VW、「ゴルフ」をフルモデルチェンジし、4月14日に発売 同社過去最高の低燃費とクラスを超えた静粛性を実現 |
フォルクスワーゲン グループ ジャパンは4月14日、「ゴルフ」をフルモデルチェンジして発売する。発売されるのは「TSI Comfortline(コンフォートライン)」と、「TSI Highline(ハイライン)」の2グレード。価格は、TSIコンフォートラインが275万円、TSIハイラインが312万円。
また同社は、3年間の点検整備作業を工賃無償とするプログラム「フォルクスワーゲン プロフェッショナルケア」を導入し、新型ゴルフ全車に標準設定する。
■ゴルフらしさを残しつつモダンに進化したエクステリア
コンパクトカークラスのベンチマークとなった先代モデルからさらに進化を遂げ、6世代目として登場した新型ゴルフ。初代ゴルフのアイデンティティーとなっている水平基調のラインを取り入れつつも、エクステリアはルーフ部分を除いてすべてのパネルを一新。洗練された曲面にエッジやラインを組み合わせることにより、立体的で高品質感のあふれるモダンなデザインとしている。
■上級モデルにも負けない高級感あふれるインテリア
インテリアには、上級モデルに採用されたパーツや素材を採用し、クラスを超えた高級感と高い静粛性を実現している。パサートCCと同じクロームベゼルで縁取りしたホワイトイルミネーションのメーターや、新デザインのステアリング、スイッチ類など随所にクロームのアクセントを加え、高級感を演出する。
シートは人間工学に配慮した形状で設計され、TSIコンフォートラインにはファブリック、TSIハイラインにはアルカンタラ&ファブリックを表皮に採用。また、TSIハイラインの前席には、ホールド性を高めたスポーツシートが採用される。後席は60:40分割で乗員と荷物の量にあわせたシートアレンジが可能。ラゲッジルームの容量は350Lとなっている。
オーディオにはMP3やWMA再生にも対応するオーディオを搭載し、さらにオプションでHDDカーナビ、12セグ地上デジタルTVチューナー、ETC車載器、MEDIA-INも設定する。パワーウインドースイッチやステアリング調整レバーなど、操作系も直感的に使いやすいよう位置を変更し、またエアコンの設定状況をカーオーディオやカーナビの画面に表示するなど、使いやすいユーザーインターフェースを採用している。
さらに新型ゴルフの開発テーマでももっとも重要なテーマのひとつが静粛性の向上。フロントウインドーには音響減衰効果のあるフィルムを挟み込み、またフロントのサイドウインドーは厚みを10%アップ、ウインドーガイドシールには、通常ラグジュアリークラスに採用される二重リップを採用している。さらにエンジンルームとの隔壁やホイールハウスなどにも騒音対策が施されている。遮音材にはフリース素材などを採用することで、静粛性を飛躍的に向上しながらも重量増は1kgに抑えている。
■高効率エンジンと7速DSGの組み合わせで運動性能と環境性能を両立
エンジンはガソリンエンジンで最高水準の効率を誇ると言う2種類の1.4リッターTSIエンジンを採用。TSIコンフォートラインに搭載されるのは、直列4気筒DOHC 1389cc水冷インタークーラー付ターボの「TSIシングルチャージャーエンジン」で、最高出力90kW(122PS)/5000rpm、最大トルク200Nm(20.4kgm)/1500-4000rpmを発生する。TSIハイラインに搭載されるのは直列4気筒DOHC 1389cc水冷インタークーラー付ターボ+スーパーチャージャーの「TSIツインチャージャーエンジン」で、最高出力118kW(160PS)/5800rpm、最大トルク240Nm(24.5kgm)/1500-4500rpmを発生する。ツインチャージャーエンジンは、わずか1000rpmでスーパーチャージャーが1.8barの過給を発生。中高回転に最適化されたターボチャージャーを低回転でアシストする。
組み合わせられるトランスミッションは、デュアルクラッチシステムの7速DSGを全車に標準装備。この7速DSGは先代のゴルフGTIに搭載された6速DSGの湿式多板クラッチに対し、乾式クラッチとすることで、オイル量の低減やオイル経路を簡略化し、20kg以上の軽量化とコンパクト化を実現している。さらにパワーロスも大幅に低減し、低燃費化も実現。10・15モード燃費では、TSIコンフォートラインがフォルクスワーゲンとして過去最高の16.8km/L、TSIハイラインでも、先代を16%上回る16.2km/Lを達成している。
■パッシブセーフティやドライビングアシストも充実
安全面においても新型ゴルフは大幅な進化を遂げている。超高張力鋼板や高張力鋼板を随所に使ったボディーが衝突時の衝撃を吸収するのはもちろん、エアバッグは、フロント、フロント/リアサイド、カーテンエアバッグに加えて、運転席ニーエアバッグを新規に採用。クラス水準を大きく上回る9エアバッグを全車に標準装備する。また、フロントシートには最新世代のむち打ち低減ヘッドレストを採用するほか、後席の座席ごとのシートベルト着用状態を示すシートベルト着用点検システムも採用される。これによりさらに厳しくなったユーロNCAPにおいて最高レベルの5つ星を獲得している。
高剛性、軽量で衝撃吸収性もあわせ持つゴルフのボディー | 最新の音響センサーを導入することで反応時間を短縮した9個のエアバッグ | 衝突時のステアリングやインパネとの接触による膝への衝撃を吸収する運転席ニーエアバッグ |
むち打ち低減ヘッドレストは運転席と助手席に標準装備 | マルチファンクションインジケーターには、後席のシートベルト装着状況を表示 |
さらにドライバー運転支援として、ウインカーやステアリングの切れ角に応じて進行方向を照らす「スタティックコーナリングライト」、周囲の障害物までの距離や位置を標準のRCD 310オーディオやオプションのRNS 510の画面に表示する「オプティカルパーキングシステム」を搭載する。また、RNS 510にはリアビューカメラ「Rear Assist」もセット。カメラはリアエンブレムの中に仕込まれ、作動時にのみチルトアップしてカメラが現れる。
■最初の車検まで安心して乗れるサポートプログラム
新型ゴルフの登場にあわせて導入されたフォルクスワーゲン プロフェッショナルケアは、新型ゴルフ全車に標準で付帯される。これは新車登録日から初回の車検満了日までの3年間の点検整備を、工賃無償で受けられるプログラムで、1年目、2年目の法廷点検と、フォルクスワーゲン推奨のメーカー指定点検を受けることができる。
さらに有償オプションで用意される「ニューサービスプラス」(3万9000円)をセットすれば、プロフェッショナルケアで行う定期交換部品(エンジンオイルやオイルフィルター、ブレーキフルードなど)やその他消耗品(ワイパー、ATF補充など)の部品代が無料になる。
これらにより、新車購入から3年間のメンテナンス費用はおおよそカバーされると言う。また、このプログラムを利用したサービスは、全国のフォルクスワーゲン正規販売店で受けることができる。
(編集部:瀬戸 学)
2009年 4月 10日