Lamborghini、強化されたフラッグシップ「Murcielago LP670-4 SuperVeloce」




 Automobili Lamborghini(ランボルギーニ)は3月2日(現地時間)、「Murcielago LP670-4 SuperVeloce」(ムルシエラゴ LP 670-4 スーパーヴェローチェ)を発表した。350台限定だが、価格、発売日は未定。

 同社のフラッグシップスポーツカー「Murcielago LP640」の強化バージョン。エンジン強化と100kgに及ぶ軽量化が主なポイントで、これにより2.3kg/HPのパワーウェイトレシオと、3.2秒の0-100km/h加速を実現した。

 ミッドシップ搭載するエンジンは、LP640と同スペックの6.5リッター 60度V型12気筒 DOHC 48バルブだが、バルブタイミングの最適化やインテークシステムの見直しにより、最高出力を30HP増の670HPに高めた。最大トルクは660NmでLP640と同様。ブロックとヘッドはアルミ製で、エンジンコントロールユニットはLamborghini内製で、バンクごとに1つずつプロセッサーを備える。潤滑方式はドライサンプで、低重心化を図った。

 組み合わされるトランスミッションは、シーケンシャル6速AT(MTモード付き)の「e.gear」か、6速MT。ビスカスカップリングによる4WDシステムと前後LSDを備え、最大35%のトルクを前輪に配分する。

 軽量化のための見直しはシャーシー、エンジン、トランスミッション、インテリアまで及ぶ。チューブラースチールフレームにカーボンコンポジットのトランスミッショントンネルとフロアを取り付け、ルーフとドアパネル以外の外板にカーボンコンポジットを用い、空力パーツ、ドライビングシート、インテリアトリム、ブレーキなどにもカーボンを採用。軽量なクラッチやエグゾーストシステムなども軽量化に貢献している。

 エンジンフードもカーボンファイバー製だが、六角形の透明ポリカーボネート製の窓が埋め込まれており、エンジンを車外から見ることができる。またエンジンフードの後端をスリットにして排熱するほか、より冷却風が必要なときはリアピラーのインテークファンネルが持ち上がり、冷気をエンジンルームに導入する。

 空力面でも改善が図られており、前後スポイラーが新設計になるほか、リアの下部に2層のディフューザーが設けられている。リアスポイラーは標準装着のスポイラーよりも大きな「エアロパックウイング」をオプションで装着してダウンフォースを稼ぐこともできる。ただし標準スポイラーで342km/hの最高速度は、エアロパックウイングでは337km/hとなる。エアロパックウイングはウイング、ステーともにカーボン製となる。

 サスペンションはダブルウィッシュボーン。タイヤサイズは前245/35 18、後335/30 18で、Pirelli P Zero Corsaを履く。また、段差などを乗り越えるときにフロントを45mmリフトさせるシステムを備える。

 車体サイズは4705×2058×1135mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2665mm。重量は1565kg。

(編集部:田中真一郎)
2009年 3月 3日