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三菱自動車、「アウトランダー」「デリカD:5」など計17万5527台をリコール

制動装置、原動機、車体に不具合

2018年1月25日 発表

 三菱自動車工業は1月25日、制動装置、原動機、車体に不具合があるとして「アウトランダー」「デリカD:5」など計17万5527台のリコールを国土交通省に届け出た。対象車の製作期間は2008年3月20日~2016年2月1日。

後輪ブレーキキャリパーの不具合

 制動装置の不具合は後輪ブレーキキャリパー。対象となるのは「アウトランダー PHEV」「アウトランダー」「デリカD:5」「RVR」の4車種で、計9万2307台。不具合の件数は1つ目の不具合で266件、2つ目の不具合で19件発生している。

 1つ目の不具合は、駐車ブレーキ駆動用シャフトのブーツのシール性能不足で、シャフト部に水が浸入し、シャフトに錆が発生することがある。そのままの状態で使用を続けると、シャフトの錆がキャリパー内部まで進行しシャフトの回転が阻害され、駐車ブレーキの制動力が低下し、最悪の場合、駐車中の車両が動き出すおそれがある。

 2つ目の不具合は、製造工程での検査不良により検査規格を外れる部品が流出して、ブレーキパッドとブレーキディスクとの隙間を自動調整する機構が作動しなくなるものがある。ブレーキパッドの摩耗が進行しても、ブレーキパッドとブレーキディスクの隙間が自動調整されず、駐車ブレーキの制動力が低下し、最悪の場合、駐車中の車両が動き出すおそれがある。

 改善対策として、1つ目の不具合は、全車両を確認のうえ後輪のブレーキキャリパーが対策前品の場合は、シャフトを点検してシャフトが固着またはキャリパー内部までシャフトの錆が進行している場合はブレーキキャリパーを対策品と交換し、キャリパー内部まで錆が進行していない場合は錆を除去して対策品ブーツキットと交換する。

 2つ目の不具合は、全車両を確認のうえ後輪のブレーキキャリパーが対策前品の場合は、ブレーキキャリパー内部のピストンを良品に交換する。1つ目の不具合でブレーキキャリパーを対策品に交換した場合、ピストンも同時に良品に交換される。

 なお、交換用部品の準備に時間を要するため使用者に不具合内容を通知して注意喚起する。部品準備が整い次第、年式の古い車両から順次交換する。

国土交通省の発表資料

補機駆動ベルト用オートテンショナーの不具合

 原動機の不具合は補機駆動ベルト用オートテンショナー。対象となるのは「デリカD:5」「アウトランダー」「ギャラン」の3車種、計7万9208台。不具合の件数は113件。

 不具合は、エンジンの補機駆動ベルト用オートテンショナーの取り付けフランジ部の形状が不適切。オートテンショナーのベアリングが経年変化で摩耗し摺動抵抗が増大した状態で高負荷運転を繰り返した場合にフランジ部に亀裂が発生することがある。そのまま使用を続けるとフランジ部が破損し、最悪の場合、当該ベルトが外れ、警告灯が点灯し、ステアリング操舵力が増大するとともに、バッテリー上がりやオーバーヒートに至るおそれがある。

 改善対策として、全車両を点検のうえ補機駆動ベルト用オートテンショナーが対策前品の場合は取り付けボルトとともに対策品と交換する。

 なお、交換修理用部品が組み付けられた可能性がある車両が503台、交換修理用部品として出荷して組み付けられた車両が特定できないものが966個ある。

国土交通省の発表資料

サンルーフの不具合

 車体の不具合はサンルーフ。対象となるのは「アウトランダー」「ギャラン」「ランサーエボリューション」の3車種、計4012台。不具合の件数は2件。

 不具合は、サンルーフ付き車両のサンルーフガラスの外枠部において樹脂材料の選定が不適切。温度・湿度の変化によりサンルーフガラスとの接着力が低下することがある。そのまま使用を続けると、サンルーフガラスが外枠部から剥離し、最悪の場合、走行中の振動や風圧によってサンルーフガラスが脱落するおそれがある。

 改善対策として、全車両のサンルーフガラスアッセンブリーを対策品と交換する。

 なお、交換修理用部品として出荷し、組み付けられた車両が特定できないものが計11個存在する。

国土交通省の発表資料