ITSによる安全運転支援システムの大規模公道デモ、2009年2月に開催 世界初の一般参加者向け同乗走行も |
ITS推進協議会は、2009年2月に東京都臨海副都心で、ITS(Intelligent Transport System)による安全運転支援システムの公開デモンストレーションを開催、一般参加者向けの同乗走行などを行う。
安全運転支援システムは、道路上に設けられたセンサーとの通信(路車間通信)や、他の車両との通信(車車間通信)により、ドライバーから見えない車両や歩行者、障害物を通知し、注意を喚起するもの。出会い頭・右折時の衝突や、左折時の巻き込み、悪天候による事故などを防ぐ。
ITS推進協議会は、2010年度の実用化を目標として、「ITS-Safety2010」と名付けた大規模実証実験を2008年4月から全国9地域の公道で行っている。来年の公開デモンストレーションはITS-Safety2010の一環として行われるもの。期間は2月25日~28日。
公開デモの最大の特徴は、臨海副都心のお台場周辺の公道と、首都高速道路の湾岸線、4号新宿線、5号池袋線に設けられたインフラを使い、車両に一般参加者を乗せて走行すること。国内14社の自動車メーカーと、海外からはフォルクスワーゲンとメルセデス・ベンツが参加する。
詳細は未定だが、首都高速道路を含む140分間のコースと、臨海副都心周辺で行われる50分間のコースが設けられ、約300人の一般参加者が同乗試乗する。参加者は安全運転支援システムを体験すると同時に、評価も行うことになる。参加者は、2009年1月下旬から、内閣官房とITS Japanのホームページで募集する予定。応募者多数の場合は抽選となる。
封鎖された公道でのデモンストレーションは前例があるが、今回のようにほかの車両を通行させたまま、オープンな交通環境で安全運転支援システムの公開をするのは、これが世界初となり、ITS推進協議会の高橋文昭氏(内閣官房 IT担当室 内閣参事官)は「世界でこれまでに類例がない規模と思われる」としている。
このほか、臨海副都心では安全運転支援システムに関する屋内外での展示と、シンポジウムが開催される。
屋外展示は東京都駐車場で行われ、実際の車両を動かすデモと、車両やデバイス、パネルなどの展示が行われる。併せて、東京都によるスマートパーキングとダイナミックパーク&ライドの公開デモも行われる。
屋内展示とシンポジウムは日本科学未来館で行われる。屋内展示は、ITS安全運転支援システムの全体像や、支援システムを構成する各システムなどを説明する。
ITS推進協議会は、ITSに関わる関係各省庁と、「ITS Japan」などの民間団体で構成されている。ITS Japanは、自動車、電機などのITS関係メーカーで作る団体。
■URL
ITS Japan
http://www.its-jp.org/
ニュースリリース(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000019.html
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(編集部:田中真一郎)
2008年12月26日