スタパ齋藤の社会科見学「高速道路の工事現場に行ってみた!!」 「はとバスで走る! 新東名高速道路工事現場」日帰りツアー |
■第二東名高速道路の工事現場ツアー
クルマ派でありかつ高速道路大好きな俺なんですけど、高速を走るたびに思う。「どーやってんの?」と。
「はとバスで走る! 新東名高速道路工事現場」は静岡県の新東名高速工事現場を中心に巡る日帰りの観光ツアーだ。設定日は2009年3月27・28日および4月2日・3日・4日。料金(大人)は平日が7980円で土曜日が8980円。 |
高速道路は、何十kmいや何百kmてか日本全国をつなぐ超長~い道路。高速走行用の道路だけに路面も滑らか。この超長くて立派な道路、当然だけど人間が作ってるんであり、実際どんなふうな規模で作ってんの? 一度その現場を拝んでみたいモンですな。
とか思っていた拙者に朗報!! ニャニャ、ニャんと!! 高速道路の工事現場に足を踏み入れて見学できるツアーがあるという。はとバスとNEXCO中日本(中日本高速道路)の共同企画ツアー「はとバスで走る! 新東名高速道路工事現場」。こりゃオモシロそう!! てなわけで参加してみた。
ツアーの目玉は、その名のとおり新東名高速道路こと「第二東名高速道路」の建設工事現場を見学できること。見たことアリそーでナイ、高速道路が作られていく途中の状態を間近でジックリと見られるのダ!! うひゃ~オモシロそー。あ、もちろん、はとバスのツアーなので、工事現場見学のみならず、周辺の観光地も見て回れる。
てなわけで、早速GO!! ちなみに、拙者が参加したのは3月27日のツアー初日だが、このツアー、今週末の4月2日・3日・4日にも予定されている。拙者的結論では、ぶっちゃけ、高速道路好きなら非常に興味深く楽しめる工事現場見学となると思うので、ご予約はお早めにどうぞ。
■ヒミツの入り口!! から工事現場へ
今回見に行く第二東名高速道路は、現在使われている東名高速道路とほぼ平行して走ることになる新しい有料道路だ。東京と名古屋を結ぶ高速ですな。
第二東名高速道路の建造目的だが、現東名高速は全線にわたって交通量が飽和しており、まずこれを緩和することがある。また、もしかすると……の災害(東海地震とか)の場合に備え、より盤石な交通網を備えておくということ。東海圏の交通キャパシティをグッと高め、快適さや経済効果を得つつ、災害への備えにもつながる高速道路を目指しているのだ。
さておき、ツアー最初の目的地は、ズバリ、第二東名高速道路の工事現場。ツアーは7時30分に東京・浜松町を出発し、10時30分頃に工事現場に到着する。3時間の移動だが、途中、車窓から見える景色&ガイドさんの案内があったり、NEXCO中日本の担当者から第二東名高速道路のアレコレについて説明があったり、はとバス側からなんかプレゼントがあったり(←けっこーイロイロくれるんですよ、はとバスのツアー)、意外に飽きない移動時間。
そうこうしているうち、ガイドさんが「いよいよ工事現場へ参ります」と!! やった!! しかし、ガイドさん曰く「新東名高速への入り口はヒミツの場所なので、NEXCO中日本のクルマに先導してもらいます。ここでしばらく待ち合わせ」するんだそうで。
NEXCO中日本の先導車(!?)と合流するため、一時待機でございま~す。バックオーライでございます~。的な | 速攻でやってきたNEXCO中日本のクルマ。このクルマに先導され、その“ヒミツの入り口”に向かう我々であった | 茶畑を通り、林のなかの細道を通り、徐々に工事現場に接近する |
間もなく先導車が到着。はとバスは先導されるままに茶畑を越え、林を抜け、関係者以外立ち入り禁止であって無断で立ち入るとチョー叱られちゃうのでヒミツとされている入り口に向かった。そして!! 見えてきましたヨ!! 第二東名高速道路の工事現場。さらにヒミツの入り口が!!
お!! 見えてきた!! 建造中の高速道路っ!! | バスが通過しているのは、工事関係車両が出入りするための道なのだ。 | 高架下を通過中。この上には3車線の高速道路が作られつつある。 |
ニャニャニャ!! なんかヒミツっぽい入り口が……トンネルらしい!? | グイグイ入ってっちゃう先導車。はとバスも追従 | トンネルを抜けると工事現場に。巨大なクレーン、デカ過ぎな資材、働く人々、モロに工事中なんである |
ヤベ!! すげーオモシロそ~!! 案の定巨大!! 迫力アリ!! と興奮した拙者であるが、まだまだ序の口なのであった。
富士川トンネルは、入山断層と呼ばれる大規模な断層を貫いて作られたことでも知られる。てゅーか、工事中の高速道路のトンネルん中に、はとバスですよ!! ソレってアリですか!? 的な光景 |
■富士川トンネルを歩く
NEXCO中日本の担当者の説明を聞きつつ、工事中の高速道路上をバスから見学。道路の工法や規模、資材のサイズや使い方などの説明を聞いていると、普段は想像の域を出ない事柄が解明される感じで実に愉快。そしてさらに楽しいのが、現場の散策である。まずは全長約4.5kmの富士川トンネル内を歩いた。場所は富士川のやや西になる。
こ~んなにデカいものを、はあ、よく作るよなぁ、てな印象。山のなかに物凄い規模の空間を作り、それを約4.5kmも伸ばすなんざぁ人間業じゃないですな……とか思ったトコロで、人類の英知を改めて知ったりなんかしてプチ感動。
そして一同プチ移動。次は富士川トンネルの近く、高架の上を見学した。高架上も工事中だが、雰囲気としては鉄筋の建物の屋上てな感じ。なのだが、非常に広いし、ココは地上数十メートルの高さだし、間もなく3車線の高速道路になるというのだから、なんつーかモノに対するスケール感が狂ってくる。よい意味で新鮮な気分だ。
あぁオモシロかったなぁ……と思ったら、まだ見どころが。なんでも世界最大の複合アーチ橋があるとのこと。
■信じがたいスケールの新東名富士川橋
その世界最大の複合アーチ橋は、「新東名富士川橋」。富士川の上を通過するための橋で、橋の長さは365m、川からの高さは65mある。
数値上では「あ、そうですか」的な印象を抱くかもしれないが、その上に立つと、なんだか巨大なダムの上に立ったような非日常的な感覚に。さらに、橋を建造するプロセスを説明されると、理屈では分かっても、目の前の現実が受け入れられないような気分にもなる。
世界一の複合アーチ橋である富士川橋。上り線から下り線の橋を見たところ。画像をクリックしてパノラマ画像でどーんとお楽しみください |
いや~、しかし凄いモン見ちゃいましたよええ。こんな状態の道路や橋を、こんな位置から、こんなにゆっくり見られるのは今だけ、と考えるとなおさら得した気分。てな感じで新東名富士川橋の規模に身震いし、満足したところで工事現場見学は終了。
その後のツアーは、昼食~静岡市近辺の観光地巡りと続き、帰途へ向かう。工事現場を堪能し、おいしい食事をいただき、腹ごなしにお散歩して、シメにおみやげ買って、となるわけですな。
てなわけで、1日たっぷりバスの旅を経験した次第。やはり工事中の第二東名高速道路が圧巻ですな。
高速道路方面の見学だと、例えば開通直前のプレイベントとして、ウォーキングイベントなんかが開かれたりする。これから開通する高速道路の上を歩けるってヤツ。だが今回のツアーは、開通前のさらに前、完成前の高速道路を見られる。こういう機会はなかなかないし、それだけに“これまでに見たことがないもの”を見られてエキサイティングだった。
高速道路やその工法などに興味のある方なら絶対楽しめる内容だと思うので、ちょいとツアーに参加してみてはどうだろう。そして第二東名高速道路開通後「今走ってる新東名富士川橋の上、歩いたことあるんだヨ」とか自慢したりなんかして。
(スタパ齋藤)
2009年 3月 31日