フィアット)/Alfa Romeo(アルファロメオ)

Lancia Delta
  Lanciaブースでは、日本導入も噂される「Delta」(デルタ)をメインに展示。新しいDeltaは丸みを帯びた5ドアボディと切れ長な前後のランプクラスター、盾型グリルを備え、高級ミディアムセダンに仕立てられている。ルーフとボディを塗り分けたツートーンモデルが用意されるのも、エレガントな印象を強めている。


Delta
コンパクトカー「Ypsilon」のジャンニ・ヴェルサーチとのコラボレーションモデルも展示

  Lanciaの隣にあるAlfa Romeoブースでは、欧州でこの夏に発売されたばかりの同社ラインナップの末っ子「MiTo」(ミート)を多数用意した。全長約4mのコンパクトなボディに、同社のフラッグシップスポーツモデル「C8」のイメージを巧みに取り入れた。3ドアのみ用意され、実用車というよりも、スタイリング優先の小型スペシャリティカーとして受け入れられているようで、リアシートやラゲッジルームを気にする人はあまりいなかった。

Mito
エンジンは1.4リッターのターボ付きと自然吸気、1.6リッターのディーゼルが用意されるシフトレバーの根元に、「Alfa D.N.A.」のセレクターがある。Alfa D.N.A.は、エンジンやサスペンションをダイナミック、ノーマル、オールウェザーの3つのモードに切り替えて制御する

  Alfa Romeoの向かいのFIATブースは、Alfa Romeoブースと打って変わってポップな構成。巨大なFIAT 500の模型の前に、500 by DIESELを展示した。イタリアのジーンズを主とするファッションブランド「DIESEL」とのコラボレーションモデルで、専用ボディーカラーやダミーのエアインテークスリットが切られたガーニッシュ類で、ハードな印象に仕立てられている。2年間に1万台限定で生産される。

Citroen(シトロエン)のハイブリッド・ラリーカー

Citroenといえば2CV。今年は誕生60周年
  5台のコンセプトカーと、フルラインナップを広大なブースに展示したCitroen。日本でも発表されたばかりのC5に注目が集まっていた。

  また、コンセプトカーのひとつ「C4 WRC HYmotion4」は、ハイブリッドのラリーカーという変わり種。SS(ラリーの競技コース)はエンジンでスポーツ走行、リエゾン(SSとSSを結ぶ移動区間)は電気モーターで快適に走行という分かりやすいプロモーションムービーが流れていた。もちろんドライバーはCitoroen Sportのエース、セバスチャン・ローブ。


C5セダン。同社のフラッグシップC6と同様に内側へ湾曲したリアウインドウを持つ
「Touring」を名乗るC5ワゴン
C4 WRC HYmotion4

さまざまなハイブリッドカーを試みるPeugeot(プジョー)
  ハイブリッドカーのHYmotionシリーズを5台も持ち込んだPeugeot。同社が「Micro Hybrid」と呼ぶアイドリングストップ機構を備えた「308 Stop&Start」を加えれば、6台のハイブリッド攻勢となるし、PSA Peugeot Citroen GroupのCitroenにもHYmotionがある。エンジンの種類、モーターアシスト方式、車のキャラクターがいずれも異なっており、同グループが多角的にこの分野にアプローチしていることが分かる。

エンジンと電気モーターが直結したタイプのハイブリッドシステムを搭載する「908 HYmotion2」
1.6リッターディーゼルと電気モーターを直結した308ベースのハイブリッド車「HYmotion2」308にアイドリングストップ機構を搭載した「308 Stop&Start」何気なく世界初公開されていた308のコンバーチブル「308CC」
「HYmotion3 compressor」はフロントを2つの電気モーターで、リアを125ccのスーパーチャージドガソリンエンジンで駆動する3輪スクーター。モーターだけで走行するモードも備える「RC HYmotion4」はフロントを電気モーター、リアを1.6リッターガソリンエンジンで駆動する4ドアクーペ。電気のみ、ガソリンのみの走行も可能なパラレルハイブリッド車
「PROLOGUE HYmotion4」はフロントを1.6リッターディーゼル、リアを電気モーターで駆動するクロスオーバーカープロダクションカーで戦うWRC「スーパー2000」用の207。2リッターエンジンを積む

Renault(ルノー)はKangooのクロスオーバー版を披露

Kangoo be-pop
  新型Meganeをお披露目したRenaultだが、新型KangooとTwingoも展示されている。

<商用車ながら小型でスペース効率にすぐれた多目的車として人気のkangooだが、パリでは「be-bop」を初公開した。リヤシートをベンチタイプから独立2座シートに変更し、内外ともにsuv風の装飾を施したクロスオーバーバージョン。室内は広大かつ快適だが、限りある空間を可能な限り効率よく使った先代の雰囲気はない。>

昨年デビューしたKangoo
Kangoo be-pop
Twingo

URL
Mondial de l'Automobile(英文)
http://www.mondialautomobile.com/


(編集部:田中真一郎)
2008年10月6日