首都高速道路、大師出入口開通記念一般公開イベントを開催
2009年3月29日開通、2010年度には川崎縦貫線とも接続

大師出入口料金所

2009年3月8日開催
入場無料




 首都高速道路は3月29日15時より、高速神奈川1号横羽線の横浜方向大師出入口を開通する。それに先立ち、3月8日に大師出入り口開通記念一般開放イベントが開催され、大師出入口や、2010年度には高速神奈川6号川崎線(川崎縦貫線、以下川縦線)との接続が予定される大師JCT(ジャンクション)の一部、また、大師換気所などが公開された。来場者数は約2200人。

大師出入口の全体。将来的に川縦線と接続されるため、複雑な作りになっている横羽線との接続は、現在のところ横浜方面のみ横羽線との合流箇所。安全確保のため、このエリアは一般には公開されなかった
横羽線側から大師JCTのループを見る2011年の川縦線との接続に向け、まだ工事車両が多数見受けられる真新しい舗装。2層構造になっていて、表面には排水性の高い舗装が使われる
大師換気所の屋上から撮影したパノラマ写真。左手には多摩川が流れ、横羽線が渡っている。写真中央から大師JCTが広がり、右手には川崎大師の自動車交通安全祈祷殿が見える

 現在、東京アクアラインと高速湾岸線がつながる川崎浮島JCTから多摩川に沿って川縦線が建設されており、2011年には横羽線と大師JCTで接続される。今回はそれに先立って、横羽線の横浜方向の出入口が開通するというもの。これまで横羽線上り方向の出口は、浅田出口の次が、多摩川を渡った約8km先の羽田出口までなかったため、特に朝の通勤時間帯に浅田出口での出口渋滞が発生していた。首都高速道路によると、浅田出入口の利用台数は平日で2万2000台程度で、このうち4000台ほどが大師出入口に流れると予想され、渋滞が大幅に緩和されると言う。また、大師から横浜方向に向かう場合も、一般道の走行距離が約6km減少し、時間にして約10分の短縮になる。

大師出入口の利用ルート。2010年度からは川縦線への出入りや、川縦線と横羽線の相互利用が可能になる大師出入口の完成により、渋滞が解消されるほか、2010年度の川縦線との接続により、湾岸線と横羽線が接続され、渋滞時の迂回にも役立つ大師JCTのレイアウト。川縦線とは地下トンネルを使って接続される
大師出入口は国道409号線に接続される

 2011年に大師JCTが完成し川縦線と接続されると、大師出入口や横羽線横浜方向から、川縦線経由で湾岸線やアクアラインへスムーズにアクセスできるようになる。また、現在のところ時期は未定だが、横羽線東京方向にも将来的には接続される予定だと言う。

川縦線との接続が終わったのち、第2期工事では横羽線東京方面とも接続される予定。すでに分岐部は建設されていた

 一般公開では、川縦線との接続に向けて掘削が進められている地下トンネルの一部や、それに伴う大師換気所も公開され、道路建設にかかわる技術や、道路の管理・メンテナンスを行う車両の展示が行われた。地下トンネルの中では、大師JCT建設の模様を収めたショートフィルムの上映が行われたり、スタンプラリーやJリーグ「川崎フロンターレ」のブースが設けられたりするなど、大人から子供まで楽しめる内容で展開されていた。

大師出口に向かう途中には、2年後に開通予定の川縦線へ接続される分岐がある灰色の路面の部分が川縦線へとつながるルート建設中のトンネルも一般公開された
トンネルの内側から撮影トンネルの奥ではショートフィルムの上映も行われていたトンネルの川縦線側はまだ掘削中だと言う
大師出入口のETCレーン。青信号の下に見える白くて四角いアンテナが、ETC車載器との通信を行うゲート入口付近には、車両の通過を認識するセンサーとナンバーを読み取るカメラが設置されるETCのバーと並ぶセンサーは、車の通過を検知するとともに、車両の高さなどを計測し、大型車か普通車かなどを検知している
道路を整備する車両も展示された。写真はトンネル内を掃除するウニモグウニモグの車内。青い箱はスイーパーや散布装置のコントローラーこちらも路面清掃を行うロードスイーパー。道路の左側を作業しやすいよう左ハンドルになっている
道路パトロールカー。ベースは100系のランドクルーザーだ車内には無線に加えて、拡声器や標識板のコントローラーが並ぶカセットデッキの下にあるのは、パトライトやサイレンのコントローラー
センターコンソールには無線や標識板の表示項目をコントロールする装置が並ぶ標識板の下のLED表示板の表示項目セレクター。最新版では画面で文字を確認できるという標識板とLED表示板。表示項目は車内ですべて制御可能
トンネル内で行われていたショートフィルムでは、大師JCT建設の模様が公開された
高速道路に使われている舗装(写真右)、通常の舗装(写真左)と比べ目が粗く、雨水を排水しやすくなっている。さらに吸音効果も高く、ロードノイズを低減させると言う大師JCT建設に使われたコンクリート。それぞれで重さが異なり、適材適所で使われているとのこと道路の下に敷かれているというゴム。通常のゴムと違い、高いところから落としても跳ね返らず、衝撃を吸収する
大師換気所も公開された首都高速道路などが行っている「TOKYO SMART DRIVER」の「ホメパト」。中身はノーマルのNISSAN GT-Rで、3月いっぱいまで首都高を巡回しているとのこと会場には川崎フロンターレのブースも出展され、マスコットキャラクターのふろん太くんも登場

(編集部:瀬戸 学)
2009年 3月 9日