Michelin、NASAの月面探査車に専用設計のホイールを供給
タイヤ+ホイールのトゥイールを基礎に開発したルナホイール

タイヤのトレッド面をスポークが支えるルナホイール




 Michelinは2月19日、NASA(アメリカ航空宇宙局)の次世代月面探査車用として専用設計のホイール「ルナホイール」を供給することを発表した。

 これまで20年以上にわたり、スペースシャトル用タイヤを供給し続けているMichelinは、NASAの次世代月面探査車のために新型ホイールを開発した。Michelinのヨーロッパと北米の研究センターが共同で開発したそのホイールは、ルナホイールと呼ばれ、タイヤのトレッド面とエアの代わりになる柔軟なスポーク、そしてホイールが一体となったパンク知らずのタイヤ「トゥイール」を基礎としたもの。特許取得済みの複合素材を用い、構造的に荷重を支えるタイヤとホイールのアッセンブリとなる。

 柔軟で一定の面圧を維持できるルナホイールは、もろい地形やクレーターも走行可能。さらに軽量で、高い荷重能力を備えており、アポロ計画で使用された月面探査車のホイールと比較して、3.3倍も効率的だと言う。さらに、クレムソン大学やミリケン・アンド・カンパニー社と共同開発した織布製トレッドは、月面のような低温下でもトラクションを維持できると言う。

 ルナホイールは、地形や岩石の形状、土の組成が、月の極地のシミュレーションに最適なハワイのビッグアイランドで、2008年10月31日~11月13日におこなわれたNASAの月面類似試験と評価プログラムでテストされた。また、第56回合衆国大統領就任祝賀パレードでは、NASAの宇宙飛行士が乗った最新の小型与圧式月面探査車に装着されペンシルベニア・アベニューを走行した。

 このMichelin開発体制により、今後10年間の無人/有人月面探査計画におけるモビリティを支えることになったと言う。

(編集部:瀬戸 学)
2009年 2月 19日