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トヨタ、TOYOTA GAZOO Racing「2017年 WRC参戦体制発表会」で「ヤリスWRC」公開
マイクロソフトの協力でもっといいクルマ作りへ
2016年12月14日 10:40
- 2016年12月13日(現地時間) 発表
トヨタ自動車は12月13日(現地時間)、フィンランド ヘルシンキで「2017年 WRC参戦体制発表会」を開催した。WRC(世界ラリー選手権)には、TOYOTA GAZOO Racingとして参戦し、参戦車両である「ヤリスWRC」(日本名:ヴィッツ)を公開した。
参戦発表会では、TOYOTA GAZOO Racingチーム代表のトミ・マキネン氏が登壇。TOYOTA GAZOO Racingチーム総代表であり、トヨタ自動車 社長である豊田章男氏の走行映像などが紹介された後、ヤリスWRCの開発行なうTOYOTA GAZOO Racing Factory本部長の嵯峨宏英氏(トヨタ自動車 専務役員)が登壇し、参戦ドライバーであるユホ・ハンニネン選手、コ・ドライバーであるカイ・リンドストローム選手が乗り込んだヤリスWRCを初公開した。
実戦仕様として初公開されるヤリスWRCは、非常に空力的なボディが印象的で、フェンダーまわり、各種ウイングまわりが複雑な造形となっている。発表されたボディサイズは、全長4085mm(空力パーツ込)×全幅1875mm×全高は調整可能で、トレッド幅も調整可能。ホイールベースは2511mmで最低重量は1190kgとなっている。
搭載されるエンジンは、直列4気筒1.6リッター直噴ターボエンジンで、最高出力380馬力以上、最大トルク425Nm以上、ボア×ストロークは83.8×72.5mm。組み合わされるトランスミッションは油圧式6速シフトで、機械式ディファレンシャル×2、アクティブ・センター・ディファレンシャル(トルクスプリットオプション)による4WD機構を持つ。性能は加速性能は非公開となっているものの、最高速は201km/h(理論値)と発表された、2017年FIAワールドラリーカー技術規定(2017 FIA World Rally Car Technical Regulation)に準拠するマシンだ。
参戦は2チーム体制、ドライバーは開発チームも含め3名
今回発表になったTOYOTA GAZOO Racingチームの参戦体制は、前述のヤリスWRCを2台体制で運用する。ドライバーは、ヤリスWRCとともに登場したユホ・ハンニネン選手(コ・ドライバー カイ・リンドストローム選手)のほか、ヤリ-マティ・ラトバラ選手(同 ミッカ・アンティラ)を起用し、開発チームとしてテストドライバーのエサペッカ・ラッピ選手(同 ヤンネ・フェルム選手)が加わる。
3人のドライバーの国籍はいずれもフィンランド、コ・ドライバーの国籍もフィンランド。TOYOTA GAZOO Racingチーム代表のトミ・マキネン氏もフィンランド出身となり、フィンランド色の濃いチーム構成となっている。
このTOYOTA GAZOO Racingチームをサポートする企業で、とくに目立つのはヤリスWRCのボディに大きくロゴの入ったマイクロソフトとなるだろう。TOYOTA GAZOO Racing Factory副本部長の友山茂樹氏(トヨタ自動車 専務役員)は、このマイクロソフトについてIoT(Internet of Things、もののインターネット化。すべてのものがインターネットにつながること)で協力を得ていると紹介し、WRCの参戦データを解析することで、もっとよいクルマ作りにつなげていくとした。
ヤリスWRCについての詳細な性能は発表されなかったものの、内部については外観以上に野心的な取り組みがされているようで、TOYOTA GAZOO RacingによるWRC参戦はトヨタの新しいクルマ作りに向けてのチャレンジもなされているようだ。
WRCは、年間13戦が予定されており、第1戦モンテカルロは2017年1月19日~22日に開催される。ヤリスWRCは第1戦から参戦予定のため、その戦いに注目したい。