BMWの最新HDDナビゲーション「iDriveナビゲーション・システム」 ダイレクト・メニュー・コントロールボタンの付いた新iDrive |
2009年モデルの3シリーズ全車に、新iDriveが標準搭載されている。写真はワゴンタイプの325i ツーリング |
BMWのミドルクラスセダン「3シリーズ セダン」とそのワゴンタイプとなる「3シリーズ ツーリング」。どちらもよりスポーティーなルックスに変更するなどのマイナーチェンジを昨年11月に行っているのは、本誌でもすでに紹介したとおり。そのマイナーチェンジにおいて、大きな変更が行われ、全車標準装備となったのが「iDriveナビゲーション・システム」だ。
iDriveは、ナビゲーション機能やラジオ機能、オーディオ機能、車両情報表示などを一括してコントロールできるシステム。従来の3シーリズに搭載されていたものと比べ、最新のiDriveでは、ダイレクト・メニュー・コントロールボタンと呼ばれるボタンが付き、ナビゲーション機能やラジオ機能、オーディオ機能などを1ボタンで呼び出せるようになった。 また、オーディオの機能に関しては、60分の音楽CDを220枚分収録可能なミュージックサーバー機能なども追加された。
ダイレクト・メニュー・コントロールボタンは「MENU」「CD」「RADIO」「TEL」「MAP」「BACK」「OPTION」の7つ。どの機能にも階層式のメインメニューからたどって操作することも可能だが、ワンタッチで目的とする機能を呼び出せるのは便利。とくにメインメニューを表示するMENUボタンと、現在地情報に戻るMAPボタン、一つ前の画面に戻れるBACKボタンはとくに便利に使えるボタン。
基本的な操作は、中央のコントロールダイヤルで行い、外周のリングを回すことでメニュー項目のスクロール、左右に傾けることでメニュー項目の選択となる。地図表示の際などは、リングを回すことで縮尺を変更でき、上下左右に倒すことで目的の方向にスクロールという直感的な操作が実現されている。
ディスプレイはセンタークラスター上部に配置された8.8インチの高解像度タイプのもので、地図表示も非常に高精細。VICS レベル3に対応し、VICS情報が地図上に表示される。また、カーナビの基本機能であるルート設定も非常に高速に実行され、設定場所や条件にもよるものの、リルートも1秒かからずに終わることがほとんどであった。そのiDriveの機能を本記事では画面写真を中心に紹介していく。
iiPodなどポータブルオーディオ機器との接続も可能で、専用のケーブルを使い、センターコンソール部のAUX IN端子に接続する |
■スケール変更
地図のスケールは10mから3000kmの17段階。3000kmともなると地球が表示される。いずれも高精細な描画がなされているので、分かりやすい地図となっている。
10m | 25m | 50m |
100m | 200m | 500m |
1km | 2km | 5km |
10km | 20km | 50km |
100km | 200km | 500km |
1000km | 3000km |
■3D表示やVICS表示など
地図の表示方法は常に北を上に表示するノースアップ、進行方法を上に表示するヘディングアップのほかに、3D表示も可能。3D表示ではビルなどの建造物も立体的に表示される。もちろん2画面表示もできる。
また、交通情報を配信するVICSのレベル3表示に対応しているため、地図上に表示するレベル3のほかに、簡易図形で表示するレベル2表示も可能で、交通情報の概略を把握したい際には便利に使える。
■数多く登録されている目的地
ナビゲーション機能で特筆すべきことは、非常に豊富な目的地があらかじめ用意されていること。とくに目的地については、四国巡礼八十八ケ所や、名水百選、銘木百選などの観光地、そして各地の朝市など多数のものが登録されている。実際、いくつか表示させてみたが、あまりに数が多く、すべてを見ることはできなかった。この目的地をあれこれ見ているだけでも1日や2日はかかってしまうだろう。ロングツアラーとしての資質の高い3シリーズだけに、地方高速料金上限1000円時代が到来したら、快適なドライブを楽しみたいところだ。もちろんETC車載器は全車標準装備
■高速かつ充実のルート案内機能
メニュー表示もストレスなく切り替わるiDriveだが、ルート案内も高速に行われる、状況の変化によるリルートも素早く行われ、“待たされた”という感じを受けることはなかった。
ルート案内に関しても、ウェイポイント(目的地までの通過点)の一覧表示や車線表示、そして高速道路の料金所のゲート表示など自車位置に対応した適切な表示が行われるので不安を感じることはないだろう。
■純正システムならではの「車両情報」機能など
iDriveが通常の高機能カーナビと異なるのは、メーカー自身が手がけるシステムならではの統合情報機能。多機能トリップメーターとも言うべき「ボードコンピュータ」や「トラベルボードコンピュータ」。タイヤのパンク表示やオイルレベルをグラフィカルに表示する「車両ステータス」などを備えることだろう。また、エンジンオイルやブレーキパッドの点検時期もすぐに確認できる。
iDriveは、それらの情報をコントロールダイヤル1つで表示できる上に、速度警告設定やドアのロック設定といった、車の設定までも統一された操作で変更可能。BMW純正システムだからこそ実現できる特別な機能が用意されているのは、3シリーズを所有する価値を高めてくれるものと言える。
豊富かつ強力なナビゲーション機能をベースに、ラジオやオーディオ、テレビなどの機能が統合された新iDrive。機能が優れているのはもちろんだが、印象に残ったのがコントロールダイヤルの使用感だ。高速な表示と相まって、スムーズなオペレーションが行える。3シリーズ全車に標準搭載されているシステムでもあり、その操作感をディーラーなどで確かめてほしい。
■URL
ビー・エム・ダブリュー株式会社
http://www.bmw.co.jp/
製品情報(3シリーズ セダン)
http://www.bmw.co.jp/jp/ja/newvehicles/3series/overview.html
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(編集部:谷川 潔)
2009年2月3日