JHFC、SUPER GT第9戦で燃料電池・水素燃料自動車の試乗会を開催 |
11月8日開催試乗会に参加した車両たち
会場:富士スピードウェイ
JHFC(水素・燃料電池実証プロジェクト)は11月8日、富士スピードウェイで、「燃料電池・水素燃料エンジン自動車」の試乗会を開催した。
JHFCは、経済産業省が実施しているもので、燃料電池自動車等実証研究と水素ステーション等実証研究から構成され、首都圏、中部地区、関西地区に11の水素ステーションを設け、水素・燃料電池自動車の運用実験をしている。また、横浜と大阪にはデータ収集兼見学施設の「JHFCパーク」を有するほか、各種イベントで水素・燃料電池自動車の広報活動を行っている。
トヨタ FCHV-advのインパネ。乗用車としての完成度は高い | 移動式水素供給ステーション | 水素ステーションでの水素充填風景 |
一般試乗者の移動手段として、燃料電池バスも活躍 | 同時開催された親子向けの燃料電池教室 |
試乗はあいにくの雨だった上、ごく短い距離の走行だったが、電動モーターを利用した燃料電池車の加速のよさや静粛性の高さなど、従来のエンジンにはない新しい自動車の感覚を体感できた。また、各メーカーごとの考え方の違いや、同じGMの燃料電池システムでも、2001年に発表されたハイドロジェン3と、最新のシステムを搭載したスズキSX4 FCVでの技術の進歩も体験できた。
一方、水素ロータリーエンジンのRX-8は、水素とガソリンの両方を燃料に使える方式で、水素を燃料にしてもガソリンと動力性能差はなく、しかもクリーンであることを実証していた。
試乗会場の脇には、移動式の水素充填ステーションが展示され、水素充填の様子も紹介された。また、同時に親子向けの燃料電池教室も開催され、燃料電池の仕組みについて楽しく学べる時間も設けられていた。
水素燃料電池自動車や水素燃料エンジン自動車は、環境対策とモビリティについて最適の手段と思われるが、その実用化と普及には、車両の量産化や効率のよい水素の製造方法といった技術的課題のほかに、水素供給ステーションといったインフラ整備や、社会の認知と理解といったハードルもあると言う。
今回のJHFCの試乗会は、燃料電池や水素燃料の未来に可能性を期待させるものであり、こうした車両の実用化へのハードルを越えるための重要な一歩になった。
■URL
水素・燃料電池実証プロジェクト
http://www.jhfc.jp/
ニュースリリース
http://www.jhfc.jp/news/press/2008/008.html
(小倉茂徳)
2008年11月10日