ラリージャパン2008が競技開始
SS6でアクシデント、史上初の屋内スーパーSS開催

SSでの競技が31日から開始された
 10月31日~11月2日競技開催



  世界ラリー選手権(WRC)第14戦「パイオニア・カロッツェリア ラリージャパン」は10月31日に本格的な競技を開始した。11月2日までの3日間、トップラリードライバーによる熱戦が繰り広げられる。

  競技開始1日目(Day 1)の31日は、朝8時に札幌ドームをスタート。夕張市や三笠市周辺に移動し、4つのSS(スペシャルステージ、SS1~4)をこなしていったん札幌ドームに戻り、午後は再度、夕張市周辺で4つのSS、さらに夕方は札幌ドームで2つのスーパーSS(SS9~10)を行なう予定だった。

  しかし、積雪でコース状態が悪くなったSS3とSS7がキャンセルされたほか、午後のSS6で、それまで2位につけていたフォードのフランソワ・デュバル選手の車両にアクシデントが発生し、デュバル選手からあとの選手の出走を中止。さらにこの影響で、SS8の出走時刻が遅くなることが見込まれたため、SS8もキャンセルされた。

  アクシデントの詳細は31日夜時点で公表されていないが、デュバル選手にけがはないものの、コドライバーのパトリック・ピバト選手が骨盤と脛骨を折り、ヘリコプターで病院に搬送された。なお規程に基づき、出走できなかった選手全員には、出走できた選手中もっとも遅い8分19秒2のタイムが与えられ、SSとしては成立している。

リエゾンやSSにも多数の観客
  SSは林道やオフロードコースに設定された競技区間。今日の場合はSS1と5が全長13.24km、SS2と6が11.10km、SS4とキャンセルされた8が5.74km。それぞれのSSを2回ずつ走っている。SSとSS、そして札幌ドームに設けられたサービスパーク(整備基地)とSS間は「リエゾン」と呼ばれ、ラリー車が一般公道を自走して移動する。

  リエゾンでの競技車両は、交通法規を守り、一般の車両に混じって、設定された通過時間で走る必要がある。この区間は無料でしかも間近にラリー車を見ることができるとあって、平日にもかかわらず沿道には熱心なファンが多数集まり、声援を送っていた。

  またSS2/6とSS4/8には有料観戦ポイントが設けられた。SS2/6の観戦ポイントは、駐車場からぬかるみもある急斜面を数百m登らなければならないところにあるのだが、多数の観客が訪れ、疾走するラリー車に声援を送っていた。

リエゾンで札幌市街を走るマシュー・ウィルソン選手のフォード・フォーカスRSSS6でのウィルソン選手駐車場の上が観戦ポイント。冬期はスキー場になるところなので傾斜はかなり急
午前のSSとリエゾンを終え、サービスパークに戻ってきたセバスチャン・ローブ選手サービスパークではすぐにタイヤを外して整備が始まるサービスパークでも笑顔のペター・ソルベルグ選手

夕方からは史上初の屋内スーパーSS

夕方から札幌ドームでスーパーSSが行われた
  18時からはSS9、SS10として、WRC史上初の屋内スーパーSSが、札幌ドームで開催された。ツイスティかつスリップしやすいコースで、比較的速度は遅いのだが、迫力のあるドリフト走行やドームにこだまするエンジン音を堪能することができる。

  スーパーSSは夕方からの開催で、札幌市中心からも地下鉄1本でアクセスできるとあって、仕事帰りの観戦客などを含め、多数の観客がスタンドを埋めた。

  SS10を終えた初日の総合順位は、1位がフォードのミッコ・ヒルボネン選手、2位が同じくフォードのヤリ-マティ・ラトバラ選手、3位がシトロエンのセバスチャン・ローブ選手。ローブ選手はこのラリージャパンで3位以内に入れば、年間チャンピオンとなる。

2台同時に出走するスーパーSS。最も会場が沸いたのが、スバルのペター、フォードのヘニングのソルベルグ兄弟対決兄の貫録を見せてヘニング選手が勝利負けてもファンサービスを忘れないペター選手
ローブ選手は初日を3位で終えた夕方から冷たい雨が降り出したが、サービスパークの観客は絶えない公式車検場に入るローブ選手のシトロエンC4
整備と車検を終えると、パルクフェルメ(車両保管所)に翌朝まで預ける

 

URL
パイオニア・カロッツェリア ラリージャパン
http://www.rallyjapan.jp/

(編集部:田中真一郎)
2008年10月31日