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HEREとパイオニア、自動運転時代を見据えたグローバルな標準地図サービスなどにおいて提携合意

HEREとインクリメントPがグローバルな自動運転用高精度地図サービスの実現を目指す

2017年2月8日 発表

ドイツ系自動車メーカーが出資する地図サービス会社HERE、パイオニアと100%子会社であるインクリメントPが業務提携

 HEREとパイオニアは2月8日、自動運転時代を見据えたグローバルな地図ソリューションや次世代位置情報サービスにおいて戦略的な提携を進めていくことで合意したと発表した。

 今回の合意は、これまで両社で進めてきたパイオニアの「3D-LiDAR」センサー技術を活用して自動運転用地図の更新・運用を行なう“データエコシステム”の開発検討に続くもの。

 両社の新しい協業については「グローバルな標準地図サービス」「自動運転用グローバルな高精度地図サービス」「パイオニアのセンシングデバイスから収集したデータの位置情報および地図更新サービスへの活用」の領域となる。

HERE とパイオニアの協業イメージ

グローバルな標準地図サービス

 ドイツ系自動車メーカーが出資する地図サービス会社であるHEREと、パイオニアの100%子会社であるインクリメントPは、それぞれが保有する地図データを、既存および将来の製品やサービスに相互利用する予定。

 HEREは、インクリメントPの日本向けナビゲーション地図データを利用し、グローバルでビジネス展開する顧客向けに、グローバル地図サービスとして提供することが可能となる。一方、パイオニアはHEREの地図データを利用して海外の顧客向け製品やサービスを展開していく。

 HEREとインクリメントPの両社が地図を供給している地域については、両社のメリットが活かせるように今後の協業の可能性を検討していく。

自動運転用グローバルな高精度地図サービス

 自動運転用高精度地図を制作しているHEREとインクリメントPは、自動車業界などさまざまな業界のニーズに応える世界共通の高精度地図ソリューションの実現を目指す。HEREとインクリメントPは、パイオニアの 3D-LiDARセンサーで収集したデータを、自動運転向けを含むさまざまな領域の高精度地図ソリューションに活用することを検討していく。

パイオニアのセンシングデバイスから収集したデータの位置情報および地図更新サービスへの活用

 HEREとパイオニアは、自動車業界などさまざまな業界向けに、パイオニアの市販用デバイスでセンシングしたデータを利用する次世代位置情報サービスを構築して2018年中の市場導入を目指す。

 このデータが加わることにより、HEREのオープンロケーションプラットフォームを活用した、ドライバー向けのリアルタイムクラウドデータサービスの情報量は充実することになり、今後、HEREとパイオニアはそれぞれが保有するロケーションプラットフォームの連携やセンシングデータを用いた地図データベースの更新について検討を進めていく。

 HERE CEOのEdzard Overbeek氏は「パイオニアとの協業の範囲が広がり、深まることを大変喜んでいます。パイオニアは、位置情報技術により世界中の人々や企業、社会に大きな利益をもたらそうとする当社のビジョンを共有してくれており、このビジョンを現実のものとするために、パイオニアと協業を進めることを大変楽しみにしています」とコメント。

 パイオニアの代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏は「このたび、HERE とパイオニア/インクリメントP が協業することにより、グローバルな地図ソリューションおよび位置情報サービスを提供できることを心より嬉しく思っております。来る自動運転時代を見据えた“データエコシステム” の構築を目指して両社が知見や技術を持ち寄ることで、新しい価値を生み出すことができると確信しています。この“データエコシステム”および高精度地図への取り組みは、日本国内の関係団体とも協調・連携を図ることで、新たな市場創造に向けてグローバルに貢献できると考えています」とコメントした。